Netflixシリーズ『Mr.プランクトン』が2024年11月8日より配信スタートしています。両親の愛を知らずに育ったヘジョとジェミ。元恋人同士の2人が、あることがきっかけで人生最期の旅に出ることになるロマンチックラブストーリーです。
この記事では、Netflixシリーズ『Mr.プランクトン』のあらすじやキャスト、見どころを紹介します。
※本記事はNetflixシリーズ『Mr.プランクトン』の一部ネタバレを含みます。
『Mr.プランクトン』のあらすじ
ソウルで便利屋を営むヘジョは「その日が楽しければ良い」で、プランクトンのように目的もなくふわふわとした生活を送っています。
あるときヘジョは、脳の中に血管の奇形が見つかり余命3カ月と宣告されます。
ヘジョの生い立ちは複雑で、精子凍結をしていた夫婦がようやく人工妊娠に成功して生まれた子どもでした。しかし取り違えにより育ての父と実の父が違うことが発覚。
ヘジョは、人生の最後の時間を使って実の父親を探す旅に出ることを決意します。
ヘジョが余命を宣告されたのと同じころ、元恋人のジェミもまた、早期閉経を宣告されて絶望していました。周囲の反対を押し切り由緒正しい家系の1人息子との婚姻を進めていたジェミでしたが、妊娠できない体になってしまったのです。
ジェミの結婚式当日、ヘジョは花嫁姿のジェミを強引に連れ出し、無理やり父親探しの旅へと同行させることに。
元恋人同士の2人、最後の旅を描いた奇妙な愛の物語が始まります……。
『Mr.プランクトン』の魅力
コミカルで軽やかな、愛を乗せたロードムービー
余命を宣告されたとき、あなたは残りの人生をどうやって過ごすでしょうか。
余命3カ月と宣告された主人公のヘジョは、それまでの人生を振り返り、本当の父親を探すことにします。精子バンクの提供者の中から5人の候補者に順番に会いに行く旅という、ロードムービーのような一面がある『Mr.プランクトン』。
ヘジョは常に頭に爆弾を抱えながら、父の面影を探し、本当の父親とはどういう人物なのかを考えていきます。普段はひょうひょうとしたヘジョですが、実父候補と順番に出会う中で、人柄に落胆したり、期待をして裏切られたりする姿が切なくなります。父の愛を知らないヘジョにとって、人生の一番の心残りはきっと父親からの愛だったのでしょう。果たして本当の父は見つかるのでしょうか。
そんな自らの最期を覚悟したヘジョが旅の同行者として選んだのが、元恋人のジェミでした。
ジェミは天涯孤独で、幼少期は施設で過ごしていたため親の愛を知りません。付き合い始めた当初はお互いに寂しさを埋め合い楽しく過ごしていたヘジョとジェミ。ヘジョは愛を信じられずにプランクトンのような自由な生き方を求める一方、ジェミは愛を育む家族を求めていました。そんな2人なので少しずつすれ違い、別れることになってしまったのです。
旅の道中、強引な中にもジェミに対する優しさや、本当はジェミのことを大切に思っている様子が伝わってくるのです。
ときには喧嘩をし、ときには笑い合う2人の姿に幸せを感じながらも、ヘジョの運命を思うとやるせなさも感じさせます。
誰しもが抱える家族や愛についての悩みが共感を呼ぶ
ヘジョは旅の中でさまざまな人と出会い、自分にとっての本当の家族とはなにか、幸せとはなにかといった、人生の価値観や愛に気づいていきます。
ヘジョは自身の体験から「親に愛されてこそ子どもを愛すことができる」と考えています。ヘジョはジェミに対し「良い嫁にはなれるが、良い親にはなれない。なぜなら親の愛を知らないから」と言い、2人は別れることになってしまいました。親の愛とは何か、愛情不足の人間が子どもたちに何を残せるのかなど、私達の心に響く感情が丁寧に描かれていて、共感を呼びます。
余命モノというと暗いストーリーになりがちですが、全体のトーンはコミカルで明るく、重くなりすぎることはありません。
