関西の朝の情報番組「おはよう朝日です」のエンタメコーナーにて、話題の映画を紹介している赤ペン瀧川さん。映画プレゼンターとして活躍するかたわら、ドラマ「下町ロケット」に出演するなど、俳優としても幅広く活躍されています。
そんな赤ペン瀧川さんが「最高すぎ」と大絶賛したNetflix映画『バレリーナ』。一体何が最高すぎたのか、本作品の魅力と見どころを、映画プレゼンターならではの細かい視点で熱く語っていただきました。
※本記事にはNetflix映画『バレリーナ』のネタバレを含みます。
『バレリーナ』とは
物語の主人公は元警備員のオクジュ。ある日、唯一心を許していた親友のミニが「必ず復讐して」という手紙を残し、自ら命を絶つ。
親友を守ることができずに深い悲しみに暮れるオクジュ。ミニが残した最後の願いを叶えるため、彼女を死に追いやった人物を特定し、美しく壮絶な復讐計画を実行に移し始める。
他とは一線を画す、緻密なアクション映画
――この作品を見た時の感想を教えてください。
ぶっちゃけストーリーはものすごくシンプルなんですよ。親友を殺され復讐を誓い、殺したやつを倒しに行くっていうだけですから。ただ、以前『ザ・コール』というテクニカルな作品を撮った監督と主演の二人が、こんなシンプルな脚本で勝負したところに僕はびっくりしているんです。
そんな作品を成立させるためにどんなアイデアを詰め込んだのかというと、編集や音楽もそうなんですけど、やっぱり“アクション”と“カメラワーク”。総合力の高いアクション映画だなと思いました。
――他のアクション映画とはどのように違うのですか?
アクション映画には「これは編集とカメラワークに重きを置いている」とか、「これはアクションに重きを置いている」など、バランスが異なる作品が多いんです。じゃあ『バレリーナ』はどうなのかっていうと、そのバランスがものすごく高いところで競り合ってる感じがする。『バレリーナ』はアクション映画の中でもカット割りは多い方だと思いますが、カメラワークも見たことがない新鮮なものがいっぱい。さらに俳優さんたちのアクションもめちゃくちゃキレてるっていう。他のアクション映画と見比べると奥深さをすごく感じられると思います。
――アクションシーンに魅了されたのですね。
いや、最高だと思った理由はそれだけじゃないんですよ。カメラワークやアクションがキレキレの映画っていうのはもちろんたくさんあるんですけど、この映画は“登場人物を無駄に殺さない”んです。女性二人の友情であったり、その友情の中にある叶えられなかった願いとか祈りなど、ちゃんとそれぞれの気持ちを最後に救ってあげているのが美しかったんです。
主人公のオクジュとその親友のミニちゃんが海で、自分は本来どうなりたいか、どんな風に生きていきたいかっていうことを語るシーンがお気に入りなんです。それをラストシーンで監督がどう救ってあげるのか、ぜひ確認していただきたいです。
また、続編を狙う野心が見えるんですよ。「あれ? このエピソード知らないな」とか、「今この登場人物のバックボーンをわざとぼやかしてるね」とか、「もうこれは続編ありますね」と、見終わった後に監督と握手ができるような続編感! 「当たったら続編作ろうね」じゃないですよ。「続編作るから待ってろよ」っていうのをちゃんと伝えてくるような感じ。だからそこら辺も含めて「最高ですね!ついていきます!!」みたいな高揚感を抱きましたね。
――映像について思うことはありましたか?
とても色使いに気を遣っているなと思いました。幸せな回想シーンは部屋もお店もとても色鮮やかに撮っているし、そうじゃないところは引きで色の少ない風景とかセットの中で撮っている。そこら辺も「本当に気が利いてるぜ」と思いました。相手の本拠地に乗り込むシーンがあるんですけれども、そこら辺のセットとか装飾もめちゃくちゃかっこよかったですね。引き出し1つをとっても、観音扉1つをとってもいちいちかっこいいんですよ。監督のセンスの高さをすごく感じました。
――この映画を一言で表すとどうなりますか?
