Netflixオリジナル『ザ・クラウン』、エリザベス女王の激動の半生を壮大なスケールで描く

ザ・クラウン メインビジュアル

2022年9月8日に亡くなった、英エリザベス女王。Netflixシリーズ『ザ・クラウン』は、そのエリザベス2世の半生をフィクションとして描いたヒューマンドラマ。2016年にシーズン1がスタートし、エリザベス女王を取り巻く世界を緻密かつドラマチックに描いています。ゴールデングローブ賞やエミー賞など数々の賞を受賞し、シーズン5が2022年11月に開始されることもあり、注目が集まっています。この記事では『ザ・クラウン』のあらすじとキャスト、その魅力を紹介します。

『ザ・クラウン』あらすじ

ザ・クラウン 紅茶を飲むエリザベス
The Crown Season 1

物語は、イギリス国王ジョージ6世(ジャレッド・ハリス)の娘として生まれたエリザベス(クレア・フォイ)と、ギリシャおよびデンマーク王子だったフィリップ王子(マット・スミス)の結婚の儀から始まります。

愛する父の死によって25歳の若さで、英国君主となるエリザベス2世。
ウィンストン・チャーチル(ジョン・リスゴー)を代表とする政府と自分の家族との板挟みに悩む日々に始まり、妹であるマーガレット王女(ヴァネッサ・カービー)のスキャンダル、そしてイギリスを取り巻く歴史的な出来事など、エリザベス女王が駆け抜けた激動の時代をドラマチックに描きます。

『ザ・クラウン』(シーズン1)の登場人物・キャスト

エリザベス2世(クレア・フォイ)

父親の国王ジョージ6世が死去し、25歳で「エリザベス2世」としてイギリス女王に即位。
シーズン1とシーズン2では、夫との関係の溝や、熟練の政治家チャーチル首相とのやりとり、妹のマーガレット王女のスキャンダルなど、さまざまな苦悩と葛藤と戦います。

若き日のエリザベス2世を演じるクレア・フォイは、『ザ・クラウン』でゴールデングローブ賞女優賞を受賞し、世界的に注目される女優になりました。過去に『ウルフ・ホール』でも史実を元にしたストーリーの中で実在の人物であるアン・ブーリンを演じていて、今回も凛々しく気品のある演技を見せてくれます。

エディンバラ公フィリップ殿下(マット・スミス)

エリザベス2世の夫。ギリシャおよびデンマーク王子でしたが、即位前のエリザベス王女と結婚し、元の国籍を離れてイギリス市民権とエディンバラ公爵称号を与えられます。海軍将校として軍務についていましたが、エリザベス女王が即位したあとは退役。女王を支える立場となりますが、イギリス女王である妻の影で、自らの立ち位置に苦悩し葛藤することになっていきます。

『ザ・クラウン』でフィリップ殿下を演じるマット・スミスは、2006年にドラマ『サリー・ロックハートの冒険』でデビュー。イギリスで長きに渡ってシリーズ放送されているSFドラマ『ドクター・フー』の11代目ドクターに最年少で抜擢されて、ブレイクしました。その後、さまざまなジャンルの作品で活躍しています。今作のフィリップ殿下は「とにかくそっくり!」という口コミが多く寄せられています。

マーガレット王女(ヴァネッサ・カービー)

エリザベス2世の妹。明るく奔放な性格で、ひと回り以上年上で離婚歴のあるタウンゼント大佐とのスキャンダルが世間を賑わす騒動に発展してしまいます。

演じるヴァネッサ・カービーは、これまで『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』などに出演し、『ザ・クラウン』をきっかけにイギリス国外からの知名度を一躍アップさせました。2018年には本作で英国アカデミー(BAFTA)賞助演女優賞を受賞しています。『ザ・クラウン』ではファッショナブルなマーガレット王女らしく、色鮮やかなドレスやワンピースに身を包んでいて、その華やかさも楽しめるポイントです。

ウィンストン・チャーチル(ジョン・リスゴー)

イギリス、保守党のリーダー。ジョージ6世が体調がかんばしくないころに2度目の当選を果たし、イギリス首相に就任します。任期中にジョージ6世が崩御し、エリザベス2世が即位。伝統を重んじる熟練の政治家として、若きエリザベス女王をコントロールしようとする部分もありますが、徐々に敬意を払うようになっていきます。

