圧倒的なヒールとしてカリスマ的人気を誇った女子プロレスラー、ダンプ松本の知られざる葛藤を描いたNetflixシリーズ『極悪女王』。企画・脚本・プロデュースに鈴木おさむ、総監督は白石和彌、主人公のダンプ松本は初主演となる芸人・ゆりやんレトリィバァが演じたことで配信前から話題に。
本作では観客を熱狂させたリング上での試合はもちろん、アイドルとしても活躍した当時の女子プロレスラー達の葛藤を詳細に描いています。
ほんきじではそんなカリスマ女子プロレスラー・ダンプ松本の半自伝ドラマであるNetflixシリーズ『極悪女王』の見どころを紹介します。
※本記事はNetflixシリーズ『極悪女王』の一部ネタバレを含みます。
Netflixシリーズ『極悪女王』のあらすじ
1980年代、小学生の松本香は父親をひどく憎んだある雨の日、全日女子プロレスの練習場に足を踏み入れる。香はそこで見たジャッキー佐藤に魅せられ、高校卒業後に女子プロへの入門を果たす。同期の長与千種(ながよ・ちぐさ)らとともに厳しい練習や先輩からの指導に耐えるも、なかなか花が咲かない。千種がプロデビューを果たしスター街道を駆け上る中、香はヒールとしての道を歩み始める。
Netflixシリーズ『極悪女王』の主要な登場人物とキャスト
極悪同盟
松本香/ダンプ松本(ゆりやんレトリィバァ)
全日女子プロレスに所属する元デビル軍団、極悪同盟のトップであり稀代の悪役レスラー。本作のタイトルでもある「極悪女王」は彼女のニックネームでもある。
小学生の頃にジャッキー佐藤のファイトに憧れてプロレスラーを目指すも、一時はその夢も諦めていた。しかしオーディション会場へ駆け込み、全日女子プロレスへの入門を許されることに。あるときを境にヒールとして覚醒を果たす。
本庄ゆかり/マスクド・ユウ/クレーン・ユウ(えびちゃん・マリーマリー)
ダンプ松本とともに、デビル軍団を脱退して極悪同盟を結成。ヒールレスラーとしてダンプに次ぐナンバー2の活躍ぶりを見せる。1985年に行われた「第1回ジャパングランプリ公式戦」においてダンプとの同門対決の末、レスラーを引退してレフリーへと転向する。
中野恵子/ブル中野(堀桃子)
ダンプ松本の3年後輩であり、極悪同盟の一員。リング上での力強さはもちろん、カリスマ性も持ちあわせていたヒールレスラー。
影かほる(戸部沙也花)
1985年8月28日、大阪興行で行われた「ダンプ&長与千種 髪切りデスマッチ」において、ダンプ松本の影武者を務め、リングデビュー。
クラッシュ・ギャルズ
長与千種(唐田えりか)
国民的なアイドルレスラーで、ダンプ松本とはライバル的な関係。空手の経験があり、その実力は折り紙付き。リング上では闘志をむき出しにして、デビュー直後から輝きを放っていた。ダンプとは同期であり、落ちこぼれコンビとして親交を深めていた。
北村智子/ライオネス飛鳥(剛力彩芽)
ジャッキー2世とも呼ばれ、ダイナミックな技を得意とするレスラー。歌手デビューやテレビ出演など、アイドル的な活動をすることに懐疑的であり、リングの上での純粋なプロレスへの想いが強い。
デビル軍団(ブラック・デビル)
デビル雅美(根矢涼香)
全日本女子プロレス所属の実力派ヒールレスラー。デビル軍団の長として、女子プロレスをけん引し、第一次全盛期から一度も引退することなく続けてきた唯一のレスラー。
ダイナマイト・ギャルズ
大森ゆかり(隅田杏花)
ダンプ松本やクラッシュ・ギャルズと同期の昭和55年組の一人。ダンプ松本引退特別試合にて、ダンプのパートナーを組み、クラッシュ・ギャルズとの同期対決を果たした。
堀あゆみ/ジャンボ堀(安竜うらら)
デビル雅美の同期で、ダンプの2年先輩。大きな体を活かしたダイナミックなプロレスを得意とする美人レスラー。
ビューティ・ペア
佐藤尚子/ジャッキー佐藤(鴨志田媛夢)
女子プロレス第一期黄金期を築いた全日女子プロレスのレジェンドレスラー。ダンプ松本がプロレスを目指すきっかけになった女性。ダンプらの入門から1年後の1981年に引退し、後輩たちに惜しまれながらも見送られる。
マキ上田(芋生悠)