なんかボキャブラリーが少ないなと思うんだけれども「新感覚ハイブリッドムービー」っていう言葉しか僕は出せなかったんですよ。アクションあり、友情あり、青春あり、そして美しい風景も見られる。でもカメラワークを見てほしい、編集も見てほしい、音楽も聴いてほしい。何よりこの素敵な俳優さんたちを知ってほしい。アクション映画っていう1個のジャンルだけでは、はみ出している要素が多すぎると思うので、やっぱりジャンルレスな「ハイブリッドムービー」っていう言い方をしたい。けれども「ハイブリッドムービー」という言葉が持つうさん臭さ。ここですよね。なんかつまんない映画を紹介するときの常套句みたいに読まれたら嫌なんですけど、そうじゃないんですよ(笑)。要素が多すぎてこの言葉をあえて使ってる。だから、ちょっとそこはご容赦いただいて。僕が新しい言葉を探してきますんで、それまでは「新感覚ハイブリッドムービー」っていうことで、推させていただきたいなと思います。
俳優の演技力が引き出す個性豊かなキャラクターたち
――主人公オクジュの魅力を教えてください。
オクジュを演じるチョン・ジョンソの話になるんですが、死んだ魚のような目が似合う女優さんってなかなかいないんですよ。彼女が『バレリーナ』と同じイ·チュンヒョン監督とタッグを組んだ『ザ・コール』の時も思っていたんですけど、今回もその魅力爆発でした。さらに今回はもともと閉ざしていた心がミニちゃんによって開かれていくシーンもあって、「この女優さんこんなに可愛いんだ」って気付かされました。クレイジーな表情もできるし、ガチギレしている芝居もちゃんとできるし、かっこよさもあり、アクションもできる。本当にお芝居のクオリティの高さに関して、「とんでもない化け物がいるんだな」と再確認しました。
――他に印象的なキャラクターはいましたか?
敵役のヴィラン、チョイ・プロ。今回の一番やっつけなきゃいけない敵のキャラクターです。女性にとって最悪な感じの人。「ああ、もうこういう人大嫌い!」っていうのをそのまま演じているんで、本当にシンプルにうらめる感じ。敵役に情けをかけない。そこら辺もやっぱりいいですよね。「どうぞ! 最悪です。どうでしょう? 最悪ですよ」っていうのを、ちゃんと嫌な感じで撮っている。
――では、お気に入りのキャラクターを教えてください。
オクジュや、チョイ・プロも良いんですけど、個人的に好きなのはチョイ・プロを従えるチョ社長。これからご覧いただく方はぜひチョ社長に注目してください。ピッタピタのポロシャツを着ている残忍な男です。「絶対にお前強いだろ」っていうフリが効きまくっているこのキャラクター。一体どんな最後を迎えるのか? 僕はとてもとてもチョ社長が好きなんで、推していきたいなと思います。多分、皆さんもこの映画をご覧になったら、「社長ー!!」って叫ぶシーンが訪れると思いますよ。
「アクション映画っていいな」と思える作品
――この作品はどんな人に観てほしいですか。
アクション映画ファンって、個人的には男性が多いと思っているんですよ。そんななか女性二人を主人公にして、女性が見ても共感できるような、“友情”とか“夢”とかをちゃんと詰め込んだアクションをつくっている。アクションシーンはゴリゴリのアップで撮って臨場感であったり、汗とか血をより強く見せるような写し方をしたりしているんですけど、回想シーンになった瞬間にすごく引いて美しく撮るんです。風景や海、二人の姿とか。ヒーロー映画や昔のアクション映画だったり、キラキラした恋愛映画だったりの良いところをちゃんと使い分けて構成していってる感じがものすごく見えるんで、これを見て「アクション映画って面白いんだな」って思ってくれる女性ファンが増えていくといいなと思いました。『バレリーナ』は普段アクション映画をあまり見ない女性にも僕は問題なくすすめたい作品です。
――これまでは女性に、どんなアクション映画をすすめてこられたのですか?
僕の中で女性におすすめしたいアクション映画の主人公って、おじさんなんですよね。ブルース・ウィリスやキアヌ・リーブス。そこら辺のゴリゴリ系で、多少キャラクターにユーモアのある映画をすすめてきたんですけど、これからは『バレリーナ』を勧めていきたいですね。
「アクション映画でもこんなに友情や夢を描くことができるんだよ」っていうのを伝えたい。ただ、ちょっと監督の欲望というか、ガッツというか……。なかなかきつめのシーンも随所に訪れるので、それは洗礼だと思って受け入れて、楽しんでいただけたらなと思います。
今回の記事は「eo光チャンネル」で放送中の番組『Netflix Freaks』の連動企画。こちらの動画もご覧いただき、赤ペン瀧川さんのプレゼンで作品の面白さをぜひ感じてください!
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