監督はNetflixシリーズ『ディア・マイ・フレンズ』などを手掛けたホン・ジョンチャン。脚本は『サイコだけど大丈夫』のチョ・ヨンというタッグで、ヘジョとジェミという不完全だからこそ愛しいキャラクターを優しく描き出しています。特に後半の、現在と過去のエピソードを織り交ぜながらヘジョの人生が明らかになっていく脚本が見事です。
2人の旅を通して、たとえ血の繋がりがなくても愛情で繋がれることを感じることができます。ラブストーリーの域にとらわれず、見終わった後にあたたかい涙が流れる作品です。
俺様系の元恋人か一途な婚約者か。奇妙な三角関係にときめく
ヘジョは元恋人のジェミを拉致して自分の旅につき合わせるという強引で大胆なキャラクター。自由で強くしなやかで、人を惹きつける色気を持っています。加えて行動からは、生い立ちからくる孤独や寂しさ、そして余命から来る儚さが見え隠れしているのがたまりません。演じるウ・ドファンのかっこよさもこの作品の大きな魅力の1つです。
一方でジェミの婚約者であるオ・フンはヘジョと正反対のキャラクター。オ・フンは施設出身のジェミとの結婚に大反対する母に対し、結婚を認めてもらえるように妊娠していると嘘をつき、無理やり押し通します。
ジェミのことを心から大切にしており、2人は婚前交渉もしていません。不器用で純朴すぎるオ・フンですが、ジェミを想う愛情深さを知って、次第にヘジョも心を開いていくのです……。
ストーリーが進むうちに、3人の中にあたたかな空気が流れていきます。まるで家族のような、不思議だけれども心地よい空気感に浸ることができます。
『Mr.プランクトン』の登場キャラクター
ヘジョ（ウ・ドファン）
ソウルで便利屋を営む男。両親に愛されず育ったため、プランクトンのようにふわふわと流されるような人生を送っている。余命を宣告されたことがきっかけで自身のルーツである実の父親を探す旅に出ることを決意。
演じるウ・ドファンは、ドラマを中心に活躍する実力派。Netflixシリーズ『ブラッドハウンド』ではボクサーを演じ、肉体美で話題となりました。
チョ・ジェミ（イ・ユミ）
伝統的な宗家の一人息子オ・フンとの婚礼直前に早期閉経を告げられてしまう。そのことを誰にも言えないまま、婚礼の日に元恋人のヘジョに拉致され、旅に無理やり同行することに。
演じるのはNetflixシリーズ『イカゲーム』のジヨン役でブレイクしたイ・ユミ。その後もNetflixシリーズ『今、私たちの学校は…』や映画『ニューノーマル』などに出演する韓国で話題の俳優の1人。
・関連記事：『イカゲーム』1＆2のあらすじ・登場人物をネタバレあり／なしで解説
オ・フン（オ・ジョンセ）
伝統的な宗家の1人息子。母親の強い反対を押し切ってジェミとの結婚を進める。婚礼当日に連れ去られたジェミを追う。
演じるのは多数の映画やドラマに出演する名バイプレーヤーであるオ・ジョンセ。ジェミを愛する純粋な男を時にコミカルに、時に切なく演じています。
ポム・ホジャ（キム・ヘスク）
オ・フンの母親。伝統料理を現代へと広めたカリスマ的な存在。オ家当主の妻として、施設出身のジェミと息子との結婚に反対していた。加えて当日に行方不明となったために激怒し、あらゆる手段を使って追っている。
演じるキム・ヘスクは「国民の母」と呼ばれる韓国を代表する俳優。Netflixシリーズでも『京城クリーチャー』などのヒット作に出演しています。
ユ・ギホ（キム・ミンソク）
ヘジョが営む便利家にて、ヘジョのパシリ役として働いている。
まとめ
『Mr.プランクトン』は家族からの愛を知らないヘジョとジェミが、旅を通して愛について考えていく物語です。心の中に大切にしまっておきたくなるような、宝物のような物語にあなたもぜひ触れてみてはいかがでしょうか。
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