吉本興業所属の人気お笑いコンビ「アキナ」のツッコミを担当し、テレビやSNSなどでもサッカー好きを公言する秋山賢太さん。自身も学生時代にサッカーに明け暮れていた秋山さんが、いつも憧れのまなざしで観ていたのが、元イングランド代表のデビッド・ベッカムです。名実ともにサッカー界のトップスターだったベッカムの知られざるストーリーを収めたドキュメンタリー作品『ベッカム』を、吉本きってのサッカー大好き芸人が語り尽くします。
※本記事はNetflixシリーズ『ベッカム』の一部ネタバレを含みます。
Netflixシリーズ『ベッカム』とは
正確無比の右足のキックと甘いマスクで世界中を魅了した元イングランド代表のサッカー選手、デビッド・ベッカム。マンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリード、パリ・サンジェルマンなど世界の名だたるビッグクラブで活躍し、イングランド代表としても3度のワールドカップ出場を経験。1992年にプロデビューを果たしてから、2013年に現役を退くまで、約20年にわたって第一線でプレイしました。
プライベートでも、1999年に人気絶頂だった世界的アイドルグループ「スパイス・ガールズ」のメンバーのヴィクトリアと結婚。4人の子宝にも恵まれるなど、公私ともに順風満帆かのように見えましたが……。
Netflixシリーズ『ベッカム』は、「人生を変えたシュート」「非難の矛先」「ゴールデンボール」「ひた走る理由」という4つのエピソードで構成。つましい家庭で育ち、やがてサッカー界でスターダムに駆け上がった栄光、その裏でもがき苦しんだ苦悩、今だからこそ明かせる報道の舞台裏、そして妻や子どもたちへ注ぐ深い愛情。ベッカム本人のインタビューや未公開映像などを交え、華やかなイメージとはかけ離れた等身大のベッカムを収録したドキュメンタリーです。
ベッカムが丸裸!? 赤裸々すぎるドキュメンタリー
――秋山さんご自身もサッカーをされていたんですよね?
小・中・高校とずっとサッカーをしていました。実力は並よりもちょい上ぐらいでしょうか。「地元ではちょっと上手い」レベルだったと思います。
――初めてベッカムを知ったのはいつですか?
中学時代の友達が海外サッカーにくわしくて、彼からマンチェスター・ユナイテッドの試合のビデオを借りて観たのが初めてでした。2002年の日韓ワールドカップの時は日本のサッカーファンだけでなく、サッカーを知らない子どもや女性からもベッカムは大人気になりましたよね。僕も当時のベッカムの髪型を真似てソフトモヒカンにしていました(笑)。
――そんな憧れの選手が収められた『ベッカム』を観た感想はいかがでしたか?
スポーツに限らずドキュメンタリー作品は大好きでよく観るんですが、その中でも一番面白い作品でした! 自分にズバッと刺さりましたね。
――刺さったポイントを教えてください。
僕は現役時代のベッカムのプレイをよく観ていた世代ですが、この作品を観て初めて「裏ではそんなことが起こってたんや」って知ることが多かったんです。こんなに傷ついて挫折してたんや、と。スター選手、成功者のイメージしかなかったので、人間味のある部分が刺さりました。
――ベッカムといえばハンサムで、スター性もありますよね。
ベッカムのルックスも人気の理由の一つだと思いますが、個人的にはただただサッカーの実力でのし上がった人という印象でした。ただ、ピッチの外では、ただただ傷つきまくっているんですよね。1998年のフランス・ワールドカップで、ベッカムは大事なアルゼンチン戦で相手選手への報復行為で退場になって、イングランド代表の敗退の「戦犯」になってしまいます。それからしばらく国民はもちろん、ファンからもブーイングを浴び続けて……。でも、いざピッチに立つと結果を出すんです。あんな環境、あんな精神状態でプレイだけでも、普通は無理ですよ(笑)。
――ピッチ外での姿が観られるのは新鮮ですね。
ベッカムのプレイ映像だけで構成していないのが絶妙なところです。コアなサッカーファンであればもっとプレイシーンを増やしてもいいのかもしれないんですが、僕の印象ではNetflix『ベッカム』はピッチ外のベッカムがメイン。だから、サッカーファンじゃない人、ドキュメンタリーが好きな人も楽しめる作品だと思います。
ベッカムは世界的なアイドルグループの「スパイス・ガールズ」のヴィクトリアさんと結婚するんですが、2人はあまりに有名すぎてプライベートの時間がほとんどない。ピッチの中と外がうまくかみ合わない葛藤や苦悩が描かれています。でも、何であんなプライベート映像が残っていたんでしょうか。「そんなプライベートまで映していいん?」「カメラを24時間回してたん?」「『ベッカム』っていう作品は1990年代から製作が決まってたん?」。そんなことも気になるほど、ベッカムの私生活が赤裸々に映し出されています。丸裸ってこのことやなと思いましたね(笑)。
――印象に残っている秘蔵映像は?
