街中のイルミネーションやツリーがワクワク感を盛り上げるクリスマスシーズン。クリスマスをテーマにした映画もまた、さまざまな描き方でクリスマスの楽しみ方を広げてくれます。本記事ではクリスマス映画の名作を10作品ご紹介。甘いラブロマンスからファンタジックな世界観まで、幅広く楽しめる作品が揃っています。
目次
『ホリデイ』
『ホリデイ』あらすじ
ロンドンの新聞社に務めるアイリスは、クリスマスパーティーの席で、ズルズルと関係を続けていた元カレが自分以外の女性と婚約したことを知って大きなショックを受ける。一方、ハリウッド映画の予告編を制作する会社で働くアマンダも恋人が浮気したことで別れを選び、淋しさを募らせていた。傷心旅行の最中、アイリスは、インターネットでお互いの家や車を交換する「ホーム・エクスチェンジ」のサービスでアマンダと繋がり、2人はそれぞれの自宅へ旅立って2週間の休暇を過ごすことに。アイリスは元脚本家のアーサーや映画音楽の作曲をしているマイルズと、アマンダはアイリスの兄・グレアムと出会い、新たな交流を広げる。
『ホリデイ』見どころ
アイリス役のケイト・ウィンスレットとアマンダ役のキャメロン・ディアスは劇中で顔を合わせることがなく、それぞれ国を越えた新天地で新たな物語が展開されます。アイリスの相手役にはジャック・ブラック、アマンダの相手役にはジュード・ロウという豪華キャストが揃い、恋愛映画を2本同時に見ているかのような気分が味わえます。1人で休暇を過ごすはずだった2人が新たな出会いを経て、クリスマス・イブに向かって恋を実らせていく過程は最高にロマンチック。登場人物たちの会話やかけひきが繊細に描かれ、大人が楽しめる恋愛物語に仕上げられています。
『天使のくれた時間』
『天使のくれた時間』あらすじ
恋人のケイトを振り切ってウォール街で大成したジャックは金融業界の大物となり、優雅な独身生活を送っていた。クリスマスイブの夜、立ち寄ったスーパーマーケットで理不尽な態度の店員と黒人青年・キャッシュの争いに遭遇したジャックは場を仲裁し、事なきを得る。キャッシュはジャックに不可解な言葉を残してその場を去ります。翌朝ジャックが目覚めると、なぜか元恋人のケイト、そして2人の子どもと質素な家で暮らす家庭人となっていた。状況が飲み込めないジャックは街をさまよい、自分がケイトと結婚していたらという“もしも”の世界に送られたことを知る。新しい世界でジャックは戸惑いながらも普通の幸せを謳歌するようになる。
『天使のくれた時間』見どころ
『天使のくれた時間』では社長から平凡なサラリーマンとなって困惑するジャックをニコラス・ケイジが演じ、「本当の幸せとはなにか?」というテーマを語りかけてきます。ティア・レオーニ演じるケイトも2つの世界で異なる魅力を放つヒロインとして存在感を発揮。キャッシュ役を『アイアンマン2』のジェームズ・ローズ中佐役のドン・チードルが演じています。クリスマス・イブの夜、ジャックをケイトと結婚した世界へと送ることで「家族と暮らす幸せ」を教えたキャッシュは、彼にとってのサンタクロースであったという見方もできるでしょう。
『ポーラー・エクスプレス』
『ポーラー・エクスプレス』あらすじ
クリスマスイブの夜、サンタクロースのことが大好きなのに、成長するにつれ、その存在を信じられなくなった少年は、複雑な思いを抱えながらベッドで眠りにつく。すると窓の外に巨大な謎の機関車「ポーラー・エクスプレス」が現れ、車掌は少年に乗車の意思を尋ねる。少年は気持ちの整理がつかないまま乗り込み、クリスマスの聖地である北極点を目指す。ポーラー・エクスプレスは、大陸や海上など、さまざまな場所を走り抜け、少年や同乗の子どもたちは、スリリングな体験と共に信じることの大切さを学んでいく。
『ポーラー・エクスプレス』見どころ
『ポーラー・エクスプレス』の原作は1985年に出版された絵本で、俳優のトム・ハンクスが子どもたちに読み聞かせをしていたことから映像化の企画が発足。フルCGのアニメーション映画として製作されました。サンタ・クロースを信じたい気持ちと否定する自分。クリスマスの聖地・北極点に向かう中で少年の心がどのように成長するかが本作の見どころとなっています。エルフたちがクリスマスの準備に追われる北極の光景も幻想的。トム・ハンクスはこの映画で車掌の他、1人4役を担当しており、作品に対する愛情の深さが伺えます。 AEROSMITHのボーカリストであるスティーブン・タイラーもアニメキャラとして出演しています。
『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』
『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』あらすじ
