Netflix『離婚弁護士シン・ソンハン』中年男子3人の友情が魅力!異色のリーガルドラマ

離婚弁護士 メインビジュアル

2023年3月から配信中のNetflixシリーズ『離婚弁護士シン・ソンハン』は、韓国映画『82年生まれ、キム・ジヨン』やドラマ『39歳』などの脚本家ユ・ヨンアが手がける異色の法廷ドラマ。天才的な腕を持つピアニストでありながら、とある理由で離婚訴訟専門の弁護士に転身した型破りな主人公シン・ソンハンを演技派俳優チョ・スンウが演じ、日本のテレビ番組部門1位にランクインしました。

そんな本作のあらすじと見どころ、またソンハンを取り巻く個性豊かな登場人物も一挙紹介します。

『離婚弁護士シン・ソンハン』あらすじ

30代半ばでピアニストから弁護士に転身した主人公のシン・ソンハン(チョ・スンウ)。彼はある決意を胸に、様々な事情を抱えるクライアントの離婚訴訟で勝利を積み上げていた。

そんな彼のもとに、スキャンダルで世間を賑わせるラジオDJのイ・ソジン(ハン・ヘジン)が訪ねてくる。彼女は不倫相手に自分の性的な動画をネットに晒され、番組を降板になっただけではなく、夫から離婚を突きつけられていた。圧倒的不利な状況で息子の親権を取りたいというソジン。果たして、ソンハンは彼女が求める条件を達成できるのか。

『離婚弁護士シン・ソンハン』登場人物

シン・ソンハン(チョ・スンウ)

離婚弁護士シン・ソンハン シン・ソンハン

離婚訴訟に特化した40代の弁護士。元々はドイツの大学で音楽科教授を務めるピアニストだったが、ある出来事がきっかけとなり30代半ばで弁護士に転身。その胸の内に孤独を抱えており、愛聴するトロット(韓国の演歌)や2人の友人に支えられて生きている。

演じるチョ・スンウは、2000年にオーディションで映画『春香伝』の主演を勝ち取り、俳優デビュー。翌年には『明成皇后』でミュージカル界に進出。2005年公開の映画『マラソン』では自閉症の青年を巧みな芝居で演じたことで高く評価され、以降も舞台と映像の両方で活躍してきました。Netflxで独占配信中のドラマ『秘密の森』での感情を失った敏腕検事役も高く評価されたスンウが、本作では型破りだけど繊細な心を持つ愛すべきキャラクターを作り上げています。

イ・ソジン(ハン・ヘジン)

離婚弁護士シン・ソンハン イ・ソジン

お天気キャスター出身のラジオDJ。不倫相手が性的動画をネットに晒したことで、夫に離婚を突きつけられ、番組も降板させられた。モラハラ夫から息子を守るため、ソンハンとともに離婚訴訟に乗り出す。やがて、シン・ソンハン弁護士事務所で働くことに。

演じるのは、2002年に日韓合作ドラマ『フレンズ』で役者デビューを果たしたハン・ヘジン。助演として活躍した後、韓国のいわゆる朝ドラ『あなたは星』で初の単独主演を飾り、番組をヒットさせました。そんな彼女が本作で3年ぶりのドラマ復帰。一人の女性として、また息子の母親として揺れ動くソジンの心情を表現しています。

チャン・ヒョングン(キム・ソンギュン)

離婚弁護士シン・ソンハン チャン・ソンギュン

ソンハンが所属する弁護士事務所の事務長。ソンハンやジョンシクとは中学の同級生。元々は貿易会社で忙しく働いていた。愛する妻とは別居状態にある。ソジンのファン。

演じるのは、韓国で名脇役として知られるキム・ソンギュン。2012年に映画『悪いやつら』でスクリーンデビューを果たすや否や、おかっぱ頭のギャング役でインパクトを残し、百想芸術大賞をはじめ各新人賞を総なめしました。近年はドラマ『賢い医師生活』(カメオ出演)や、2021年韓国映画興行収入第2位を記録した『奈落のマイホーム』にも出演。本作で漂わせる中年の悲哀にグッとくるはず。