「スパイス・ガールズ」の楽屋に行くベッカムです。批判に傷ついたベッカムがヴィクトリアさんのところに逃げるように会いに行くんです。「スパイス・ガールズ」はツアー中だったので、他のメンバーもいる中、ベッカムはヴィクトリアさんのそばにいられて幸せそうにしているんです。
――この作品を観て、ベッカムの印象は変わりましたか?
180度変わりましたね(笑)。繰り返しますが、挫折を知らない人だと思っていたので。今日着ているマンチェスター・ユナイテッド時代のベッカムのユニフォームを持っているぐらい、もともと好きな選手でしたが、この作品を観てベッカムのことがより好きになりましたね。今、またベッカムのグッズをいっぱい買いたいですもん(笑)。
大スターの苦悩、名場面に隠された真実
――ベッカムのプレイで印象に残っているシーンはありますか?
やっぱり、日韓W杯出場を懸けたヨーロッパ予選のギリシャ戦で決めたゴールです。1対2と負けている後半ロスタイム、ベッカムのフリーキック一撃でイングランド代表をW杯に導く、あの名場面です。サッカー好きなら誰もが知る名シーンですが、そこに至るまでの過程がたまりません!
フランスW杯の退場劇から、日韓W杯の出場権をつかむまでの3年間。キャリアのどん底に落とされながらも、そこから這い上がっていくベッカムの姿が収められています。アルゼンチン戦の退場で国民やサポーターから批判されていることは知ってはいたけど、実際これほどまでにひどかったんやと。
――日韓W杯までのベッカムの実力、人気はどのような感じだったのですか?
もちろん、イングランド期待の若手選手として、世界中から注目される存在でした。ただ、フランスW杯では当時のイングランド代表監督と確執があって、スタメンを外されていました。そんな中でようやくつかんだアルゼンチン戦のスタメン、そして退場劇……。当時中学生だった僕が観ていても「相手選手の挑発にのったらダメやん」と思っていましたが、この作品でその試合までにもいろいろなフラストレーションが溜まっていたんだということが分かりました。
あと、信じられなかったのが、当時の監督がW杯敗退の責任をベッカムに押しつけたところ。僕はてっきり国民やサポーターがバッシングし始めたのかと思っていたら、アルゼンチン戦後のインタビューで最初に代表監督が切り出したと知りました。それを観て、僕も悔しい気持ちが湧いてきて……。当事者のベッカムやヴィクトリアさん、家族は想像できないほど悔しい想いをしたはずです。
――フランスW杯後のベッカムはどうだったのですか?
ベッカムの行く先々で批判の嵐。所属クラブの試合でも敵・味方関係なくブーイングされ続けます。そんな“ドアウェイ”の状況でも実力でちょっとずつ劣勢を跳ね返し、結果を出していくんです。1999年にはクラブ史上初のタイトル三冠を達成して、周りのベッカムに対する見方も少しずつ変わっていきます。
――なぜ、そこまでベッカムは批判されたのでしょうか?
