Netflix『殺人者のパラドックス』 善悪の境界線を考えさせられる韓国ドラマ

Netflix『殺人者のパラドックス』

Netflixで2024年2月より独占配信がスタートした注目の韓国ドラマ『殺人者のパラドックス』。退屈な毎日を送る大学生イ・タンが誤って人を殺してしまったことから始まるクライムサスペンスです。殺人を通して、とある特殊な才能に気付いた彼の人生は、それまでと大きく変わってしまい……。

この記事では、Netflixシリーズ『殺人者のパラドックス』のあらすじや登場人物、みどころを紹介します。

Netflixシリーズ『殺人者のパラドックス』あらすじ

目標もなく、日々を無気力に生きている冴えない大学生イ・タン。家族からも半ば呆れられながら、退屈な日常が変化することを夢想しています。
ある日コンビニでのバイト帰りに、客の男性に理不尽な暴力を振るわれたため、反撃をすると誤って殺害してしまいます。最初は罪の意識に苛(さいな)まれるイ・タンでしたが、いつまで経っても警察は来ず、自白をしようとしてもタイミングが悪く上手くいきません。なんと、イ・タンの犯行に繋がる凶器や指紋などの証拠は全て消えていたのです。

その後も流れで殺人を犯してしまうイ・タンですが、殺した人々がいずれも凶悪な犯罪者と判明。イ・タンは、自身に悪人を見分け殺しても気づかれない稀有な能力があることに気づきます。
しかし、勘のいい刑事チャン・ナンガムだけがイ・タンに疑いの目を向けていて……。

Netflixシリーズ『殺人者のパラドックス』のみどころ

極悪人は殺されて当然なのか? 視聴者の倫理観を揺さぶり続ける

Netflixシリーズ『殺人者のパラドックス』イメージ

主人公のイ・タンは自他ともに何の才能もないと思っている人物。しかし偶発的に殺人を犯してしまったことで、特殊な才能が開花してしまいます。その才能とは、過去に凶悪な犯罪を犯した人を見分けて殺してしまう能力と、殺した後に証拠が消えてしまう能力。
イ・タンに殺された人々はどうしようもない極悪人ばかり。だからといって殺されても良いのでしょうか。
殺人という行為を正当化し、賞賛することはあってはならないことです。しかし、自分や大切な人が理不尽な目に遭ったとき、報復を考えることが絶対にないと言い切れるでしょうか。
この作品は全8話を通して、社会の闇に切り込み、正義と悪とは何かを常に問いかけてきます。世の中には善悪、白黒で割り切れない出来事も多く存在するもの。視聴者はイ・タンの危うさにハラハラしながら、自身の倫理観をも問われるのです。

Netflixシリーズ『殺人者のパラドックス』イメージ

演技派俳優そろい踏み。複雑な役割を熱演する

Netflixシリーズ『殺人者のパラドックス』イメージ

強いメッセージ性がこめられた『殺人者のパラドックス』は、登場キャラクターたちも強烈な個性をはなっています。

イ・タンを追う刑事のチャン・ナンガムは、ひょうひょうとした風貌とは裏腹に社会正義を強く信じています。イ・タンをサポートするノ・ビンは、バットマンに憧れていて法で裁けない悪を自警団のように懲らしめたいと考えています。とある理由からイ・タンに接触を計る元刑事のソン・チョンは、人を殺すことに罪悪感が無く、自身の考えに基づいて殺人を続けています。

それぞれ強い信念を持つ人々の中で、唯一揺れ動き、変化していくのが主人公のイ・タンかもしれません。物語が展開していくうちに一癖あるキャラクターたちの意外な関係性が明らかになっていき、どんどん引き込まれていきます。

そんな個性的なキャラクターを演じる実力派俳優たちの共演も見どころ。
イ・タン役のチェ・ウシクと、チャン・ナンガム役のソン・ソックは韓国を代表する俳優です。2人の共演ということで、本作は配信前から注目が集まっていました。

徐々に殺人を重ね追い詰められることで内面が変化するイ・タン。加えて、殺す瞬間だけ別人のようになる様子や、醸し出す雰囲気だけではなく人相まで変わっていく姿は、チェ・ウシクにしか演じられないでしょう。

遅咲きながら独特な色気で存在感を示すソン・ソックは、刑事チャン・ナンガムを魅力的に演じています。ひげ面で強面ながら時折見せる笑顔のギャップがたまりません。ひょうひょうとしながらも心の中に強い正義感を持つ複雑な刑事役で、鬼気迫る演技を魅せています。

また中盤から登場する元刑事のソン・チョンも重要なキャラクター。60代の設定ですが、演じるイ・ヒジュンは出演当時40代半ばだそう。年齢に違和感を感じさせず、圧倒的な威圧感を持って倫理観の壊れた人物を憑依させています。

『殺人者のパラドックス』の登場人物・キャスト

イ・タン(チェ・ウシク)

イ・タン(チェ・ウシク)

無気力にすごす平凡な大学生。コンビニバイトの後、誤って人を殺してしまう。最初は罪の意識に駆られるが、自分に特別な能力があると気づき、殺人に手を染めていく。

演じるチェ・ウシクは、『新感染 ファイナル・エクスプレス』や『パラサイト 半地下の家族』など数々の作品に出演し演技力に定評のある若手実力派俳優。Netflixシリーズ『その年、私たちは』では「SBS演技大賞」でディレクターズアワード賞を受賞。
本作では平凡な大学生が能力に目覚めた殺人者になるという振り幅の大きいキャラクターを見事に演じています。

チャン・ナンガム(ソン・ソック)

チャン・ナンガム(ソン・ソック)

殺人事件を捜査する中で、イ・タンに疑惑の目を向けて執拗に追跡する刑事。やる気がないように見えるが勘が鋭い。長年追い続けている事件がある。

1983年生まれのソン・ソックは、長い下積みを経て34歳のときにNetflixシリーズ『センス8』でデビュー。その後コンスタントに出演し、独特の存在感と高い演技力で注目を浴びます。Netflixシリーズ『D.P. -脱走兵追跡官-』や『私の解放日誌』などにも出演。

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ソン・チョン(イ・ヒジュン)

ソン・チョン(イ・ヒジュン)

元刑事の連続殺人犯。ある理由から単独でイ・タンの行方を追っている。

演じるイ・ヒジュンは1979年生まれ。この作品に出演時は40代ですが、60代のソン・チョを怪しく演じ、作品内で強烈な存在感を残しています。

ノ・ビン(キム・ヨハン)

ノ・ビン(キム・ヨハン)

コンピューターに精通したハッカー。イ・タンの才能に気づき、サイドキックとして殺人や逃亡に協力する。

演じるキム・ヨハンのコミカルなキャラクターは、シリアスな作品の中でもホッとするシーンを作っています。イ・タンとノ・ビンの義兄弟的な絆も見どころ。

パク・チョンジン(ヒョン・ボンシク)

パク・チョンジン(ヒョン・ボンシク)

チャン・ナンガムの同僚刑事。演じるヒョン・ボンシクは多くの作品に出演する韓国の名バイプレーヤー。

まとめ

Netflixシリーズ『殺人者のパラドックス』は韓国の人気ウェブトゥーン『殺人者〇ナンガム』が原作です。〇は空白を意味し、読む人によって作品が変わる余白を残しているそう。
本作も登場人物のどの視点から観るかによって物語の解釈が変わるため、何度観ても新たな良さを発見できる見ごたえのある作品です!

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