2024年4月からNetflixで独占配信中の『終末のフール』(全12話)は、伊坂幸太郎の同名小説を原作とした韓国ドラマです。小惑星の衝突による滅亡まで残り200日となり、混沌に包まれた韓国で日々をどう生きるかを模索する人々の姿が描かれます。
『人間レッスン』(2020)、『マイネーム:偽りと復讐』(2021)に続いて、キム・ジンミン監督がメガホンを取ったNetflix作品。江國香織の小説『東京タワー』を原案とし、2014年に韓国で社会現象を巻き起こしたドラマ『密会』のチョン・ソンジュが脚本を手がけました。
※本記事はNetflixシリーズ『終末のフール』の一部ネタバレを含みます。
『終末のフール』あらすじ
NASA(アメリカ航空宇宙局)が、小惑星が地球に接近しており300日後に衝突すると発表。直接的な被害地域に指定された韓国は大混乱となり、瞬く間に秩序が崩壊した。少しずつ町が落ち着きを取り戻す中、元中学教師のセギョン(アン・ウンジン)は子どもたちを守るためにある決意をする。
『終末のフール』登場人物・キャスト
チン・セギョン(アン・ウンジン)
『終末のフール』の主人公。かつては中学教師だったが、小惑星の衝突が発表されて以降はウンチョン市役所の児童青少年部でボランティアをしている。混沌を極めた町で、子どもたちを守るために奮闘する。
アン・ウンジンは、21歳の時にミュージカル『若きウェルテルの悩み』でデビュー。舞台や映画で経験を重ね、2018年に『ロマンスは計測不能~数字女ケ・スクチャ~』でドラマ初挑戦。2020年に人気ドラマ『賢い医師生活』でキム・デミョン演じるソッキョンに一途な想いを寄せる産婦人科のレジデント、ミナを好演し、瞬く間に知名度を獲得しました。時代劇初挑戦となった2023年の『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』ではヒロイン役で最優秀演技賞と、相手役のイ・セヨンとともにベストカップル賞を受賞しています。
ハ・ユンサン(ユ・アイン)
セギョンの恋人。アメリカの生命工学研究所で研究員を務めている。一時は生死不明となっていたが、安全なアメリカから危険地域である韓国に駆け、セギョンを守る。
ユ・アインは2003年にドラマ『四捨五入』で俳優デビューし、注目を集めました。2006年には『俺たちの明日』でスクリーンデビュー。映画『アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜』主役の一人に抜擢され、ドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』でヒロインを見守るコロ役を演じると一躍人気俳優の仲間入りを果たします。数多くの受賞歴がある実力派で、特に台詞なしで臨んだ2022年の映画『声もなく』での演技は高く評価されました。
カン・イナ(キム・ユネ)
セギョンの友人。戦闘勤務支援大隊の中隊長として、補給輸送と治安維持のため、廃墟となったウンチョン市のあちこちを歩き回る。
キム・ユネは、12歳の時に雑誌『VOGUE』の表紙モデルとしてデビュー。2007年に『最強!うちのママ』でドラマデビューを果たして以降は、活動の主軸を俳優業にシフト。2017年には日本でも大ヒットした映画『猟奇的な彼女』のリメイクドラマに出演し、話題を集めました。2年前、ドラマ『流れ星』での役作りでショートカットに。
ウ・ソンジェ(チョン・ソンウ)
小惑星の衝突が発表された後、行方不明となった主任神父に代わり、補佐神父となる。地球滅亡に際して様々な情報が行き交う中、混乱する信徒たちの面倒を見る。
チョン・ソンウは、2007年にミュージカル『火星で夢見る』で俳優としての一歩を踏み出しました。2015年に『六龍が飛ぶ』でドラマ、『窓辺のテーブル 彼女たちの選択』で映画デビューし、映像作品に進出。近年は『熱血司祭』シリーズや、『人生最高の贈り物〜ようこそ、サムグァンハウスへ〜』など、数多くの作品でバイプレイヤーとして活躍しています。
『終末のフール』原作との違いは?
『終末のフール』は、『重力ピエロ』や『グラスホッパー』などで知られる人気作家・伊坂幸太郎の同名小説が原作。原作からは様々な変更点があり、まず大きなところでは舞台。小説は、宮城県仙台市北部にある団地「ヒルズタウン」、ドラマは韓国の小さな町「ウンチョン市」が舞台です。
ストーリーの主な設定とキャラクターも原作とはかなり異なっており、地球滅亡までの時間も8年から300日に変更。またドラマでは韓国と日本、インドシナ半島、中国大陸東部が被害予想地域に設定されています。
つまり、国外に脱出すれば、助かるかもしれないという見込みがあるということ。そのため、まだあきらめていない人も多く、他の国への移住を希望する人たちで空港は大混乱となるのです。
パニックに陥った町の様子がリアル…コロナ禍を思わせる描写も
本作はNASAの発表から100日後の、少し落ち着きを取り戻したウンチョン市から始まります。ただ、まだ発表まもない頃の様子も回想シーンで描かれているのが特徴です。
韓国が被害地域になることが明らかになった直後、国は戒厳令を公布しました。すると暴動が起き、国は大混乱となります。それに乗じて、刑務所に収監されていた犯罪者たちが脱走し、略奪や殺人が頻発。真偽不明な噂が飛び交い、人々の不安に漬け込んだ詐欺も横行するように。
自殺者も急増する中、人々が何にすがるかといえば宗教。「小惑星の話はでっち上げ」と陰謀論を唱えるカルト宗教も荒れ狂うのです。
そんな光景が、どこかコロナ禍で起きていた現実と重なります。命が脅かされかねない緊急事態においてはどんなに冷静な人間でも判断力と理性を失ってしまうものなのかもしれません。
意外な主人公の行動が教えてくれる事とは?
そんな中、意外な行動に出るのが、本作の主人公セギョンです。
元々は中学で人気の先生だったセギョン。特に彼女を慕っているのが、児童売春で逮捕歴がある父を持つハユル(キム・ドヘ)、父がカルト宗教の教祖となったジンソ(キム・ガンフン)、イトコ2人と母親と暮らすソミン(キム・ボミン)の3人ですが、彼らにはミノ(ウン・イェジュン)という、もう一人仲の良い男の子がいました。
しかし、小惑星の衝突が発表された直後、脱獄囚が人身売買を目的に子どもたちを誘拐し、虐殺する事件が発生。その中にはセギョンの教え子も含まれており、ミノも犠牲となったのです。
その死に打ちのめされていたセギョンはある日、犯人の一人がハユルの家の隣に引っ越してきたことを知ります。しかしながら、国は警察も軍隊もまともに機能していない状態。そのことからセギョンは人知れず、子どもたちを守るために奮闘するのです。
そんなセギョンを見て、地球が滅亡したら、どうせ全員死んでしまうのに、どうして他人のためにそんなに頑張れるのだろうと疑問に思う人もいるでしょう。
だけど、よく考えたら、地球が滅亡しなくても人はいずれ死ぬもの。命の危機に晒された時にいつもと違う行動を取ってしまうのは、それだけ“後悔”があるからで、常にいつ死んでもいいように生きていたら、セギョンのようにどんな時も自分らしくいられるのかもしれません。
もし地球が300日後に滅亡するとしたら、自分はどうするかを考えさせられる『終末のフール』。このドラマを観れば、自分にとって一番大切なものが見えてくるはずです。
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