チョ・ジョンシク(チョン・ムンソン)

離婚弁護士シン・ソンハン チョ・ジョンシク

中学の同級生であるソンハンとヒョングンの弁護士事務所が入っているビルの一階に拠点を構える不動産の公認仲介士(日本でいう宅地建物取引士)。独身で自由気ままに生きている。ローンの返済に追われており、常にお金がなく大家のソンハンに賃料さえも払っていない。

演じるチョン・ムンソンは韓国でミュージカル俳優として有名。人気ドラマ『賢い医師生活』には胸部外科チーフレジデントのト・ジェハク役でレギュラー出演しています。時代劇『ヘチ 王座への道』では悪役の密豊君役でインパクトを残し、一躍有名に。本作ではシリアスな場面が続くと、彼がコミカルな演技で空気を一変させてくれます。

キム・ソヨン(カン・マルグム)

離婚弁護士シン・ソンハン キム・ソヨン

ソンハン、ヒョングン、ジョンシクが通うラーメン店の娘。入院した母親から店を任される。

演じるのは、カン・マルグムは劇団で経験を積んだ実力派俳優の一人。日本では2021年に公開された映画『チャンシルさんには福が多いね』でアラフォーにして人生最大の転機を迎える主人公チャンシルを演じたことで、その名を世間に知らしめました。本作同様に脚本家ユ・ヨンアが手がけたNetflixシリーズ『39歳』にも出演。同作では主人公の姉役で40歳を目前にした女子3人組の友情を温かく見守りましたが、本作では中年男子3人の友情を見守ります。

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パク・ユソク(チョン・ベス)

離婚弁護士シン・ソンハン パク・ユソク

大手法律事務所「クムファ法律事務所」のパートナー弁護士。弁護士としては優秀だが、利己的な性格で周囲との軋轢が絶えない。ソンハンのことを常に敵視している。

韓国ドラマ好きであれば、演じるチョン・ベスが登場した瞬間に「どこかで見たことが……」と思うことでしょう。彼は2022年、本作と同じくリーガルドラマである『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』に出演。自閉スペクトラム症を抱える主人公ウ・ヨンウの父親役を演じました。同作では愛情深い演技で視聴者の涙を誘ったユソクだけに、本作での悪役ぶりに驚くはず。

・関連記事:韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』愛くるしいキャラ、現代社会を問い直す意欲作

​​マ・グミ(キャスト:チャ・ファヨン)

電子製品業界における国内屈指の大企業「テナム電子」の社長夫人。ジョングクの母。

ソ・ジョングク(キム・テヒャン)

「テナム電子」の一人息子。ソンハンの妹ジュファと結婚し、息子ギヨンをもうけたが離婚。再婚したヨンジュとの間には娘ハユルがいる。

シン・ジュファ(コン・ヒョンジ)

ソンハンの妹で故人。夫ジョングクとの離婚後、息子ギヨンの親権を取られる。そんな絶望の最中に交通事故に遭い、帰らぬ人となる。

チン・ヨンジュ(ノ・スザンナ)

ジョングクの現在の妻。ジョングクと元妻ジュファの間に生まれたギヨン、そして自身の実子であるハユルの母となる。

ユ・セボム(イ・ウンジェ)

シン・ソンハン弁護士事務所で働く女性。毎朝音楽を聴くのが日課。

チェ・ジュン(ハン・ウンソン)

「クムファ法律事務所」の新人弁護士。ユソクに命令され、裁判でソンハンと争うこととなる。

ここに注目!『離婚弁護士シン・ソンハン』3つの見どころ

決してありがちではない三者三様の離婚劇

離婚弁護士シン・ソンハン 最初のクライアントとなるイ・ソジン

本作はリーガルドラマはリーガルドラマでも、タイトル通り主人公のシン・ソンハンが担当するのは離婚訴訟のみ。ですが、一口に離婚訴訟と言ってもその内容は千差万別。クライアントがソンハンに訴訟を依頼しに来るまでにも、さまざまなドラマがあります。