イーサン、アイザック、クリスの3人は、幼い頃から行動を共にしてきた親友同士。10数年前に事故で両親を亡くしたイーサンを励ますため、3人は毎年、クリスマスイブに盛大な乱痴気騒ぎを行っていた。やがてクリスはアメリカンフットボールのスター選手に。アイザックも結婚し、子供の誕生を控えるなど、それぞれが新たな人生に向けて歩み始めていたことから、恒例のクリスマスパーティーは終演を迎えることに。3人は最後にとびきりの馬鹿騒ぎをすることを決め、イーサンはバイト先で大規模なクリスマスパーティーの参加券を奪取。リムジンに乗り込んだ一行はニューヨークを目指す。
『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』見どころ
『ダークナイト ライジング』などの話題作に出演するジョセフ・ゴードン=レヴィット。コメディ俳優、声優として活躍するセス・ローゲン。『アベンジャーズ/エンドゲーム』でサム・ウィルソン/ファルコンを演じたアンソニー・マッキーが主演を務める本作。クリスマスのロマンチックな街並みとハチャメチャぶりのコントラストが痛快で、トラブルに巻き込まれながら右往左往する3人の姿が笑いを誘います。デパートの中、3人が即興でカニエ・ウェストの曲を披露する場面など、乱痴気騒ぎだけでないスタイリッシュな演出も挟んでいるのがポイントです。また、どんな境遇でも友情を忘れない3人の固い絆に胸が熱くなる場面も。
『素晴らしきかな、人生』
『素晴らしきかな、人生』あらすじ
ニューヨークで広告代理店を経営し、敏腕社長として注目を集めているハワードは、最愛の娘を亡くしたことで無気力となり、会社の経営もままならない状態に。会社の共同経営者であるホイットや同僚はハワードの身を案じ、再起のきっかけを模索する。ホイットは地下劇場の役者であるエイミー、ブリジット、ラフィを雇い、彼らにハワードと接触して演技をするよう指示を送る。クリスマスのニューヨーク、3人はハワードが常日ごろ口にしていた「愛」「死」「時間」についての演技を繰り広げ、深い底に沈んでいた心は徐々に前を向き始める。
『素晴らしきかな、人生』見どころ
主役のハワードをウィル・スミスが演じ、娘を失った悲しみから立ち上がる様子がドラマチックに描かれています。ハワードに接触する3人の役者を『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのキーラ・ナイトレイ、歌手・ダンサーのジェイコブ・ラティモア、ベテラン俳優のヘレン・ミレンが演じ、彼らの行動がハワードの心を動かす様子はクリスマスのニューヨークに起こる奇跡として本作のハイライトとなっています。ハワードの同僚にも、ホイット役にエドワード・ノートン、クレア役にケイト・ウィンスレットなど豪華メンバーが揃います。出演者たちのファッショナブルな衣装も注目ポイントです。
『ホーム・アローン』
『ホーム・アローン』あらすじ
クリスマス休暇に家族・親戚15人でパリ旅行を計画していたマカリスター家は、出発の日の朝に目覚まし時計が故障してしまい大寝坊。慌てて準備し、飛行機に搭乗するが、離陸後に末っ子のケビンを家においてきたことに気づく。母親のケイトが単独行動で自宅に引き返そうと試みる中、シカゴのマカリスター家では泥棒コンビのハリーとマーブが家族の留守を狙って忍び寄っていた。一度は2人を追い払ったケビンだったが、1人で留守を守っていることがバレてしまい、報復を仕掛けられてしまう。ケビンは家じゅうにさまざまなトラップを仕掛け、応戦に打って出る。
『ホーム・アローン』見どころ
マコーレー・カルキンの演技が愛らしい『ホーム・アローン』は1990年に日本でも大ヒット。1992年以降、続編も製作されています。ジョー・ペシとダニエル・スターン演じる泥棒コンビとケビンのユーモラスな応酬はテンポが良く、CGなどを一切使用していないことから迫力満点。笑いとともに一気に見進めることができます。聖夜というには騒がしすぎるドタバタ劇が展開されますが、ケビンが1人で街に出てクリスマスパーティーをしている家族を見つめ、寂しそうにする場面には、思わずほろっとさせられます。舞台となったマカリスター家はイリノイ州のウィネトカに実在しており、現在では観光名所となっています。
『ダイ・ハード』
『ダイ・ハード』あらすじ
クリスマス・イブ、ニューヨーク市警の刑事であるジョン・マクレーンは、離れて暮らす妻・ホリーと会うためロサンゼルスを訪れていた。ホリーが務める日本企業のパーティーで再会した2人は口論になり、険悪な雰囲気に。その時、パーティー会場のあるビルに武装集団が来襲し、建物を占拠。6億4千万ドルの無記名債権を狙った犯行で、要求に抵抗した者を射殺するなど、現場は凄惨を極めていた。会場から離れていたことで難を逃れたジョンは外部に危機を伝えるが、SWATによる救出作戦も失敗。連絡手段が遮断されてしまい、ジョンはたった1人で武装集団に戦いを挑むことになる。
『ダイ・ハード』見どころ
