アメリカの人気アニメを原作としたNetflix『アバター:伝説の少年アン』(全8話)が2月22日に配信開始となりました。すでにシーズン2&3の制作も発表されている、壮大なファンタジーである本作の見どころを紹介します。
※本記事は『アバター:伝説の少年アン』の一部ネタバレを含みます。
目次
『アバター:伝説の少年アン』とは
『今際の国のアリス』『ONE PIECE』『幽☆遊☆白書』など、数々の人気コミックやアニメを実写化してきたNetflixが次に挑んだ題材は、『アバター:伝説の少年アン』。同作は2005年から約3年間、アメリカの児童向けケーブル局・ニコロデオンで放映されたアニメで、戦争によって混沌とした世界を救うべく立ち上がった少年・アンの壮大な冒険物語が多くの人々を魅了し、アメリカで最も権威のあるエミー賞を受賞しました。
物語は、アジアの国々をモチーフとした世界が舞台。水・土・火・気の4つの国に分かれており、それぞれの国に水・土・火・気のエレメントと呼ばれる技を操るベンダー(使い手)たちがいます。その中でも4つの技すべてをマスターした者は“アバター”と呼ばれ、アバターによって世界の均衡は保たれていました。
本作は、そんなアバターとなる宿命を背負った気の民で12歳の少年・アンが、とある理由で氷漬けにされ、100年後、水の部族であるサカ&カタラ兄妹に発見されるところからストーリーが展開されていきます。自分が眠っている100年の間に火の国が侵攻を開始し、気の民も滅ぼされてしまったことを知ったアンは、サカとカタラと共に世界を救うための旅に出るのです。
原作ファンの不安を払拭する見事な完成度
2010年にM・ナイト・シャマラン(『シックス・センス』)監督・脚本による『エアベンダー』というタイトルで実写映画化された『アバター:伝説の少年アン』。しかし、2010年の最低な映画に贈られるゴールデン・ラズベリー賞で最低映画賞、最低脚本賞、最低監督賞、最低助演男優賞、最も3Dの使い方が間違っている映画賞の不名誉な5冠を受賞してしまいました。
ゆえに不安視されていた今回の再実写化。ですが、いざ蓋を開けてみると「さすがNetflix」と言いたくなる完成度でした。特に目を見張るのがセットの作り込み具合。Netflixが持つグラフィック技術を駆使し、原作の壮大な世界観が見事に再現されています。
ベンダーたちが使う技は、中国の武術太極拳を元に考案されたもの。それを習得するために俳優陣は1ヶ月の合宿を行ったそうです。さらにVFXとスタントを組み合わせて、アニメを忠実に再現したアクションシーンは見応えたっぷり。Netflixの実写化作品として最高の出来と言っても過言ではないほど、どの要素を取ってもクオリティーの高い作品となっています。
全員主人公!丁寧な心理描写で悪役ですら愛おしくなる
冒険ファンタジーに欠かせないのが、個性豊かなキャラクター。本作には、過酷な宿命を背負いながらも前向きさを失わないアンはもちろんのこと、魅力的なキャラクターが多数登場します。
まずはサカ&カタラ兄妹。冒険を通して成長するのは主人公であるアンだけではありません。アンと同様に大切な仲間を火の国によって奪われた彼らもまた、世界の平和を取り戻すべく冒険を続ける中で、誰かと恋に落ちたり、トラウマとなっている出来事と向き合ったりしながら人として成長を遂げていきます。
話数を重ねるごとに性格や顔つきも少しずつ大人になっているような気も。そんな2人の微妙な変化にも注目してみてください。
また、見逃せないのがズーコ王子の動向。アンを捕まえようと躍起になっている彼は一見、悪役に思えるかもしれません。けれど、それは父である火の王・オザイに「アバターを捕まえるまでは帰ってくるな」と言われているから。父に反発しながらも、その期待に応えたいという複雑な心境を覗かせるズーコ王子はどこか憎めないキャラクターとなっています。
伯父であるアイローとの絆も見どころの一つ。アイローは息子を戦争で亡くしており、その時に彼を励ましたのがズーコ王子でした。だからこそ、アイローはズーコ王子に付き添っているのです。そんなアイローをズーコ王子も大切に思っていることが分かる場面が多々あり、思わず胸が熱くなることでしょう。
