『ベター・コール・ソウル』は『ブレイキング・バッド』の弁護士による破壊と再生の物語

ベターコールソウル メインビジュアル

Netflixシリーズ『ベター・コール・ソウル』は、アメリカTVドラマ史上の最高傑作といわれる『ブレイキング・バッド』に登場する弁護士ソウル・グッドマンが主人公のスピンオフドラマです。日本ではシーズン1が2015年9月2日からNetflixで配信され、2022年4月19日に配信されたシーズン6で完結しました。この記事では、『ベター・コール・ソウル』の魅力や登場人物を紹介します。

『ベター・コール・ソウル』ってどんなドラマ?

大人気ドラマ『ブレイキング・バッド』のスピンオフ作品

ベターコールソウル ソウルとマイク

Netflixシリーズ『ベター・コール・ソウル』は、全世界で絶大な人気を博したドラマ『ブレイキング・バッド』と同じ製作チームによるスピンオフ作品。『ブレイキング・バッド』の重要人物である弁護士ソウル・グッドマンと麻薬カルテルとの確執の原点となるストーリーが展開されます。

6シーズンで描く、弁護士ソウル・グッドマンの知られざる過去

ベターコールソウル 何かを見つめるソウル

『ベター・コール・ソウル』は、全6シーズンにわたり、弁護士ソウル・グッドマンの知られざる過去を深く掘り下げるドラマシリーズです。彼の恋人でありビジネスパートナーでもあるキム・ウェクスラーとの複雑な関係、厳格な兄のチャールズ・”チャック”・マッギルとの対立、麻薬カルテルとの確執を通じて、どのようにして『ブレイキング・バッド』の悪徳弁護士ソウル・グッドマンが誕生したのかを細かく描きます。

『ベター・コール・ソウル』のキャスト・登場人物

ソウル・グッドマン(ボブ・オデンカーク)

ベターコールソウル ソウル

本名はジミー・マッギル。元詐欺師で、兄のチャールズに認められるために弁護士の道へ。弁護士としては、法と道徳の境界を曖昧にするような手法を好む。彼の鮮やかな話術と策略は物語の主軸で、その行動が悪徳弁護士ソウル・グッドマンを型作ります。

キンバリー・”キム”・ウェクスラー(レイ・シーホーン)

ベターコールソウル キム

ソウルの親友であり、後の恋人。熱心で堅実な弁護士であり、大手法律事務所で働く一方で、ソウルの疑わしい法的手法に対しては複雑な感情を抱いています。シーズン前半は、ソウルのやり方に対して反対の立場を貫いていたものの、数々のトラブルを経てソウルのパートナーとして一緒に策を練る立場に。ソウルへの愛情と道徳心の狭間に揺れる彼女の心理描写は、『ベター・コール・ソウル』の見どころの1つです。

マイケル・”マイク”・エルマントラウト(ジョナサン・バンクス)

ベターコールソウル マイク

『ブレイキング・バッド』の主要登場人物の1人で、ソウルが通う裁判所の駐車場係。元フィラデルフィア市警察勤務の刑事で、駐車場係として働く傍ら「プロの問題解決屋」として活動しています。シーズン1の序盤から登場し、ソウルと関わる中で麻薬カルテルとのつながりを持つように。犯罪には関わるものの、自身の倫理観や道徳観に反する行為には手を染めない、物語の良心として描かれます。

イグナシオ・”ナチョ”・ヴァルガ(マイケル・マンド)

ベターコールソウル ナチョ

『ブレイキング・バッド』の登場人物であるドラッグディーラー、トゥコ・サラマンカの手下で、麻薬カルテル「サラマンカファミリー」の一員。犯罪に手を染めているものの、根は父親想いの善良な人物として描かれます。麻薬カルテルから離れるために、秘密裏にソウルに情報をリークするものの、さまざまなトラブルに巻き込まれることになります。

エドゥアルド・”ラロ”・サラマンカ( トニー・ダルトン)

麻薬カルテル、サラマンカファミリーの一員。非道で疑い深く、無鉄砲な人物として描かれています。ファミリーへの愛が人一倍強く、ファミリーの不利益になる人物・事柄を徹底的に破壊。物語の後半でソウルとキムの最大の脅威となります。

グスタボ・”ガス”・フリング(ジャンカルロ・エスポジート)

ベターコールソウル ガス

『ブレイキング・バッド』にも登場する麻薬カルテルの元締め。表面上はフライドチキンチェーンの経営者として知られる一方で、裏ではメキシコ・アルバカーキの複数の麻薬カルテルと流通ネットワークを統率しています。『ベター・コール・ソウル』では、「ガスはどのように元締めの位置に上り詰めていったのか?」「マイクとの関係はどのように形成されたのか?」が明らかに。『ブレイキング・バッド』ファンにとってはたまらない登場人物といえるでしょう。

『ベター・コール・ソウル』の魅力は?

