Netflixシリーズから、ニコール・キッドマンが出演する『理想のふたり』が登場！ 本作はエリン・ヒルダーブランドの人気小説を、Netflixで驚異の再生数を誇る映画『バード・ボックス』のスサンネ・ビア監督が映像化したミステリーです。2024年9月5日に配信されるや否や、その出演者の豪華さに世間の関心が向けられました。
そんな本作の見どころを紹介します。一部ネタバレを含むので未視聴の方はご注意ください。
目次
『理想のふたり』あらすじ
舞台は米国マサチューセッツ州の南に浮かぶナンタケット島。美しい海が広がるこの島で最も裕福なウィンバリー家の華やかな邸宅で、有名な小説家グリア（ニコール・キッドマン）の次男ベンジー（ビリー・ハウル）と、その婚約者アメリア（イヴ・ヒューソン）の結婚を祝うパーティーが盛大に行われていた。
親友のメリット（メーガン・ファヒー）が感動的なスピーチを披露してくれ、幸せ絶頂かのように見えたグリア。しかし結婚式前夜、海岸でメリットが変わり果てた姿で見つかり、祝福ムードに包まれていた島が一変する。警察が他殺を疑い、犯人特定に動く中、誰もが羨むウィンバリー家の闇が次々と暴かれていくのだった。
『理想のふたり』登場人物・キャスト
グリア・ギャリソン・ウィンバリー（ニコール・キッドマン）
有名な小説家。ナンタケット島で代々続く名家のウィンバリー家に嫁ぎ、夫タグとの間に3人の息子をもうけた。ゲストの前では次男ベンジーの結婚を祝福しているが、一般家庭で育った嫁のアメリアを内心快く思っていない。
タグ・ウィンバリー（リーヴ・シュレイバー）
グリアの夫。ダリアとはおしどり夫婦で通っており、人目をはばからずにどこでも彼女への愛の言葉を口にする。穏やかな性格で誰に対しても紳士的にふるまうが、実は重大な秘密を抱えていて……。
アメリア・サックス（イヴ・ヒューソン）
ベンジーの婚約者。優しい両親のもとでまっすぐ育つ。動物園で働いていたところベンジーに見初められ、交際から間もなく婚約を果たした。だがウィンズリー家の人と関わる中で身分の差を感じ、ベンジーとの結婚を迷い始める。
ベンジー・ウィンバリー（ビリー・ハウル）
ウィンバリー家の次男（写真右）。一般家庭で育ったアメリアを尊重したい気持ちと、そんな彼女に早くウィンズリー家のしきたりに馴染んでほしい母グリアからのプレッシャーとの間で板挟みにあっている。絵を描くのが趣味。
トーマス・ウィンバリー（ジャック・レイナー）
ウィンバリー家の長男。自由奔放で横暴な性格ゆえに兄弟喧嘩が絶えないが、妻であるアビーには逆らえない。その一方でアビーに隠れて別の女性と不倫中。アビーにマイホームをねだられており、父タグにそれとなく金をせびる。
アビー・ウィンバリー（ダコタ・ファニング）
トーマスの妻で妊娠中。お金に目ざとく、姑であるグリアに忠実な態度で接する。アメリアの親友メリットとは過去に何度かパーティーで出会っており、軽蔑している。
ウィル・ウィンバリー（サム・ニヴォラ）
ウィンバリー家の三男。以前フランス語を教えてくれた家庭教師のメイに想いを寄せていたが、告白した直後に彼女が失踪したことで心に深い傷を負った。家に引きこもりがちで反抗期真っ只中。現在はインフルエンサーとして活躍するメリットに夢中な様子だが……。
メリット・モナコ（メーガン・ファヒー）
アメリアが誰よりも心を許している大親友。人気インフルエンサーとしても活躍している。社交的な性格でパーティーが大好き。結婚式で介添人を依頼され、ナンタケット島を訪れた。その前夜、アメリアにある秘密を打ち明ける。
シューター・ディヴァル（イシャーン・カター）
ベンジーの親友で介添人を依頼された。ウィンズリー家とは家族ぐるみの付き合いがあり、グリアにはまるで息子のように可愛がられている。メリットの遺体が見つかった直後、警察から待機を命じられているにもかかわらず、島を出ようと試みる。
クロエ・カーター（ミア・アイザック）
ナンタケット警察署の警察署長ダン・カーター（マイケル・ビーチ）の娘。アメリアとベンジーの結婚を祝うパーティーでウエイターを務めていた。ウィルとは友人で、何かと彼を気にかけている。