元祖アイドルレスラー。ダンプらの入団前である1979年に引退。
その他のプロレスラー
横田利美/ジャガー横田(水野絵梨奈)
初代全日本シングル王者、第29代・31代WWWA世界シングル王者などの獲得経験のある全日本女子プロレス実力ナンバーワンレスラー。後輩たちの活躍とジャッキーの引退などから会社への疑心を抱き始める。
ラブリー米山(鎌滝恵利)
ダンプらの先輩であり、セクシーレスラーとして活躍する、ドラマオリジナルキャラ。厳しいしごきで後輩たちに恐れられる。
全日女子プロレス経営陣
松永高司(村上淳)
日本女子プロレスを立ち上げた松永四兄弟の三男で、社長を務める。地方興行では社長自らが屋台で焼きそばを焼いて販売していた。
松永国松(黒田大輔)
日本女子プロレスを立ち上げた松永四兄弟の四男で、「ジミー加山」という名でレフェリーも務める。
松永俊国(斎藤工)
日本女子プロレスを立ち上げた松永四兄弟の五男。今後を見据えた所属レスラーたちのプロデュース性の違いなどで、兄弟と度々衝突することも。
阿部四郎(音尾琢真)
プロモーターとして全日女子プロレスの営業を担当。ダンプが落ちこぼれ時代に、一緒に宣伝カーで営業にまわっていた。ダンプ松本覚醒後には、悪徳レフェリーとしてリングに上がる。
Netflixシリーズ『極悪女王』のみどころ
俳優たちの体当たり演技
『極悪女王』のプロレスシーンは、リアルな打撃感と熱量、さらに流血シーンのリアルさなど、まるで本物のプロレスを観ているかのような高揚感があります。
今回の撮影に当たって、現在女子プロレス団体「Marvelous」を率いる長与千種本人が、俳優たちを徹底的に指導したとのこと。ゆりやんや唐田えりか、剛力彩芽、根屋涼香など、俳優陣が本気で作品に向き合えたからこそ、ハイクオリティなシーンに仕上がっています。
プロレスシーンの構成など細部まで長与本人がアドバイザーとして入っており、当時の熱狂をそのまま再現されているかのごとくなので、ぜひ注目してみてください。
興行としてのプロレスとレスラーのプライドとの乖離
『極悪女王』で描かれるのは、カリスマ的人気のヒールレスラー・ダンプ松本がどのように生まれたのか、という知られざる物語です。ダンプ松本こと松本香には、家族環境・仲間との関係性・夢と現実の軋轢など、さまざまな葛藤があり、あるきっかけをもとに全国民の敵と呼ばれた“史上最も有名なヒール・ダンプ松本”へと変貌を遂げていきました。
ライバル関係でもある長与千種とは練習生時代に親友と呼ぶべき仲だったのに、なぜあそこまで対立してしまったのか……。
「ベビー」と「ヒール」という対立は、プロレス興行をするうえで重要な役割分担です。もともとは心優しい少女であった松本香が最凶のヒールとして活動し、私生活までヒールになりきろうとした背景には、彼女の苦悩はもちろん、プロレスラーとしての矜持があったように思えます。
ダンプ松本本人も絶賛したゆりやんが演じたダンプ松本の生きざまを、ぜひ見届けてください。
女子プロレスの表と裏
女子プロレス黄金期を作り上げたビューティ・ペア。しかし人気が陰ってくると全日女子プロレスは、ビューティに続くアイドルレスラーを作り出そうと必死。そこで白羽の矢が立ったのが、クラッシュ・ギャルズだったのです。 プロレスはエンタメとしてリング内外で見せ場をつくる演出的要素と、肉体と肉体がぶつかり合うリアルさのせめぎ合いが魅力の一つ。一方で負けたり恨まれたりする立場から、くやしさを抱えたままリングに上がるヒールレスラーの姿も描かれます。家族や会社との因縁、自分の役割など、悩みはレスラー、人それぞれ。しかし裏があるからこそ表が輝くのかもしれません。
まとめ
カリスマ的な魅力を持っていたヒールレスラー・ダンプ松本。そのデビューから引退までを描いた『極悪女王』は、ただの自伝ドラマではありません。そこには熱狂に包まれていた当時の業界の裏側を赤裸々にも描いています。その闇に絡まれてしまった彼女たちは、何を思っていたのか……。ぜひ本編を観て確かめてみてください!
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