『ブレイキング・バッド』の前日譚として楽しめる

ベターコールソウル ナチョを見つめるソウル

『ブレイキング・バッド』は、末期がんに犯された化学教師のウェルターが麻薬王になり、没落するまでを描いたドラマシリーズです。ソウル・グッドマンは、麻薬王ウォルターの悪事を隠すために暗躍する悪徳弁護士。「闇組織との関わり」「司法を欺く豊富な知識と経験」「ユニークでウィットに富んだ性格」など、魅力的な登場人物として物語を彩りました。

Netflixシリーズ『ベター・コール・ソウル』では、『ブレイキング・バッド』で描かれなかった「なぜソウルは犯罪者を助ける悪徳弁護士になったのか?」を主軸に描きます。ソウルが悪徳弁護士になった要因には、麻薬カルテルの存在が深く関わっているため、麻薬カルテルの動向を含む『ブレイキング・バッド』全体の前日譚として楽しむことができます。

最終章であるシーズン6では、『ブレイキング・バッド』の後日譚を描くモノクロパートも登場。シリーズ視聴者なら気になる、『ブレイキング・バッド』のその後を垣間見ることができます。

『ブレイキング・バッド』のあのメンバーたちが登場

ベターコールソウル ソウルを覗き伺うマイク

Netflixシリーズ『ベター・コール・ソウル』には、主人公のソウル・グッドマン以外にも、多数の『ブレイキング・バッド』メンバーが登場。

代表的なのは、麻薬カルテルのボスであるガス・フリングや、元警察官のマイク・エルマントラウト。ソウルだけでなく、彼と彼らを取り巻く『ブレイキング・バッド』メンバーの前日譚としても楽しむことができます。この他にも、シーズン1〜6まで随所に『ブレイキング・バッド』メンバーが登場するため、視聴済みの方は、「次は誰が出るかな?」とワクワクしながら楽しめるはずです。

魅力的な新キャラクターたち

ベターコールソウル ソウルとキム

Netflixシリーズ『ベター・コール・ソウル』から登場する新キャラクターも本作の魅力のひとつです。代表的なのは、ソウルと行動を共にする仕事のパートナー兼恋人のキム・ウェクスラー、精神疾患に悩まされるソウルの兄で優秀な弁護士のチャック・マッギル、麻薬カルテルの若手メンバーであるナチョ・ヴァルガの3人。

ソウルと彼らの複雑な人間関係や価値観のすれ違いは、シーズン全般を通して視聴者の心を強く揺さぶります。『ベター・コール・ソウル』は、これらの魅力的なキャラクターを通して、善悪にとらわれない複雑な人間の本質を描く作品といえるでしょう。

相手を欺くトリックとスリリングな会話劇が描かれる法廷ドラマ

ベターコールソウル ソウルを脅すナチョ

『ベター・コール・ソウル』は、犯罪をテーマにしたヒューマンドラマとしての側面と、弁護士と検察、弁護士と犯罪者、または弁護士同士の会話劇を描く法廷ドラマとしての魅力も詰まった作品です。

ソウルはシーズンの各所で数々のピンチに見舞われますが、巧妙なトリックと悪知恵で鮮やかにくぐり抜けていきます。ソウルが考えるトリックは「法律のグレーゾーンを突くもの」「相手を貶めるための既成事実を時間をかけて作るもの」「犯罪者と結託して行う完全な不法行為」など、シリーズを追うごとに正義とはかけ離れたものになっていきます。
スリリングなトリックと緊張感に溢れた会話劇の数々は、『ベター・コール・ソウル』の最大の魅力のひとつ。トラブルが発生する度に、「次はどんな手を使って問題を突破するのだろう?」と物語の中に強く引き込んでくれるでしょう。

まとめ

『ベター・コール・ソウル』は、悪徳弁護士ソウル・グッドマンの誕生秘話をメインに、大ヒットドラマ『ブレイキング・バッド』の前日譚・後日譚を描くスピンオフドラマシリーズです。興味のある方は、ぜひ今回の記事を参考に視聴してみてください。

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