映画のあるあるシーンをNetflix『ハリウッドを斬る!』より紹介

映画あるある メインビジュアル

洋画を見ていると、高確率で目にする「あるある」表現がいくつかあります。例えば「さんざん難しいことを語り合っても最後は殴り合う」「買い物のときはいつもバゲット入りの紙袋」などなど。本記事ではNetflix『ハリウッドを斬る! ~映画あるある大集合~』を参考に、映画で頻繁に見られる定番の演出やシーンを紹介します。

殴り合いですべて解決

映画あるある パンチを繰り出す男性

映画における格闘シーンは観客の視線をいつも釘づけにします。どんな問題も最終的には殴り合いで決着をつけるのはハリウッド映画における様式美の1つです。
『ゼイリブ』(1988年)では、ロディ・パイパーとキース・デヴィッドによる殴り合いからプロレスへと続く5分20秒もの格闘が名シーンとして語り継がれています。近年では見せ方の進化も著しく、『ボーン・アルティメイタム』(2007年)や『ザ・レイド』(2011年)のようなスピード感あふれる格闘の他、ビデオゲームのようにひたすら戦い続けるという演出も見受けられます。

弾丸の雨をすり抜ける主人公

主人公の銃は百発百中なのに、なぜか敵の弾丸は主人公に当たらない。ご都合主義的ではありますが、主役の強さを引き立たせるには効果的な演出です。
『スター・ウォーズ』シリーズでは、敵のストームトルーパーの放ったレーザーブラスターが主人公ルーク・スカイウォーカーたちには当たりません。『エクスペンダブルズ』シリーズでは、ならず者国家の兵士たちがいくら銃弾を浴びせても、シルベスター・スタローン率いるたった十数人の軍勢が返り討ちにしてしまいます。『マトリックス』(1999年)では主人公・ネオが背中をのけぞらせる銃弾の避け方が、映画史に残るエポックメイキングとして多くの人の記憶に刻まれました。
とはいえ近年では(『マトリックス』と同じくキアヌ・リーブス主演の)『ジョン・ウィック』シリーズをはじめ、軍事コンサルティング会社が採用する銃撃技術(C.A.R.システム)を盛り込むなど、説得力のあるガンアクションを作る傾向が強まっています。

ここぞという場面で盛り上げてくるロックの名曲

ロックアーティストによる映画への楽曲提供は昔から行われていましたが、大半は映画に合わせて作られた新曲や、その当時の新曲が使用されていました。2000年代に入ると過去の名曲にスポットを当てる傾向が強くなり、重要な場面で物語をヒートアップさせる起爆剤のような役割を果たしています。
SFアクション映画『バトルシップ』(2012年)では、主人公たちが決戦に向かう場面でAC/DCの『Thunderstruck』がかかり、絶望の淵から「この戦い、勝てるかも!」という期待を高めてくれます。『スクール・オブ・ロック』(2003年)や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)のように、楽曲がBGMの範疇を超えてストーリーとリンクするケースも見受けられます。

掟破りな不良刑事

映画の中で正義を貫き、社会や秩序を守るヒーローの行動は観る者にカタルシスを感じさせてくれます。警察官や刑事をモチーフにした作品では、犯罪者を退治するため、主人公がルール無視の独断的な行動を取ることも珍しくありません。
『ダーティハリー』(1971)のクリント・イーストウッドや『コブラ』(1986)のシルベスター・スタローン、『リーサル・ウェポン』(1987)のメル・ギブソンなど、型破りな刑事たちの行動は狂気と紙一重です。しかし彼らは、現実世界にはびこる悪を打ちのめしたい……という庶民の思いが具現化したものとも考えられます。法を犯してでも敵を倒すため、刑事の証であるバッジと銃を手放すシーンも決意の表れとしてよく使用される演出です。

爆発寸前に解除される爆弾

時限爆弾の解除は、ヒーローにとって大事なミッションの1つ。ちゃんと爆発を回避できると分かっていても刻一刻と迫るタイムリミットは多大なスリルを感じさせてくれます。『007/ゴールドフィンガー』(1964年)では、あのジェームス・ボンドですら額に冷や汗をかくほどの緊張感を漂わせていました。ちなみに、このシーンは7秒前の解除でメーターに「007」と表示されるという粋な演出も見られます。
2つあるコードのいずれかを切断するという解除方法は『ジャガーノート』(1974年)によって広まったもの。これ以降、映画はもとより『あぶない刑事』などのドラマやアニメなど、幅広いジャンルで爆弾解除の方法として使用されています。近年ではシステム内に侵入して爆破を食い止めるというサイバーチックな演出も多く見られます。

最期は落下する敵

『ダイ・ハード』(1988年)、『スターウォーズ』シリーズなどで見られるように、主人公と熾烈な戦いを繰り広げた敵は、とどめの一撃を食らって最後によく高所から落下します。ちなみに、数々の映画の落下シーンでよく聞かれる断末魔の叫び。これは、『遠い太鼓』(1951年)の製作で初めて録音され、『フェザー河の襲撃』(1953年)で、登場人物であるウィルヘルム二等兵が矢で射られた際に音響素材として使われて広まったもの。「ウィルヘルムの叫び」の名で知られ、映画界では使用することが一種のお約束のようになっています。

