『ストレンジャー・シングス 未知の世界』最終回(シーズン5)を考察。あらすじと結末の意味【ネタバレ有】

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』最終回(シーズン5)を考察。あらすじと結末の意味【ネタバレ有】

2016年から配信されたNetflixシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』がついに最終回。『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン5と最終回のあらすじと結末を振り返りながら、この作品がどうしてここまで世界中で大ヒットしたのか考えます。

※この記事は『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のネタバレが含まれます。未視聴の方はご注意ください。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン5 Vol2のあらすじ【ネタバレ有】

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン5 Vol2のあらすじ【ネタバレ有】
▲ダスティンは知性を発揮し、作戦立案で大活躍。

裏側の世界のホーキンス研究所でダスティン(ゲイテン・マタラッツォ)は元所長・ブレンナー博士の日誌を発見する。宿敵ヴェクナ/ヘンリー(ジェイミー・キャンベル・バウアー)を守る肉の壁と思われたものは実は裏側の世界の外壁。裏側の世界は惑星(仮称)「アビス」と地球をつなぐ「橋」のような存在ではないか……とダスティンは推論。研究所の屋上にある、異次元を結ぶ「ワームホール」の“エキゾチック物質”を爆破すれば裏側の世界が消し飛ぶはずと考える。

一方、軍のケイ博士(リンダ・ハミルトン)の計画も明らかに。エル(ミリー・ボビー・ブラウン)の姉カリ(リネア・バーテルセン)は仲間を殺され、裏側の世界の施設に連れてこられていた。軍の目的はカリの血を抜き、妊娠中の女性に血を注いでヘンリーのような存在を新たにつくるという残忍なもの。軍がエルを執拗に追いかけていたのは、エルが最もヘンリーに近い存在だったからだった。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン5 Vol2のあらすじ【ネタバレ有】
▲シーズン5で、幼くも勇敢に冒険したホリーが印象的でした。

新たな能力に覚醒したウィル(ノア・シュナップ)は自分の根源的な恐怖をヴェクナに利用されていることに気づく。ウィルは仲間たちを集め、自分自身の秘密を打ち明ける。ウィルは母ジョイス(ウィノナ・ライダー)の提案を受け、集合意識「ハイブ・マインド」に接続。ヴェクナの隙をついて、ヘンリーの精神世界に囚われたマックス(セイディー・シンク)とホリー(ネル・フィッシャー)の脱出を手助けする。

マックスとホリーは脱出に成功するも、ホリーは異星と思しき場所で目覚める。ヴェクナに気づかれ逃げる間に地上の割れ目から落ちるとそこは裏側の世界。姉のナンシー(ナタリア・ダイアー)に会う直前でまた空の上へ引き戻されてしまう。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン5 Vol2のあらすじ【ネタバレ有】

ヴェクナ=ヘンリーはホリー以外の子どもたちをうまくだまし、自らの計画に必要な12人の子どもを揃えて儀式を行い「アビス」を地球に接触させようとする。

マイクたちはスティーブ(ジョー・キーリー)の発案で童話『ジャックと豆の木』の木のように、拠点にしているラジオ局「WQSK」の電波塔にアビスを引き寄せ、地上からのぼって乗り込もうとする。

決戦を前にカリはエルに「私たちがいればまたつらい思いをする子どもが生まれる。裏側の世界とともに消えよう」と提案。養父のホッパー(デヴィッド・ハーバー)や恋人マイク(フィン・ウルフハード)たちとの絆を思い、エルは迷うが提案を受け入れる。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5 フィナーレのあらすじ【ネタバレ有】

『ストレンジャー・シングス』シーズン5 フィナーレのあらすじ【ネタバレ有】
▲ネットで一部にスティーブ死亡説が流れていたが、ジョナサンが救ってくれました。

ホーキンスの仲間たちが集結し、マイクたちは世界を救うため、ヴェクナとの最後の戦いに向かう。ホッパーとマレー(ブレット・ゲルマン)は裏側の世界を破壊するC-4爆弾を準備。
エルが超能力でカリ、さらにマックスと合流。精神世界でヴェクナを倒そうとするが、ヴェクナの策略でエルたちはホリーたちを残して現実世界に戻ってしまう。ホリーら子どもたちはヘンリーの記憶をたどって洞窟に逃げ込むが、ヘンリーは自らのトラウマの残る洞窟にまで入り込もうとする。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5 フィナーレのあらすじ【ネタバレ有】
▲繊細で恐ろしい悪役を見事演じきったジェイミー・キャンベル・バウアーの演技力に感服。

