Netflix『百年の孤独』マルケスの傑作小説を映像化。呪われた一族の、濃い人間ドラマを描く

Netflix『百年の孤独』マルケスの傑作小説を映像化。呪われた一族の、濃い人間ドラマを描く

2024年12月11日から独占配信されたNetflixシリーズ『百年の孤独』。1967年の初版以降、全世界で5,000万部発行されたガブリエル・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』には「文庫化されると世界が滅ぶ」という都市伝説がなぜか存在しました。
それが2024年6月に新潮社から文庫化され、一部の書店では品切れになる事態に。Netflixシリーズ『百年の孤独』はカリブ海地域の架空の村「マコンド」を舞台に、血に呪われたブエンディア一族の、百年におよぶ繁栄と滅亡までを描きます。この幻想的で濃厚な人間ドラマの魅力を、原作の内容を踏まえて紹介します。

『百年の孤独』のあらすじ

『百年の孤独』のあらすじ

いとこ同志だったホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランは親の反対を押し切って結婚。南米コロンビアのリオアチャから移動し、「蜃気楼の村」マコンドを建設します。やがて二人の間に長男ホセ・アルカディオ、アウレリャノ、アマランタが誕生。外からの移住者も増えて、マコンドが繁栄を極める一方で、ブエンディア一族は呪いに苦しめられ、戦争や狂気が絡み、滅亡へと突き進んでいきます。

マジック・リアリズムの傑作『百年の孤独』が発刊から51年後に映像化

マジック・リアリズムの傑作『百年の孤独』が発刊から51年後に映像化

ノーベル賞作家ガブリエル・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』はマジック(魔術的)・リアリズムの傑作として知られています。
マジック・リアリズムとは、一言でいえば「非現実的なできごとがあたかも日常かのように表現される」手法のこと。小説『百年の孤独』にもこんな描写が当たり前のように登場します。

  • 村の重要人物が亡くなる瞬間、黄色い花びらが大量に降り注ぐ
  • 予言者がシンガポールで一度亡くなり、蘇り、また老衰で亡くなる
  • 神父が宙に浮く

Netflixシリーズ『百年の孤独』では、上の花びらのシーンや、錬金術師メルキアデスの魔術的なテントの光景をはじめ、このマジック・リアリズムを丁寧に再現していました。
CGを明らかに使用したと分かるように誇張するでもなく、非日常を日常の一部として表現するカメラワークが印象的です。

血の呪いにとらわれるブエンディア一家の繁栄と滅亡

血の呪いにとらわれるブエンディア一家の繁栄と滅亡

『百年の孤独』で、一族の母・ウルスラは近親者で子をなすことを家訓で禁じますが、一族の者の多くが互いに惹かれ合ってしまいます。町長モスコテ家やイタリアから来たピアニスト、ピエトロ・クレスピなど外部の人間と家族になろうとしても、誰かが不幸な結末を迎えてしまう。実はブエンディア一家には血の呪いがあるようで、それを示す予言も登場します。

血の呪いにとらわれるブエンディア一家の繁栄と滅亡

メルキアデスに魅せられ錬金術に没頭するホセ・アルカディオ・ブエンディアはやがて正気を失い、栗の木にくくりつけられて過ごすようになります(実際に映像で見るとインパクトがあります)。

血の呪いにとらわれるブエンディア一家の繁栄と滅亡

長男のホセ・アルカディオはたくましく育つも問題を起こしてどこかへ旅立ってしまうし、冷静で理知的だった次男アウレリャノもやがて軍人になってしまう。長女アマランタと養女レベーカはピエトロ・クレスピをめぐって恋敵となり……ウルスラの気が休まる日はありません。

血の呪いにとらわれるブエンディア一家の繁栄と滅亡

父に代わり飴作りで家計を支え、家族を厳しくも優しく支えるウルスラ。息子・娘たちの汗と泥にまみれた恋愛、激しい情念がドラマを動かしますが、若者や軍人にも物おじしない、ウルスラの頼もしさこそが一番の見どころかもしれません。

正直なところ、ブエンディア一家全員がクセのある人物です。ただ、退場すると不思議とさみしくなる、原作にもあった感情がNetflixシリーズを観ていても芽生えてきました。

巨大セット4つ。つくりこまれた美術・舞台

巨大セット4つ。つくりこまれた美術・舞台

ブエンディア一家を身近に感じられた理由は、俳優の演技はもちろんのこと、美術がしっかりつくられていたからかもしれません。料理やお菓子、衣装、家の調度品などがつくりこまれていて、見ているとウルスラたちの生活風景がリアルに入ってくるのです(マジックリアリズムの作品ですが)。

巨大セット4つ。つくりこまれた美術・舞台

Netflixシリーズ『百年の孤独』ではガルシア家の故郷コロンビアで撮影が行われました。
54.49平方キロメートルの巨大なセットを4つ組む計画で、1セットを撮影中に次のセットをつくっていく段取りで進められたそうです。300トンの鉄製彫刻や16,000本の植栽など、Netflixならではの壮大なスケール。

巨大セット4つ。つくりこまれた美術・舞台

制作総指揮を務めたのは、ガルシア・マルケスの息子ロドリゴ・ガルシアとゴンサロ・ガルシア・バルチャ。
ロドリゴ・ガルシアは「父は映像化をためらっていた」と語ります。原作の内容を映像化できるのか、またスペイン語ならではの表現もあるので多国語化も懸念していた、と。ただ映画のように高品質で、多国籍な作品を視聴する習慣が根づいた時代になったとして、映像化に踏み切ったそうです。

『百年の孤独』はガルシア・マルケスの幼少期の経験や、見聞きしたことで構成されているそう。映像中でもマルケスへのオマージュが細かくなされているのですが、Netflixシリーズ『百年の孤独』はガルシア家の家族の歴史が表された一作ともいえるでしょう。

まとめ

まとめ

『百年の孤独』原作は「ホセ・アルカディオ」「アウレリャノ」と似たような名前がたくさん出てくるので、正直誰が誰だか分からなくなることもあるのですが、そこは映像の強み。Netflixシリーズでは俳優できちんと見分けられるので大丈夫です(ただし年齢経過とともに俳優が変更、容姿が変わります)。
Netflixシリーズ『百年の孤独』で2024年12月に配信されたのは全8話で、原作の3分の1ぐらいの内容です。パート2は後日配信される予定。新潮社の『百年の孤独』特別サイトでは冒頭の試し読みや、池澤夏樹による読み解き支援キットも配布中。ぜひ原作と映像の比較をしつつ、マジックリアリズムの世界を堪能してみてください。

【Netflixシリーズ『百年の孤独』独占配信中】


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