2024年7月3日(水)配信開始以降、世界70カ国以上でNetflix週間トップ10入りを記録した衝撃のドキュメンタリー、Netflixシリーズ『1000人の子供を持つ男』。
「事実は小説よりも奇なり」をまさに地で行く本作品は、精子提供によって1000人以上の子供を持つことになったオランダ人男性、ヨナサン・ヤコブ・マイヤー(以下ヨナサン)にまつわるドキュメンタリー作品です。この記事では、本作のあらすじや見どころについて解説します。
※本記事にはNetflixシリーズ『1000人の子供を持つ男』の一部ネタバレを含みます。
Netflixシリーズ『1000人の子供を持つ男』のあらすじ
不妊に悩む夫婦や性的マイノリティのカップルなど子供を授かりたいと願うオランダの人々は、インターネットでドナー(精子提供者)を検索し、無数の候補者の中から美しい金髪の巻き髪と輝く瞳、ハツラツとした笑顔が魅力的なヨナサンに出会いました。
希望者たちはヨナサンと連絡を取り合い、その後無事妊娠・出産し子供を授かることができたのですが、あるできごとをきっかけにヨナサンの言動や行動を疑うようになっていきます。オランダの精子提供ガイドラインでは男性1名の精子提供数の上限が定められていますが、調査を進めると、ヨナサンの子供が100名を超えることが明らかに。
このような事態に不安を感じた親たちは、SNSでグループを作成し、情報交換や今後の対応について話し合いをはじめます。そして親たちはヨナサンの遺伝子を持つ子供が世界中に1000人以上存在することを知ることになり、集団訴訟へと発展していくのです……。
Netflixシリーズ『1000人の子供を持つ男』のみどころ
当事者のインタビューをメインにした臨場感あふれる構成
このドキュメンタリーの主人公は、ヨナサンではなく、彼の精子提供を受けた親たちです。そして本作は当事者である親たちのインタビューで構成されています。
当事者が語るヨナサンの印象や出産に至る感動と興奮、事件の全貌を知ったときの絶望感といった生の声は、この事件の特異性や重大性を生々しく表現しています。精子提供から裁判に至る当事者たちの心の動きを通して、親たちが感じた強烈な嫌悪感や恐怖を追体験することになるでしょう。
不妊治療のビジネス化や自由化のボーダーラインは?
『1000人の子供を持つ男』を鑑賞してまず感じることは、「なぜ1000人も子どもを作ることが可能だったのか」ということです。精子バンクと聞くと、厳密なルールや不正が発生しないための法規制があるはずと思いますが、実際はビジネスを優先した歪(いび)つなシステムであることが視聴するにつれてわかってきます。
裁判でヨナサンは精子提供を禁止されることになりましたが、「やろうと思えば無限にできてしまう」という精子提供の根本的な問題は解決していません。不妊治療のビジネス化や自由化はどこまで許されるのか? このドキュメンタリーは、そんな複雑な社会課題を私たちに提示してきます。
まとめ
2024年7月3日(水)に配信がスタートしたNetflixシリーズ『1000人の子供を持つ男』は、ドナー(精子提供者)となり1000人以上の子供を持つことになったヨナサン・ヤコブ・マイヤーにまつわるドキュメンタリー作品です。
当事者である親たちのインタビューを通して語られる衝撃的な事件の内容やその顛末はみどころが満載で考えさせられる点が多い作品です。
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