限られた時間の中に見どころが詰め込まれた短編映画。「長い映画は集中できない」「 面白い作品を見たいけど時間がない」 という方におすすめです。今回は、1時間以内で見られる短編映画のおすすめを10本紹介します。
目次
1．Netflix映画『奇才ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』
・上映時間：39分
・第96回アカデミー短編実写映画賞受賞作
透視能力を手に入れた男ヘンリー・シュガーの人生を描いた短編作品。映画『チャーリーのチョコレート工場』の原作者、ロアルド・ダールの短編を『グランド・ブダペストホテル』で知られるウェス・アンダーソン監督が映像化した作品です。常にカメラ目線で語りかけてくる語り部、舞台セットのような世界、固定されたと思えばセットの中を縦横無尽に駆け回るカメラワークなど、ひと目見たら忘れられない不思議な感覚を『奇才ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』は味わわせてくれます。約40分と短い作品ながら、語り部の語るセリフの量がとにかく多く、見たことのないような映像と情報が凝縮されたセリフが合わさり、脳を揺さぶられること間違いなし。特徴的な映像は、自分が作品の一部になっているのではないかという奇妙な体験ができるでしょう。同じくロアルド・ダール原作の短編小説『白鳥』『ネズミ捕りの男』『毒』も同じような手法で製作されているので、4作品を続けて見るのがおすすめです。
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2．Netflix映画『白鳥』
・上映時間：17分
『奇才ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』同様、ロアルド・ダール原作の短編『白鳥』をウェス・アンダーソンが映像化した作品。身体の大きい少年たちにいじめられている少年・ピーターの成長を描きます。移り変わるセットに無表情で舞台装置のように動く演者たち。ピーターが受ける“いじめ”は具体的な描写がないものの、想像力をかきたてる演出によって、より残酷に感じられるでしょう。
3．Netflix映画『ネズミ捕りの男』
・上映時間：17分
『ネズミ捕りの男』もウェス・アンダーソンによるロアルド・ダール作品映像化の1つ。ネズミに困る町に現れた奇妙なネズミ駆除業者を描きます。『ネズミ捕りの男』の面白いところは、映像作品でありながら、毒エサやネズミの姿はほとんど出てこない点。衣装やセットはあるものの、毒餌やネズミなど細かい部分は俳優の演技と語り部が語る情景描写で描きます。短編映画でありながら、どこか小説を読んでいるような、想像力を刺激される作品です。
4．Netflix映画『毒』
・上映時間：17分
『奇才ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』から連なる、ウェス・アンダーソンによるNetflix短編映画の1作。ベッドに入ってきた猛毒の蛇に翻弄される男と友人、そして医者の奮闘を17分でコミカルに描きます。この短編の見どころは、何といってもベネディクト・カンバーバッチの熱演！ 首一つ動かせないまま数時間も固まっていた男の必死の形相を見事に表現します。コメディ色が強い作品ですが、大きく笑わせるようなギャグシーンなどは一切なく、「必死な人たち」の滑稽さを絶妙なラインで表現している点も見事。笑ってはいけない、一触即発の状況の面白さをたっぷり味わえます。
5．『言の葉の庭』
・上映時間：46分
『君の名は。』『すずめの戸締まり』の新海誠監督による短編映画『言の葉の庭』。靴職人を目指している高校生のタカオと謎めいた女性・ユキノ。孤独感を抱えた2人は「雨の日の午前中」という限られた時間に交流を深めていく……というストーリー。みずみずしい作画表現に登場人物の感情に呼応するような美麗な背景、“これぞ新海誠！”といった空気感の美しい作品です。「雨の午前中」という限定的で閉鎖的な環境、年齢も性別も境遇も違う2人のもどかしい心の交流を描きます。もし、出会う時期が違えば、もっと違う出会い方をしていれば……。人生に多くある「もしも」のせつなさを描ききった作品です。