チャーチル首相を演じるのは、ジョン・リスゴー。1982年に『ガープの世界』、1983年に『愛と追憶の日々』で2年連続アカデミー助演男優賞にノミネートされたことがあり、エミー賞やゴールデングローブ賞など多数の受賞歴もある名優です。『ザ・クラウン』でも抜群の存在感でエリザベス女王とのやりとりを際立たせます。

ジョージ6世(ジャレッド・ハリス)

エリザベス2世の父で、国民と家族を愛した「国王ジョージ6世」。エリザベスが海外公務中に崩御されます。生前に次に即位する娘のエリザベスのことを気にかけ、フィリップにサポートを頼んでいました。

エドワード8世 ウィンザー公爵(アレックス・ジェニングス)

ジョージ6世の兄で、エリザベス2世の伯父。かつて王位についていましたが、離婚歴にあるアメリカ人女性ウォリス・シンプソンと結婚するために退位し、スキャンダルを巻き起こしました。

ピーター・タウンゼント(ベン・マイルズ)

マーガレット王女が恋に落ちる年上の大佐。妻帯者でしたが、妻の浮気が原因で離婚し、マーガレットと交流を深めますが、英国国教会と政府からは猛反対されます。

英国王室を再現した荘厳な世界観

ザ・クラウン 荘厳な式の様子

『ザ・クラウン』で注目されるのは、見事に王室を再現したセットと衣装です。
第1話はエリザベスとフィリップの結婚の儀が描かれるのですが、美しいドレスに目をひかれます。歴史的出来事であるエリザベス女王の戴冠式も、細部に渡って再現され、その荘厳な世界観には思わずため息がでます。

『ザ・クラウン』では何げないシーンの背景になっているセットや調度品、きらびやかなドレスや気品あるファッションなど、どこまでも丁寧に作られているので、世界観にどっぷりと浸ることができます。

英国王室を描く、ヒューマンドラマ

ザ・クラウン フィリップとエリザベス

『ザ・クラウン』はエリザベス女王をモデルにした作品なので、あっと驚くような展開や結末はありません。しかし、誰もが知る出来事を題材にしながらも、その登場人物たちがどのように思い悩んだかという、複雑な心情が丁寧に描写されています。
エリザベス女王を筆頭に、王室に生きる人々を1人の人間として描いているので、ヒューマンドラマとしてストーリーに引き込まれていきます。

本作の脚本を手がけたピーター・モーガンは、過去にも『クィーン』で英国王室を描いていて、アカデミー賞脚本賞にもノミネートされています。さらに、日本でも大ヒットした『ボヘミアン・ラプソデイ』の原案でもあります。『ザ・クラウン』でも、実在の人物や出来事をモデルに、ドラマティックに仕上げる構成や演出にも注目です。

エリザベス女王、イギリス王室ファンにグッとくるシーンも

ザ・クラウン フィリップとエリザベス 戴冠式

戴冠式やクリスマスメッセージのテレビ放送など、細部までこだわった再現度の高いシーンも『ザ・クラウン』の楽しめるポイントです。ディティールにこだわったセットや小道具が効果的に登場するのですが、特にエリザベスが父の葬儀に向かう準備をしている際に、「三連パールのネックレス」が映るシーンには思わず「あっ」と声が出てしまいました。
そして、エリザベス女王の気品あるドレスや服装も素晴らしいですが、マーガレット王女やウィンザー公爵のファッショナブルな装いも楽しめます。
キャスト陣の仕草もモデルとなったロイヤルファミリーたちの雰囲気をとらえていて、大変見応えがある仕上がりです。

『ザ・クラウン』のシーズン1とシーズン2では、フィリップ殿下やチャーチル首相が重要な立ち位置になっていますが、シーズン4では英国初の女性首相マーガレット・サッチャー(ジリアン・アンダーソン)とダイアナ妃(エマ・コリン)が登場。その再現度と、多くの人々の記憶に残っているストーリーをどう描いていくかにも注目です。

まとめ

エリザベス女王を中心に、ロイヤルファミリーの複雑な心情を丁寧に描いた『ザ・クラウン』、世界から注目が集まるシーズン5はいよいよ2022年11月9日から配信開始です。
ぜひ、Netflixシリーズ『ザ・クラウン』をチェックしてみてください。

今回の記事は「eo光チャンネル」で放送中の番組『Netflix Freaks』の連動企画。こちらの動画も合わせてご覧ください!


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