高確率な死亡フラグ、老刑事の引退&未来を語る兵士

映画あるある 兵士ノイメージ

物語を動かす重要な要素の1つに、キャラクターの死があります。『L.A.大捜査線/狼たちの街』では、ベテラン刑事であるジミーが年齢を理由に引退する直前、敵の銃弾によって命を落とします。退職祝いのパーティーまで開いて、すっかり感情移入していた上でのこの展開は、ジミーの相棒であった主人公・リチャードの復讐心を観る側と共有させています。戦争映画では、兵士が終戦後の展望などを語り始めると死亡フラグであるといわれています。『プラトーン』(1986年)では、まさにチャーリー・シーン演じる主人公の同僚が終戦後に恋人と結婚する予定を語り、その後、戦死。夢や希望を打ち砕く戦争の愚かさをダイレクトに感じさせる演出といえるでしょう。

「なんだ、猫か…」&鏡にドッキリ

どっきり要素を強調して主人公を驚かせる「ジャンプスケア」は、低予算映画の中から生まれた演出方法。突然現れるキャラクターや大きな音などで、驚かせながら恐怖を生み出します。1970年代後半からは猫がクローゼットや窓から飛び出してくる演出が多用されるようになりました。『エイリアン』(1979年)でもヒロインであるリプリーの飼い猫が、いつ襲われるともわからない宇宙船の中でドッキリ要員として活躍しています。見つめていた鏡に再度目をやると知らない人物が映っている……というのも恐怖感を盛り上げる手法です。これらの演出方法には、安心させておいて本当の恐怖が後に控えていたというフェイントの要素が強く見受けられます。

最初の犠牲者はカップル、生き残るのは真面目な女性

ホラー映画では、冒頭から出る犠牲者によって怖さが一気に高まり、続きを観たくなります。『13日の金曜日』シリーズなどではよく、ノリの良すぎるカップルが、最初の犠牲者になりがちです。
よくあるシチュエーションとしては5〜6人の友人でキャンプ地の小屋をレンタルし、外出したカップルがイチャイチャしはじめたら、もう死亡フラグが立ったものと思って(ほぼ)間違いありません。敵となる殺人鬼や悪霊は手当たりしだいに登場人物を惨殺しますが、そこで生き残るのは比較的、真面目な女性が多いというのもホラー映画のお約束の一つ。『悪魔のいけにえ』(1974年)では、やはり帰郷したヒロインのサリーの仲間たちがレザーフェイスに寄って次々と殺され、自身も命からがら逃げ延びています。これらの女性には「ファイナルガール」という呼び名もあります。

買い物袋にバゲット入りがち

映画あるある バゲット

「紙袋にバゲットを刺して歩く主人公」は、海外では日常に根ざした光景として現在でも映画やドラマによく登場しています。これらの小道具は登場人物たちのプライベートを描くにはもってこいのアイテム。『96時間』(2008年)のようなスリリングなアクション映画の中でさえ、リーアム・ニーソンが紙袋+バゲットを手にしていると、どこか安心感を感じさせます。近年は日本でも食べられることが多くなったバゲットですが、欧米では昔から食卓の定番であり、『TAXi』(1998年)に登場する野菜やチーズ、ハムなどをバゲットで挟んだサンドイッチは非常に食欲をそそります。

驚くとすぐ飲み物を吹き出す

驚いた拍子に飲み物を吹き出すのはコメディなどでよく使われる演出です。登場人物が突拍子もない発言や行動をした際のリアクションとして、その度合いを分かりやすく伝えます。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)では、主人公・マーティがタイムスリップした時代で、タバコを吸う母親の姿に驚いてジュースを派手に吹いています。普段の暮らしの中で派手に飲み物を吹き出すことがあまりないため、ギャグ要素を盛り込みたいときには非常に効果を発揮します。『クレイジー・バカンス ツイてない女たちの南国旅行』(2017年)では、ゴールディー・ホーンが言葉の聞き違いから盛大にミルクを吹き出すという体当たりの演技を見せています。

恋の出会いがありえないシチュエーション

映画の中でのカップルの出会いは、不自然であればあるほどドラマを盛り上げてくれます。クラシック映画の名作『雨に唄えば』(1952年)では、スター俳優のドンがファンの追手を逃れ、市電の屋根からヒロインであるキャシーの車に飛び乗るというアクション映画顔負けのファーストコンタクトを果たします。
『ノッティングヒルの恋人』(1999年)のように出会い頭にぶつかって、こぼした飲み物が服を汚してしまうというのも王道の出会い方。現実ならケンカに発展しかねないシチュエーションですが、そこでスマートなやり取りをして恋に発展するのは、まさに映画マジック。命の危険や立場の違いといった困難の中で出会ったカップルも、熱く恋の炎を燃やします。

まとめ

今回紹介した「映画あるある」は、Netflixの『ハリウッドを斬る!~映画あるある大集合~』からいくつか引用しています。『ハリウッドを斬る!』では映画監督・俳優のロブ・ロウと、多くの映画制作者・俳優たちが映画のお約束をユーモラスに紹介します。観ているうちにきっと「あるある」と口にすること請け合いの楽しい作品なので、ぜひチェックしてみてください!

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