残りのメンバーたちは誘拐された子供たちを救出するため、「豆の木」を登りアビスへと足を踏み入れる。

アビスの中でジョイス、ウィル、マイク、ダスティン、ルーカス(ケイレブ・マクラフリン)、スティーブ、ジョナサン(チャーリー・ヒートン)、ロビン(マヤ・ホーク)、ナンシーはヴェクナの隠れ家と思われる「ペイン・ツリー」への入り口を見つける。

突如木の枝は蜘蛛のような脚に曲がり、マインド・フレイヤーとして動き始める。エルがヴェクナと戦う間、残りの仲間たちはマインド・フレイヤーを倒すために力を合わせる。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5 フィナーレのあらすじ【ネタバレ有】
▲マインド・フレイヤーとゲームさながらのレイドバトル(総力戦)。

真相を知ったことでウィルの恐怖はなくなり、ヴェクナを操って腕を折る。マイクやナンシーたちはマインド・フレイヤーを焼き払い、エルがヴェクナを追い詰め、最後は他の人物によってとどめを刺されます。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5 フィナーレのあらすじ【ネタバレ有】

大団円かと思ったのも束の間、現実世界に戻るとマイクたちは軍に包囲されてしまう。エルは「自分がいる限り終わらない」とマイクに精神世界で別れを告げ、裏側の世界の爆発とともに消えてしまう。

18カ月後、ホーキンスの惨事は大地震として片付けられていた。エルへの喪失感を抱え、ホーキンス高校の卒業式に行けずにいるマイクにホッパーが「彼女の選択を受け入れよう」と力づける。ダスティンが卒業生総代としてスピーチするが、学校や権威に中指を立てる。それぞれの道を選んだスティーブたちはWQSKの屋上でフィラデルフィアにあるロビンの「変な」叔父の家で月に一度会うことを誓う。

『ストレンジャー・シングス』シーズン5 フィナーレのあらすじ【ネタバレ有】

マイク、ウィル、ダスティン、ルーカス、マックスはテーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』をプレイしながら、それぞれの将来に思いを馳せる。マイクはエルが生き残っている可能性について語り、自分らにかわってホリーたち年少の子どもらが『D&D』を遊ぶ姿を見て、地下室の扉を閉め出ていく。

『ストレンジャー・シングス』ラストの意味について

『ストレンジャー・シングス』最終回で残る謎について、製作・脚本を務めるダファー兄弟の発言などをもとに考察します(Netflix公式「Tudum」などを参照)。

https://www.netflix.com/tudum/features/stranger-things-series-finale-duffer-brothers-interview
https://www.netflix.com/tudum/articles/stranger-things-5-episode-8-ending-explained

ヴェクナは操られていたのか?謎の石の正体は?

ヴェクナは操られていたのか?謎の石の正体は?
▲ウィルが解釈したように、真相を思い出させないようマインド・フレイヤ―が意図的にヘンリーを洞窟に入らせないようにしていたのかもしれません。

マックスがずっと昏睡状態の中で精神を囚えられていたヘンリーの精神世界「カマゾッツ」にはヘンリーのトラウマとなった事件の記憶が残っていました。
砂漠の地下、炭鉱のような場所でアタッシュケースを手にした男性が銃を手に少年時代のヘンリーに対峙します。ヘンリーは説得しようとしますが、銃撃され思わず石で男性の頭を殴ってしまう。後悔で涙するヘンリーが男のアタッシュケースを開けると中には赤く光る石(アビスの隕石、もしくはマインド・フレイヤーの粒子が入ったもの)が。マインド・フレイヤ―による支配が始まり「抵抗しないと飲み込まれるぞ」という男の制止を無視し、ヘンリーは男を能力で殺します。

ウィルは「君のせいじゃない」とヘンリーを説得しようとしますが、ヘンリーは「自分の意思で選んだ」と拒絶。

ヴェクナは操られていたのか?謎の石の正体は?

マインド・フレイヤーの目的が地球の侵略だったとすると、知性があまりない「デモゴルゴン(デモドッグ)」の代わりに、人間の記憶を操作してゲート(と裏側の世界)をつくる人物が必要だったのかもしれません。ヘンリーとマインド・フレイヤーは不可分な存在、共生関係となったのでしょう。ヘンリーは結局最後まで後悔や謝罪はせず、幕を閉じます。

ヘンリーの過去についてはブロードウェイ版『ストレンジャー・シングス 未知の世界: ザ・ファースト・シャドウ』で一部言及されています。『舞台の裏側: ストレンジャー・シングス 始まりの影』も合わせてぜひチェックを。

【Netflixシリーズ『舞台の裏側: ストレンジャー・シングス 始まりの影』独占配信中】

エル(イレブン)は生きている?

