吉沢亮、宮崎あおいがW主演を務めるNetflix映画『クレイジークルーズ』が11月16日に配信開始。本作は横浜港からエーゲ海へと向かう、実在する史上最大級の豪華クルーズ船MSCベリッシマの航海中に起こった殺人事件を巡るミステリーにして、事件現場にたまたま居合わせた二人が繰り広げるロマンティックコメディ。ドラマファンに絶大な支持を受ける脚本家・坂元裕二が手がけた本作の見どころを紹介します。
※本記事は『クレイジークルーズ』の一部ネタバレを含みます。
『クレイジークルーズ』あらすじ
冲方優(吉沢亮)は豪華クルーズ船「MSCベリッシマ」で働くバトラー。乗客からの理不尽なクレームや要求に嫌な顔一つせず対応し、時には土下座もするため、そのプライドのなさを新人船長・矢淵初美(吉田羊)から評価されていた。
クルーズ船が横浜港からエーゲ海に向けて出航直前。切羽詰まった様子でクルーズ船に乗り込んできた盤若千弦(宮崎あおい)という女性から、冲方はお互いの恋人が密会していることを告げられる。不幸な境遇を嘆き合う2人はその矢先、クルーズ船のプールで殺人事件を目撃。しかし、目を離したすきに死体が消え、共に事件を目撃した乗客たちはなぜか何も知らなかったふりをする。
そして、交際中の相手から「なかったこと」にされてしまった冲方と盤若の2人は、目の前で起こった事件を「なかったこと」 にさせないため、独自に捜査を始めるのだった。
『クレイジークルーズ』の登場人物
冲方優(吉沢亮)
「MSCベリッシマ」のバトラー。客からの注文に無心で対応する。42日間のエーゲ海ツアーが終わったら、彼女と結婚予定だった。
演じる吉沢亮は、2011年に放送された特撮ドラマ『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系)でブレイク。“国宝級イケメン”と称される端正な顔立ちながら、癖のある役柄を演じることが多く抜群のコメディセンスを持つ。大河ドラマ『青天を衝け』では主人公の渋沢栄一役で高い評価を受けた。
盤若千弦(宮崎あおい)
「MSCベリッシマ」の出航直前に乗船。冲方の彼女と自身の彼氏が浮気していることを知り、止めようとしている。
演じる宮崎あおいは、子役から活躍しており、芸歴は30年以上を数えるベテラン。圧倒的な透明感と等身大の演技で数多くのヒロインを演じてきた。結婚と出産を機に一時期は休業していたが、2020年のスペシャルドラマ『あしたの家族』(TBS系)で俳優復帰。吉沢と同様、坂元裕二脚本作には今回が初出演となる。
矢淵初美(吉田羊)
「MSCベリッシマ」の新人船長。冲方のことを“避雷針”として重宝する。
保里川藍那(菊地凛子)
「MSCベリッシマ」の乗客で、事件の目撃者①。映画プロデューサーで、若手俳優の真太郎と不倫中。
井吹真太郎(永山絢斗)
「MSCベリッシマ」の乗客で、事件の目撃者②。若手俳優。
湯沢龍輝(泉澤祐希)(板谷由夏)
「MSCベリッシマ」の乗客で、事件の目撃者③。萩原組の元組員。組のお金を持ち逃げし、組長の娘である汐里と駆け落ち中。
萩原汐里(蒔田彩珠)
「MSCベリッシマ」の乗客で、事件の目撃者④。萩原組の組長の娘。
佐久本奏翔(潤浩)
「MSCベリッシマ」の乗客で、事件の目撃者⑤。久留間家の家政婦の息子。
久留間宗平(長谷川初範)
「MSCベリッシマ」の乗客。医療界のゴッドファーザー。
久留間道彦(安田顕)
「MSCベリッシマ」の乗客。宗平の息子。
久留間美咲(高岡早紀)
「MSCベリッシマ」の乗客。宗平の妻。
久留間玲奈(大貝瑠美華)
「MSCベリッシマ」の乗客。久留間家の娘。
佐久本桂子(菜葉菜)
「MSCベリッシマ」の乗客。久留間家の家政婦。
エドワード江戸(岡部たかし)
「MSCベリッシマ」の乗客たちを楽しませるマジシャン。
非日常的を舞台に繰り広げられる坂元裕二ならではの会話劇
本作の脚本を手がけたのは、作家歴約35年の坂元裕二さん。90年代23歳の時に脚本を担当した『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)が「月曜日の夜9時に街から女性たちが消えた」といわれるほどの社会現象となり、ヒットメーカーの仲間入りを果たしました。
2010年代に突入してからも、手がける作品が軒並み高い評価を得ており、『Mother』(日本テレビ系)や『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)は海外でもリメイクされています。2023年公開の映画『怪物』は「第76回 カンヌ国際映画祭」脚本賞を受賞しました。
そんな坂元さんがNetflixとの5年契約を締結。本作はその第1弾となります。これまではどちらかといえば、“日常”に潜むドラマを描いてきた坂元さん。しかし、今回の舞台は豪華クルーズ船。しかも、その中で殺人事件が起こるという非日常を圧倒的なスケールで描いています。
一方で、坂元さんの持ち味であるユーモアに富んだ会話劇は健在。物語のスケールの大きさと、重箱の隅をつつくような登場人物たちのやりとりに良い意味でギャップがあり、坂元さんらしさとその新境地を同時に堪能することができます。
“脇役”が主役?物語を貫くテーマ
主人公・冲方とヒロインの千弦は、本来ならば人生で交わることのなかった相手同士。しかし、お互いの恋人が自分たちに隠れて会っていたことから、2人は巡り会うこととなります。一方、豪華クルーズ船には一癖も二癖もある、自己主張の激しい人たちが……。そんな船内で冲方と千弦は目立たない存在です。
いわば、彼らは恋愛映画でいうところの脇役。どちらも恋人と浮気相手の当て馬にされ、冲方に至っては常日頃、わがままな乗客たちの要求に必死で応えています。そんな2人が目の前で起こった事件を「なかったこと」 にさせないため、独自に調査を進めていく本作。事件の真相が明らかになった時、この物語が脇役の抵抗を描いたものであるということがわかると同時に、「誰もが主役であり、誰かの脇役」というメッセージに気づくはず。そこに至るまでに散りばめられた伏線とも言える台詞や展開にぜひ注目してください。
まとめ
Netflixと人気脚本家・坂元裕二がタッグを組み、全世界に贈るミステリー&ロマンティックコメディ『クレイジークルーズ』。本格的なミステリーを楽しめる一方で、主人公とヒロインによる脇役同士の恋愛にも胸がキュンとなる作品に仕上がっています。一度結末を知ってからも、また見返したくなること間違いなしです!
今回の記事は「eo光チャンネル」で放送中の番組『Netflix Freaks』の連動企画。こちらの動画も合わせてご覧ください!
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