ブルース・ウィリスを世界的な映画スターへと押し上げた『ダイ・ハード』。ウィリス演じるジョンは、これまでのアクション映画のように意気揚々と敵を粉砕するのではなく、終始複雑な表情を浮かべ、悪態をつきながらいやいや敵と戦う「巻き込まれ型主人公」のスタイルを確立。ウィリスは本作について「クリスマス映画じゃない!」とコメントしていますが、2018年には公開30周年を記念して、セルフパロディともいえるクリスマスムード満載な予告編動画が公開されたり、劇中でもクリスマスソングがふんだんに使用されるなど、本人の思いとは裏腹にクリスマス映画として人気が高いところもポイントです。
『グレムリン』
『グレムリン』あらすじ
1発明家のランダル・ペルツァーはチャイナタウンの骨董屋で、モグワイと呼ばれる不思議な動物と遭遇。息子・ビリーへのクリスマスプレゼントとして自宅に連れて帰る。ビリーはモグワイにギズモという名前を付けて可愛がるが、購入時に店主と交わした「水をかけない」、「光を当てない」、「12時を過ぎてから食べ物を与えない」という育てる上での3つの注意がことごとく破られてしまい、ギズモから分裂した凶暴な小鬼・グレムリンが街を次々と襲撃し始めた。ビリーと恋人のケイト、ギズモは、街の存亡をかけてグレムリンの大群と死闘を演じることになる。
『グレムリン』見どころ
ギズモの造形や仕草が愛らしく、見ているだけで心が癒やされますが、分裂したグレムリンの凶暴さが際立ち、モンスター映画、パニック映画としての醍醐味も抜群。本来、楽しいムードに包まれるはずのクリスマスの街がグレムリンのおかげで戦場となり、美しい雪景色ですら、どこからか襲われるかもしれないという恐怖を感じさせます。ビリーの恋人・ケイトを演じていたのは、1980年代の青春映画ではおなじみの俳優フィービー・ケイツ。グレムリン軍団に立ち向かうヒロインをキュートかつ果敢に演じています。1990年には続編『グレムリン2 新・種・誕・生』も製作されました。
『ラブ・アクチュアリー』
『ラブ・アクチュアリー』あらすじ
友人の結婚式の現場で弟にガールフレンドを奪われたジェイミー、最愛の妻を亡くし、消えない悲しみを友人であるカレンに相談するダニエル。映画撮影のベッドシーンでスタンドインを務めたことから親しくなったジョンとジュディ。イギリス首相に就任し、首相公邸で働くナタリーに恋心を抱くデヴィッド……などなど、クリスマスを目前に控えたロンドンで、さまざまな境遇の男女19人が織りなす恋模様をコメディタッチで描く。
『ラブ・アクチュアリー』見どころ
キャストにはヒュー・グラントやリーアム・ニーソン、エマ・トンプソン、キーラ・ナイトレイなど、イギリスを代表する俳優が勢揃い。シチュエーションが異なる9つの恋模様は、ハイライトであるクリスマス・イブが近づくにつれ、すべて繋がっていることが明らかになっていきます。親友の妻・ジュリエットに心を奪われたマークが雪景色の中、無言で「クリスマスだから本心を打ち明けるよ」と、画用紙に書いたメッセージをめくって愛を告げるシーンは、劇中でも1、2を争う名場面。『Mr.ビーン』でおなじみのローワン・アトキンソンも、わずかな出演シーンですが重要な役柄を演じており、すみずみまで目が離せません。
『34丁目の奇跡』
『34丁目の奇跡』あらすじ
老舗デパート「コールズ」で働くドリーは、クリスマスイベントに出演するサンタ役を探していたところ、偶然居合わせた老人・クリスに声をかける。自分をサンタクロースだと言い張るクリスに不安を覚えるドリーだったが、彼の活躍でイベントは大成功をおさめる。一方、コールズの成功を妬むライバル店の社長が、クリスやサンタを信じる子どもたちを中傷する行動を起こしたことで事態は裁判沙汰に発展。ドリーのボーイフレンドである弁護士のブライアンは、クリスとサンタクロースの名誉を守るため、法廷での争いに奮起する。
『34丁目の奇跡』見どころ
本作は1947年の映画『三十四丁目の奇蹟』のリメイク作品。リチャード・アッテンボローが演じるクリスは、ビジュアルやふるまいがまさにサンタクロースそのもので、思わず目を奪われます。エリザベス・パーキンス演じるドリーの娘で、サンタクロースの存在や夢見ることを否定していたスーザン(マーラ・ウィルソン)もクリスの人柄に惹かれて次第に心を開いていき、登場人物たちの交流にも胸が温かくなります。サンタクロースの存在について議論するユニークな裁判シーンも必見。劇中ではエルヴィス・プレスリーやレイ・チャールズたちが歌うクリスマスソングのヒット曲がふんだんに使用されています。
まとめ
クリスマス映画の名作10本をご紹介しました。ロマンチックに描かれるクリスマス模様は聖夜のワクワク感を演出してくれるはずです。Netflixではオリジナル作品として『クリスマス・クロニクル』『ダヴィドとクリスマスエルフ』『クリスマス・ナイト〜恋に落ちた騎士』『ビル・マーレイ・クリスマス』など、さまざまな切り口でクリスマスを描いた作品を配信しています。こちらもぜひ、ご覧ください。
『ビル・マーレイ・クリスマス』についてはこちらの記事でも紹介しています。
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