6．『1分間タイムマシン』
・上映時間：5分50秒
『1分間タイムマシン』は“1分だけ過去に戻れる”タイムマシンを使い、女性を口説こうとする男性を描いたコメディ短編。名前を名乗り忘れてリセット、口説き文句を間違えてリセットと、男は事あるごとに1分間をやり直します。口説くシーンの連続だけではなく、タイムリープの仕組みや装置に隠された秘密など、設定部分も含めた「タイムリープもの」の面白さが詰め込まれています。何度も予想を裏切られるストーリー展開を、わずか6分で描き切るのは見事というほかありません。短い時間で笑いたいときにぜひ見て欲しい作品です。
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7．『陽なたのアオシグレ』
・上映時間：17分
Netflix映画『雨を告げる漂流団地』『好きでも嫌いなあまのじゃく』製作の「スタジオコロリド」による短編アニメーション『陽なたのアオシグレ』。思いを寄せる少女の引っ越しを機に、勇気を振り絞る少年の姿を優しい色合いで描きます。口下手な少年・日向が取った想いの告げ方、想いを告げるイメージ世界は、“さすが！スタジオコロリド”といった幻想的な仕上がりです。疾走感あふれる後半のシーンは、美麗な作画とも相まって必見のクオリティ！ ちょっとした隙間時間に美麗なアニメに浸りたいという方におすすめです。
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8．Netflix映画『隔たる世界の2人』
・上映時間：32分
・第93回アカデミー賞最優秀短編実写映画賞受賞作品
白人警官にいちゃもんをつけられ殺された黒人のカーターが、白人警官に殺されるタイムループに巻き込まれてしまう映画『隔たる世界の2人』。一切の罪を犯していないのに“人種”という理由だけで不当な暴力を受け続ける青年の奮闘と決意を描きます。「人種差別」という社会的なテーマを描いているものの、音楽や色合いも含め、重苦しい印象を与えないのも特徴的な作品です。ポップに楽しめる作品ではありますが、「人種差別」がいかに根深い問題か、差別を受ける当事者たちの思いが伝わってくるような重厚なテーマもしっかり味わえます。短編ながら、タイムループの面白さ、ストーリーの起承転結、そして予想を裏切る展開などが32分に詰め込まれた『隔たる世界の2人』。気軽に観れるテーマではありませんが、ぜひ見ていただきたい作品です。
9．カン・フューリー
・上映時間：30分
『カン・フューリー』は 「サイバーパンク×ナチス×カンフー」なハチャメチャ短編作品です。敬愛する先輩を忍者によって殺されてしまった警察官カン・フューリー。雷に打たれた瞬間コブラにも噛まれ、体の中に眠っていたカンフーの魂が覚醒！ カンフーの軍事利用をたくらむ“アドルフ・ヒトラー”の野望を阻止するべく、ハッカーの力を借りて第二次世界大戦中の時代へタイムスリップ……という、あらすじを読むだけで分かるほどの予測不可能なストーリーはツッコミが追いつかないほど！ 支離滅裂で疾走感あふれる展開の連続は、笑いが止まらなくなること請け負いです。頭を空っぽにして笑いたいときにはぜひ見ていただきたい作品です。
10．『つみきのいえ』
・上映時間：12分
・第81回アカデミー賞短編アニメ賞受賞作品
『つみきのいえ』は水没していく街で我が家の増築を繰り返す老人を、絵本のような優しいタッチで描いた短編アニメーションです。老人は、ある出来事をきっかけに水に沈んでしまった我が家に潜っていきます。増築を繰り返して“つみき”のようになった家は、老人の人生の歴史そのもの。すっかり忘れていた家族との記憶を巡る12分の旅は、セリフがないものの、さまざまな感情が伝わってきます。心地よい音楽と水の音も相まって、あたたかく気持ちを癒やしてくれる短編です。
まとめ
感動作品からコメディ作品、社会派な作品など、おすすめの短編映画を10本紹介しました。Netflixでは長編映画やドラマシリーズに加えて短編映画も数多く配信中！ ちょっとした隙間時間に感動や笑いを届けてくれる上質な短編映画を、ぜひNetflixでご覧ください。
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