やっぱり、イングランドがサッカー大国だからというのが大きいと思います。国民の多くがサッカーを愛し、その想いが人一倍強い。スター選手のベッカムは活躍して当たり前、ちょっとのミスで叩かれます。そんなものすごいプレッシャーの中で国を背負ってプレイしていたベッカムに対して、ただただすごいな、かっこいいなという気持ちしかないですね。
選手であり一人の父、カッコよすぎる男の憧れ
――この作品にはヴィクトリア夫人も登場するのですか?
メインかっていうぐらい出てきます(笑)。ヴィクトリアさんって良くも悪くも、本当にサッカーに興味のない人なんです。アスリートの奥さんって旦那さんを料理などでサポートする印象が強いですが、ヴィクトリアさんは真逆(笑)。強気な性格で、我が道を歩んでいく。「デビッドのことが好きなだけで、何でこんな目に遭わなければいけないの?」みたいな、リアルな感情も描かれていましたね。
――ベッカムとヴィクトリア夫人の恋愛エピソードで印象に残っているものは?
あんなかっこいいベッカムが恋愛体質だったこと(笑)。ツアー中のヴィクトリアさんにたった20分しか会えないのに、飛行機で何時間もかけて会いに行くんです。でも、それぐらいオフに切り替えられない状態が続いたというか。ヴィクトリアさんに会って素の自分に戻りたかったんだと思います。それが良い意味でベッカムっぽくなくて。追っかけられるタイプだと思っていましたが、めちゃめちゃ追っかけるやんって(笑)。住む世界が違う遠い存在なのに、どこか身近に感じられたエピソードでしたね。
――もともとベッカムがヴィクトリアさんにひと目惚れしたんですよね?
そうです。仲の良いチームメイトの証言によると、ベッカムと一緒に「スパイス・ガールズ」が出演するテレビ番組を観ていた時、ベッカムがヴィクトリアさんを指差して「この女性と結婚するよ」と宣言したみたいなんです。チームメイトからすれば「何それ?」ってなると思うんですが、そこがスター選手ならではの自信というか、感覚なんでしょうね。結果的に実現していますから(笑)。
――そんなスター夫婦に共感できる部分はありましたか?
あのベッカムも家に帰れば子どもがいて、普通のパパになります。僕も結婚して子どもがいるんですが、その感じに戻るのが、観ていて刺さりました。
ベッカムがすごいのは、家族にありったけの愛情を注いでいるところ。現役時代あんなに忙しかったのに子育てももちろんするし、ヴィクトリアさんへの愛情表現も忘れない。家庭で仕事の話をしないし、愚痴もこぼさない。スターなのに家族第一で、当たり前のように家庭のこともこなすんです。これまでの僕はベッカムをサッカー選手としてかっこいいなと思っていましたが、今は一人の男としてかっこいいなと思っています。
――この作品はどんな人におすすめしたいですか?
誰が観ても楽しめますが、サッカー好きの人はマストです! サッカーファンからすると、当時のスター選手が証言者としてインタビューに応じてくれているのでシビれますね。そのほか、レアル・マドリード移籍の裏側や坊主頭にした真相など、サッカーファンとして知りたい内容がいっぱい詰まっています。
あとは僕のような子育て世代のパパ、ママにも観てほしいなと思います。奥さんのことを好きで結婚して、子どもも生まれて、家庭を築いているんですが、時間が経つと当たり前だったことを忘れてしまうし、かっこつけて伝えられないこともたくさんあるでしょう。でも、この作品を観ると、お互いを思いやる気持ちや、何気ない気持ちを相手に伝える大切さ、いつもそばにいてくれるパートナーの大切さに気づかされると思います。ベッカムを見習って、自分の素直な気持ちを奥さんに久々に伝えてみようかなと思いましたね(笑)。
今回の記事は「eo光チャンネル」で放送中の番組『Netflix Freaks』の連動企画。こちらの動画もご覧いただき、秋山賢太さんのプレゼンで作品の面白さをぜひ感じてください!
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