Netflixで独占配信中の韓国ドラマ『私の解放日誌』は、田舎暮らしの三兄弟が日々の閉塞感から脱却しようと奮闘する姿を描くヒューマンドラマ。淡々と進む日常の中で、徐々に変化していく心境と人間関係を丁寧につづる上質な作品です。この記事では『私の解放日誌』のあらすじとキャスト、そのストーリーの魅力を紹介します。
『私の解放日誌』あらすじ
愛を求めて焦る一番上の姉のヨム・ギジョン(イ・エル)、いつまでも変わらない田舎暮らしから脱却したいが思うようにいかない長男のヨム・チャンヒ(イ・ミンギ)、全てを諦めたかのように淡々と日々を送る末っ子の妹ヨム・ミジョン(キム・ジウォン)。
三兄弟はそれぞれ漠然と満たされない気持ちがあり、そんな毎日からの脱却を願っています。物語は彼らの父親の仕事を手伝う男「ク」を中心に展開します。クは何を聞いてもほとんど答えず謎に包まれていますが、彼と接することでミジョンの心には変化が訪れるのでした。
クの素性がだんだんと明らかになる中で、三兄弟の毎日は少しずつ前進していきます。
『私の解放日誌』の登場人物・キャスト
ヨム・ミジョン(キム・ジウォン)
三兄弟の末っ子。口数は少なく毎日を淡々と過ごしており、孤立とまではいかないものの会社での人間関係にも少々疲れ気味。あるきっかけを機に、これまでほとんど会話をしなかったクと話すようになり、心境や人間関係に変化が訪れる。
演じるのは、『太陽の末裔 Love Under The Sun』『サム、マイウェイ 恋の一発逆転』などの作品に出演してきた人気女優のキム・ジウォン。2020年には『都会の男女の恋愛法』でチ・チャンウクと共演し、韓国国内だけでなく海外でも話題になりました。
『私の解放日誌』では儚げな雰囲気をまとうミギョンを、抜群の演技力で演じました。
ヨム・チャンヒ(イ・ミンギ)
三兄弟の真ん中で、長男。今の暮らしから脱却しようと画策するが、いまいちうまくいかない。不器用で実直な性格。ある日からクを兄貴と呼び、交流を深めようとする。
演じるのは、2005年のデビューから、さまざまな役を演じてきた人気俳優イ・ミンギ。2021年の『Oh!ご主人様~恋ができない僕とカノジョの同居生活~』で、イケメン脚本家を演じ人気になりました。
身長183センチでモデル出身のイ・ミンギですが、『私の解放日誌』では、彼女に「ダサい」とフラれたり、仕事の付き合いでかかってくる愚痴電話がなかなか切れなかったりという、少々頼りない役。ほかの作品とのギャップにも注目です。
ヨム・ギジョン(イ・エル)
三兄弟の一番上の姉で気が強く、弟チャンヒとも喧嘩が絶えない。ブラインドデートをするもうまくいかず、女性好きの会社の先輩も自分だけにはノータッチ……不安から「誰でもいいから愛したい」と言い放ちます。そんな中、ミジョンの会社の同僚であるバツイチ男性チョ・テフンに惹かれていき……。
演じるイ・エルは、大ヒットドラマ『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』でのサンシンハルモニ役で知名度を上げ、『花遊記』などの話題作への出演で、個性派女優として知られるようになりました。『私の解放日誌』でも、存在感のある演技を見せています。
ク(ソン・ソック)
「ク」という名前以外はすべて謎に包まれていて、どこから来たのか、なぜこの田舎にやってきたのかも不明の男。三兄弟の父親の仕事を手伝っていて、仕事以外では誰とも関わろうとはしませんでしたが、徐々にミジョンとはお互い心を開いていきます。
謎の男クを演じるのは、ソン・ソック。『サバイバー: 60日間の大統領』『D.P. -脱走兵追跡官-』などに出演してキャリアを積んできました。坂元裕二氏が脚本を手がけた日本のドラマ『Mother』と『最高の離婚』の韓国版リメイク作にも出演しています。
『私の解放日誌』では、序盤ではほとんど喋ることすらない難しい役柄でしたが、独特の雰囲気と魅力から、これまで以上に注目を浴びました。
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チョ・テフン(イ・ギウ)
ミジョンの会社の同僚で、彼女と同じく同好会に所属しません。シングルファーザーとして姉2人とともに娘を育てています。
ヨム・ジェホ(チョン・ホジン)
三兄弟の父親。朝から晩まで畑と工場で働き、家族の言葉に耳を貸してくれないところもありますが、寡黙で真面目な性格です。
クァク・ヘスク(イ・ギョンソン)
三兄弟の母親。小言ばかりで子供たちから煙たがられていますが、懸命に家族の暮らしを支えています。
オ・ドゥファン(ハン・サンジョ)
三兄弟の近所に住む友人。繁盛していないカフェを経営していて、チャンヒとよくお酒を飲む仲です。
チ・ヒョナ(チョン・ヘジン)
三兄弟の友人。困っているチャンヒに助け舟を出すことも。
ソク・ジョンフン(チョ・ミングク)
三兄弟の友人で、小学校で先生をしています。
ソ・ヒャンギ(イ・ジヘ)
幸福支援センターのチーム長。ミジョンに同好会への加入を勧めます。
パク・サンミン(パク・スヨン)
ミジョンの職場の上司で、ミジョンと同じく同好会に入らずにいたため、一緒に「解放クラブ」のメンバーになります。
『私の解放日誌』の見どころ
田舎暮らしや職場への不満、リアルさに共感
『私の解放日誌』の物語の序盤は、三兄弟による不平不満が次々と吐き出されます。
3人は田舎暮らしをしています。通勤には往復4時間かかり、車が無いと恋愛もできないと嘆く長男。そして家が遠いことを理由に会社での付き合いを断る末っ子、愚痴を兄弟や幼馴染たちにぶつける姉……田舎暮らしの若者が不満を吐き出す姿には共感する方も多いのではないでしょうか。
首都ソウルを「卵の黄身」だとすると、自分たちの住む場所は「卵の白身」だと自虐する言葉には、思わずグサリ。
そんな大変な思いをして都会まで通勤しているのにもかかわらず、会社でも特に輝かしい躍進ができているわけではないというのもリアルです。
しかし、そんな現実味あるストーリーが登場人物たちを身近に感じさせてくれて、より一層物語に浸ることができるのも『私の解放日誌』が持つ魅力でしょう。
淡々と描かれる日常の美しさと、心に沁みるストーリー
閉塞感に悩む主人公たちの姿がリアルに描かれる『私の解放日誌』ですが、決して暗い雰囲気をまとっているわけではありません。
淡々と過ぎていく日常や、田舎の風景が美しく描写されているのも見どころです。
特別なことは起こりませんが、随所に心に沁みる言葉が散りばめられていて、じわじわと引き込まれていく良質なヒューマンドラマでもあります。
毎日眺めていた看板の言葉も、ちょっとしたきっかけで受け取り方が変わる。そんな心境の変化から周りの関係も穏やかになっていく。『私の解放日誌』は、登場人物たちの表情が明るくなっていく様子に、見ているこちらも心が晴れていくような作品です。
【Netflixシリーズ『私の解放日誌』独占配信中】
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