最終話で、マイクたちは現実世界に戻ったとき、エルの姿が見えないことに気づきます。エルは裏側の世界の中にいたまま、ワームホールと共に消滅するのを待つのでした。
「自分がいる限り、軍はヘンリー(≒マインド・フレイヤ―)の血を使って次の子どもたちを傷つける。悲劇が終わらない。だからここで消える」と語るエルにマイクは別の選択肢を選ぶよう懇願しますが、最終的に彼女が裏側の世界と共に消えていくのをただ見守るしかありませんでした。

エル(イレブン)は生きている?

ただ、最後の卒業式のシーンでマイクはスピーカーを見て気づきます。エルたちが能力を使えなくなる妨害電波が発生していたはずなのに、どうして彼女自身を精神世界に引き込めたのか。マイクはこう考えます。エルは軍をだますために仲間もだます必要があったため、別案をたてて実は死んだと思わせたのではないか……と。

エルは間一髪、その場から逃れて実はマイクたちも知らない異国を旅して、素性を隠し初めて安息の地にたどりついたのではないか。

根拠はないけれど、マイクやウィルたちはその物語を信じようとします。

エル(イレブン)は生きている?
▲三本の滝が流れる場所でぜひマイクと再会してほしい。

ダファー兄弟によれば、エルの結末については観客に判断をゆだねているそう。エルの能力がなくなるエンディングも案の一つとしてあったそうですが、最後まで彼女から能力を奪いたくなかったので、いかようにでも取れるエンディングにたどり着いたとのこと。

子どもを信じれば、大人も成長できるというメッセージ

子どもを信じれば、大人も成長できるというメッセージ

筆者としても、マイクのようにエルが生きていて別の地にいる、いずれマイクたちとめぐり合うエンディングを信じたいと思います。そう思う理由の一つに、ホッパーがエルに向かって語ったセリフがあります。
ホッパーは「悲惨な幼少時代を過ごしたから、結末がそうならないように戦ってほしい。いつか自分の子を抱いて幸せな人生を送るために。報われるべきだから」と語ります。これはカリに対しても向けられたものと考えられ、その後エルは(演出を見ても)ホッパーの言葉は二人の心を動かしたように見えました。

マインド・フレイヤーもヴェクナ(ヘンリー)も「子どもの心が弱いから」と自分の目的のために子どもをさらい、だまします。でも「思っているより子どもは賢い」とエルは言います。

シーズン5で印象的だったのは、ホリーをはじめとして子どもたちが自力で脱出や解決を目指す姿。地球を滅ぼそうとするヴェクナやマインド・フレイヤーに子どもたちが立ち向かうなんて……と一瞬思わないでもなかったのですが、そもそも「信じられないぐらい奇妙な出来事(Stranger Things)」を大人たちが信じなかったから(告発すると怪しい研究所に連れて行かれるから)子どもと、それを信じる大人たちで解決するしかなかったのでした。

過干渉気味だったホッパーが物語の終わりに「エルの選択を受け止めて前に進む」とマイクに言うシーンは感動的でした。ジョイスも含め、子どもを信じたからこそ大人もまた成長できたのだと思います。

なぜ『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のシーンで終わったのか?

なぜ『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のシーンで終わったのか?

『ストレンジャー・シングス』はシーズン1の1話冒頭と同じように、テーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』で幕を閉じます。ウィーラー家の地下室で再び『D&D』に興じるウィル、ダスティン、ルーカス、マックス、そしてマイクは最後のキャンペーン(物語)を終え、それぞれの本を棚にしまい、一人ずつ地下室を後にします。

するとホリーとその友人たちが駆け下りてきて『D&D』を始めます。

「今こそ彼らが子ども時代を後にし、次の子どもたちにバトンを渡す時なのです。フィン(ウルフハード)は本当に美しい演技をしていたと思います。彼が子ども時代を後にすることへの深い悲しみと悲しみを乗り越え、そして『ほろ苦い幸福』へと辿り着く様子が見て取れますから」(マット・ダファー)。

最後の『D&D』のシーンではキャストがみな涙してしまいテイクを重ねたそうです。10年近いキャストの成長もまた『ストレンジャー・シングス』の魅力でした。それぞれの未来については、ダファー兄弟とキャストたちが相談していって決めていったものだそう。