例えば、本作で最初のクライアントとなるイ・ソジン(ハン・ヘジン)は自分の不倫が原因で夫に離婚を突きつけられたにもかかわらず、息子の養育権を取ろうとしています。きっと最初は誰もが「自業自得」「そんな母親に親権を得る権利なんてない」と思うでしょう。

しかし、実のところソジンは夫からの異常なまでの束縛により自由を奪われてきました。他にも姑からの酷い扱いにたえかねて暴力をふるってしまった女性や、ベトナム人妻から虐待を理由に離婚訴訟を起こされた男性など、ソンハンのクライアントが抱える問題は一筋縄では解決できないものばかり。リベンジポルノや根強く残る男尊女卑思想など、現代の社会問題がそれぞれの案件に反映されている点も興味深く感じます。

ただ一つだけ共通するのは、全員が離婚訴訟をきっかけに人生を変えたいと思っていること。それを全力でサポートするのが、弁護士であるソンハンの役割です。離婚というものを決してネガティブな選択ととらえず、新しい人生の一歩としてとらえている点が本作の最たる魅力ではないでしょうか。

なぜ離婚弁護士に?少しずつ明らかになる主人公の過去

離婚弁護士シン・ソンハン 主人公は元ピアニスト

また『離婚弁護士シン・ソンハン』で面白いのは主人公であるソンハンが持つ異色の経歴。ドイツの音楽大学で教鞭を取るほどの腕前を持つピアニストから、30代半ばで弁護士に転身したという設定にまず興味をそそられます。

当然、気になるのがその理由。なぜ弁護士になったのか、どうして離婚訴訟を専門としているのか。様々な事情を抱えたクライアントの問題を解決するソンハンの姿が描かれるとともに、現在に至るまでの経緯が少しずつ明らかになってきます。(※以下、ネタバレとなります)

実は、ソンハンが弁護士になったのは妹であるジュファの死がきっかけ。大手企業の御曹司の元に嫁いだジュファは離婚時、親権を得ることができませんでした。愛する息子ギヨンを奪われ失意の最中、ジュファは交通事故で帰らぬ人に。そんな彼女の離婚裁判や事故に疑問を抱いたソンハンは弁護士となり、大切な甥であるギヨンの親権を取り戻そうとしているのです。彼は亡き妹の忘れ形見を守ることはできるのか。最後まで目が離せません。

シリアスさを制御する中年男子版『39歳』

離婚をテーマにしたリーガルドラマということで、シリアスになりがちな本作に癒しの時間として設けられているのがソンハン、ヒョングン、ジョンシクのやりとり。彼らを見ていると、2022年に配信されたNetflixシリーズ『39歳』を思い出します。

40歳を目前に控えた仲良し女子3人組の人生が深掘りされた同作と既視感があるのは、どちらも脚本家のユ・ヨンアが手がけているから。彼女が描く物語の中ではキャラクターが非常に生き生きとしていて、一つひとつのやりとりや会話に現実味があります。だから、昔ながらの友人として描かれている3人が本当に仲良さそうで微笑ましいのです。

中学の同級生であるソンハンたちのコミュニケーションには、中年“男子”と言いたくなるような良い意味での子供っぽさがあります。だけど、誰かが落ち込んでいるときは何も言わずに集まり、お酒を飲んだりと大人ならではの気遣いも。独身でも案外楽しそう!と思わせてくれるような3人の楽しげで心地よい友情にも注目してみてください!

まとめ

シン・ソンハンが担当するクライアントの離婚劇や徐々に明らかになっていく主人公の過去、中年男子の友情など、見どころがたくさん詰まったNetflixシリーズ『離婚弁護士シン・ソンハン』。全12話の充実したドラマをぜひNeflixでお楽しみください。

【Netflixシリーズ『離婚弁護士シン・ソンハン』独占配信中】


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