ニッキ・ヘンリー（ドナ・リン・チャンプリン）
マサチューセッツ州警察の刑事。メリットが遺体で見つかった事件を担当している。ナンタケット警察署の警察署長ダンは島の有力者であるウィンズリー家におもねる態度を取っているが、自身は冷静沈着に取り調べを遂行する。
カレン・サックス（デンドリー・テイラー）
アメリアの母。がんを患っており、死を案じてアメリアとベンジーの結婚を早めてもらった。夫のブルース（マイケル・マグレディ）とともにナンタケット島を訪れるが、痛みが強く鎮痛剤でごまかしている。
「ビーチ読書の女王」が描く美しいナンタケット島での暮らし
『理想のふたり』を観始めてまず目に入ってくるのは、アメリカ・マサチューセッツ、ナンタケット島の美しい景色。ナンタケットはもともと捕鯨で栄え、メルヴィル『白鯨』にも登場。避暑地として夏には多くの観光客が訪れ、セレブたちがこぞって別荘を建てていることでも有名です。実は原作者であるエリン・ヒルダーブランドもこの島に住んでおり、自身の小説にも舞台として頻繁に登場させています。夏にビーチで読みたい本を出版することから「ビーチ読書の女王」という異名も。
ニコール・キッドマンが演じる小説家のグリアはそんな原作者自身をモデルにしたかのようなキャラクターで、彼女もまた夏にぴったりのロマンス小説を出版していることから「夏の女王」と呼ばれています。
本作では原作小説で描かれた美しい島での理想的な暮らしがそのまま映し出されており、思わずうっとり。けれど、そんなナンタケット島でメリットの遺体が見つかり、空気が一変。少し前までは島でのんびりと過ごす登場人物たちを羨ましく思っていたのに、この閉鎖的な空間に殺人事件の犯人がいると思うと途端に怖くなります。
欲望だらけのセレブ一家。だけど共感できる部分も？
事件が起きるまで、ウィンズリー家は憧れのセレブ一家として人々から熱い視線を向けられていました。しかし、それはあくまでも表向きの姿であり、事件の真相に近づいていくたびに一家の闇が少しずつ暴かれていくのです。
愛妻家だと思っていた父親のタグは好色漢で、複数の若い女性たちと身体の関係を持っていることが判明。それを知りながらもグリアは自己プロデュースのために理想の家族を演じており、不都合なことは隠して家族にまで秘密保持契約を結ばせる周到さ。
そんな彼女のやり口にアメリアはほとほと嫌気が差し、ベンジーへの気持ちも薄れていくと同時にある男性への気持ちが高まっていきます。長男のトーマスにも父親譲りの浮気癖があり、その妻アビーは見栄っ張りでウィンズリー家の財産をあてにしていて……と誰もが欲望の塊。最終的にはどの人物も犯人に見えてくるはずです。
ただそれぞれの人物を全く理解できないわけではなく、彼らが抱える悩みには共感できる部分も。セレブでもセレブじゃなくても人間が思うこと、感じることはさほど変わりがないなと思わされます。
ニコール・キッドマンの気高く美しい姿に圧倒されっぱなし！
ロックバンド「U2」のメンバー・ボノの娘として知られるイヴ・ヒューソン、『スクリーム』シリーズや『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』などへの出演で知られるベテラン俳優のリーヴ・シュレイバー、『アイ・アム・サム』でショーン・ペンの娘役を演じるなど子役からキャリアをスタートさせたダコタ・ファニング、『ミッドサマー』のクリスチャン役で話題を集めたジャック・レイナーなど、豪華出演陣が集った本作。
中でも目が離せない存在となっているのが、ニコール・キッドマンです。近年プロデューサーとしても手腕を発揮している彼女は御年57歳。変わらぬ美貌に気高さがさらに加わり、立っているだけで圧倒されます。誰もが羨むセレブ妻としての説得力が凄まじい！
そんな役者たちの演技も堪能できるNetflixシリーズ『理想のふたり』は全6話。1話あたりも約50分と観やすい長さになっているので、スキマ時間ができた方はぜひチェックしてみてください。
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