1話の最初と同じゲームのシーンに回帰しつつ、もうそれぞれの立場も思いも変化してしまった。そんな切なさを受け止めながら次の世代に託していく、良いエピローグでした。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』は“レンタルビデオ店の、あのニオイが濃厚に詰まった作品”だった

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』は“レンタルビデオ店の、あのニオイが濃厚に詰まった作品”だった
▲シーズン4より。レンタルビデオ店でアルバイトをするスティーブとロビン。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の魅力はいくらでも語れます。SFでホラーで、ジュブナイル(青春の物語)で、1980年代のカルチャーの扱い方、過去の映画・ゲーム・アニメ・音楽のオマージュが良い……とか。ただ、一言で言うのが難しい(多くの『ストレンジャー・シングス 未知の世界』ファンは同じ悩みを抱いているのではないでしょうか)。

あえて筆者が個人的に一言で言うとするなら「レンタルビデオ店の、あのニオイが濃厚に詰まった作品」でしょうか。
小さな頃に家族で通った、地方の小さなレンタルビデオ店のあのにおい。ビニールなのかタバコなのか分かりませんが、独特のにおいがありました。大学時代にアルバイトした新宿東口にかつてあったレンタルビデオ店の、夜中に誰もいないあの雰囲気。そこに密集する膨大な映画の数々と、それを巡る人々の姿。

懐かしさが去来するあのニオイが『ストレンジャー・シングス』には詰まっています。映画ファンなら思わずニヤリとするオマージュがふんだんに盛り込まれているのも、どこか「名画座」的におすすめビデオをどんどん薦めてくる店員のようです。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』は“レンタルビデオ店の、あのニオイが濃厚に詰まった作品”だった
▲マイクは作家になる姿が暗示されました。『スタンド・バイ・ミー』のエンディングを彷彿とさせます。

ホッパー役のデヴィッド・ハーバーが「すばらしい脚本だが、オタクすぎてまさかここまでヒットするとは思わなかった」と笑いながら語っていました。ゲームクリエイターの小島秀夫監督がダファー兄弟に話したように、Netflixや時代との相性もあってきっと『ストレンジャー・シングス』は大ヒットしたのだと思います。

元々Netflix自体が、郵送によるDVDレンタルサービスから始まったサービスでした。サブスクでコンテンツが大量に増えた(大人になった)けれど、どこか子どもの頃感じた、あのレンタルビデオ店のニオイを感じたい。そんな中、昔散々映画で見て原風景にさえなった、アメリカの郊外の町で子どもたちが奇妙な冒険に出かける作品が始まった。キャストの未来への成長を見守りながら、同時にどんどん心の奥にある懐かしさを思い出していく。きっとそれが『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の魅力でしょう。

関連記事:『ストレンジャー・シングス』に影響を与えた30の元ネタ

まとめ

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』がいよいよ最終回を迎え、寂しさを感じずにはいられません。スティーブン・キング原作の『IT』や浦沢直樹『20世紀少年』のように、大人になったマイクたちが再びホーキンスに集まる続編もちょっと期待してしまいますが……蛇足でしょうか。ただヘンリーが見つけた隕石(?)のような謎もまだ残っています。
ナンシーとロビンが主役の小説『Stranger Things: One Way or Another: A Nancy Wheeler Mystery』や2026年に配信が予定されているアニメ『ストレンジャー・シングス:85年の物語』などスピンオフの展開も今後楽しみです。

2026年1月12日からは最終シーズンの舞台裏を描く『ストレンジャー・シングス 未知の世界 5 ~”最後の冒険”の舞台裏~』も配信決定しています。

今後もホーキンスの面々の活躍を現実世界でも、Netflixの中でも引き続き楽しみにしていきましょう!

※「Tudum」にあるパズルを遊ぶとキャストの特典映像が見られるのでおすすめです。作品が終わって寂しい方はぜひ。
https://www.netflix.com/tudum/puzzled/event/stranger_things

関連記事:Netflix作品一覧―ストレンジャー・シングス 未知の世界

【『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン1~5独占配信中】


Netflixを楽しむなら、 eo光シンプルプランとNetflixのセットプランがおすすめ!eo光シンプルプラン 10ギガコースとまとめてお申し込みいただくと、Netflix月額料金の最大6カ月分をプレゼントします。さらに月額料金がすっと毎月110円おトクに!

eo光シンプルプラン 10ギガコース Netflixパックへのリンク画像

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。掲載日以降に内容が変更される場合がございますので、あらかじめご了承ください。