他にもアンたちが訪れる各国には個性豊かな民が暮らしています。本作は全員主人公。そう言いたくなるほど、一人ひとりの心情が丁寧に描かれている作品です。
世界が戦争に揺れる今だからこそ見る価値のある作品
なぜ、人はアンの物語に夢中になってしまうのか。その理由の一つに、この物語が反戦的なメッセージを含んでいることが挙げられます。アバターであるアンが眠っている100年の間に、世界は様変わりしていました。火の国の王は武力による世界征服を目論んでおり、抵抗するものには容赦なく火を放ちます。
結果、荒廃した世界には故郷や大切な人を失い傷ついた人々が大勢います。その多くがもはや抵抗するすべはないと平和を諦めてしまっていました。中には、平和を取り戻すためなら多少の犠牲も致し方ないと間違った正義に傾いてしまう人も……。
また、戦争で傷ついたのは人間だけではありません。森も火に焼き払われてしまい、苦しむ精霊の声をアンは冒険の途中に聞きます。現実世界のあちらこちらでも、そうした惨劇が起こっている今だからこそ、本作は見るべき価値があるのではないでしょうか。
戦争が何を奪い、どれほど悲惨で愚かなものなのかを繰り返し訴えかけてくる『アバター:伝説の少年アン』は少しでも多くの人に届いてほしいと願わざるを得ない作品です。
『アバター:伝説の少年アン』登場人物
アン(ゴードン・コーミエ)
4つのエレメントを操り、アバターとなる使命を背負った12歳の少年。火の国によって滅ぼされた気の民の唯一の生き残り。火の国の王・オザイの脅威から世界を救うため、水の国のサカ&カタラ兄妹と一緒に冒険に繰り出す。
カタラ(キアウェンティオ)
水の国に暮らす14歳の少女。幼い頃、目の前で母親を火の国の戦士に殺害された。周囲にウォーターベンダーがいないため、いざとなったら自分が部族を守らねばという正義感から水のエレメントを極めている。心優しくも気が強く、兄のサカとはたびたび衝突する。
サカ(イアン・オウズリー)
カタラの兄。多くの戦士たちを率いて部族を守っていた父に憧れる一方、その父の期待に応えられなかった過去に苦しんでいる。水のエレメントを操ることはできないため、キヨシ島で出会ったスキに身一つで戦う方法を教わる。
ズーコ(ダラス・リウ)
父であるオザイの怒りを買ってしまい、国を追放された火の国の王子。その父から「アバターを捕まえるまでは帰ってくるな」と言われ、3年の月日を経て見つけたアンを執拗に追い詰める。独裁的性格で周囲との衝突は絶えないが、伯父であるアイローに対しては思いやりを見せる。
アイロー(ポール・サン=ヒョンジュ・リー)
ズーコの伯父で、火の国の元将軍。弟のオザイとは対照的に穏やかな性格で、ズーコが揉め事を起こすたびに仲介に入る。息子を戦争で亡くしており、その際に自身を気遣ってくれたズーコに忠誠を誓っている。
オザイ(ダニエル・デイ・キム)
火の国の王。ズーコ王子とアズーラ姫の2人の子を持つ父でもある。武力による世界征服を目論んでいる。
アズーラ(エリザベス・ユー)
オザイの娘。父の期待に応えるべく日々鍛錬を重ねる一方、ズーコへの対抗心に燃える。
スキ(マリア・チャン)
アンたちが訪れた土の国・キヨシ島の女戦士。ベンダーではないが、肉体一つで勇敢に戦う。同じくエレメントを操ることのできないサカとは稽古をつける中で、恋に落ちる。
ジャオ(ケン・レオン)
火の国の軍人。ズーコとは対立関係にあり、彼がアバターを見つけたことをオザイに密告する。
まとめ
エミー賞も獲得した人気アニメをNetflixが実写化した『アバター:伝説の少年アン』。シーズン1は全8話となっており、週末にイッキ見できるのもおすすめポイントです。シーズン2&3はまとめて配信になるとのこと(配信日は未定)。一度ではチェックしきれないほど見どころがたくさんあるので、繰り返し視聴して世界観に浸りつつ、続報に期待しましょう。
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