リリー・フランキーの魅力とおすすめの出演作5選

リリー・フランキー特集 メインビジュアル

飾らない演技と抜群の存在感を持つ名バイプレーヤー、リリー・フランキー。脇役だけではなく主演としての経歴も多く、映画・ドラマ・アニメと出演の場を問わず活躍しています。
リリー・フランキーの来歴と魅力、Netflixでも観られる作品を含めたおすすめの出演作を紹介します。

リリー・フランキーの来歴

リリー・フランキーの俳優デビューは38歳。元々はイラストレーターで、ライター、エッセイスト、小説家、絵本作家、アートディレクター、ミュージシャン、構成作家……などなど、数多くの肩書きを持ち、マルチに活躍しています。
俳優としては、2001年の『猛獣vs一寸法師』がデビュー作品。自身は専業俳優であるというつもりは無いそうですが、2008年『ぐるりのこと』でブルーリボン賞新人賞、2013年『凶悪』では優秀助演男優賞を受賞するなど、その演技は高く評価されています。
2005年には自身と母親の半生を綴った長編小説『東京タワー ~オカンと僕と、時々、オトン~』で、作家としても大ブレイクしました。おでんの妖精たちを描いたユニークな絵本『おでんくん』もリリー・フランキーの著作です。

リリー・フランキーの魅力とは?

俳優リリー・フランキーの魅力は、自然体で飾らない演技ながら脳裏に離れない強烈な存在感。主役から脇役、優しい父親から極悪不動産ブローカーなど役に振れ幅があっても、違和感なく受け入れられるのは自然体な演技があってこそ。「本当にそういう人なのかも?」と思わせてしまう、同じ笑顔でも、役によって読み取れる感情が変わり、キャラクターの人生が見えてくる繊細な演技は、数々の賞を受賞したのも納得です。

リリー・フランキー出演のおすすめ作品5選

Netflixでも見られる作品も含めた、おすすめのリリー・フランキー出演作を5本紹介します。

『ぐるりのこと。』

しっかりものの妻・翔子(木村多江)と、ひょうひょうと生きる夫のカナオ。2人にとって初めての子供を授かり、ささやかながら幸せな生活を送っていた。出産を控えた2人に不幸が降りかかり、翔子は少しずつ精神を病んでしまう……。

『ぐるりのこと。』は移り変わる90年代を舞台に、夫婦を取り巻く10年間を描いた映画。リリー・フランキー初主演作であり、リリー・フランキーは本作でブルーリボン賞にて新人賞を受賞しました。
のらりくらりとしつつも、どこか包容力を感じる演技は、初主演作とは思えないほど。しっかりものの翔子と対比が効いた序盤から、翔子に優しく寄り添う姿、仕事を通して凶悪犯罪に向き合う姿。全てが自然で、映画を通してカナオという人間が、身近にいる人物のように感じられるでしょう。2人の間に流れる10年という短くない歳月が、肌で感じられる名作です。

『凶悪』

とある編集部に収監中の死刑囚・須藤(ピエール瀧)から一通の手紙が届く。そこには須藤自身が起こした事件に加え、数々の事件に関わる首謀者がいると記されていた。雑誌記者の藤井(山田孝之)は、上司から押し付けられる形で半信半疑のまま須藤との面会に赴く。上司に取材は中止するよう言われる藤井だが、須藤の真に迫る説得を受け独自に調査を始める。

『凶悪』は、ノンフィクション小説『凶悪 -ある死刑囚の告発-』を原作とした長編映画。第37回日本アカデミー賞において、優秀作品賞を含めた4部門を受賞し、リリー・フランキーも同賞で助演男優賞を受賞しました。
リリー・フランキーは数々の殺人事件の首謀者とされる”先生”こと木村として出演。木村は一見冴えない中年男性に見えますが、土地を手に入れるためには人の命を奪うことも厭わない”凶悪”そのものの極悪人。殺人に慣れてきた木村が、笑顔で被害者を痛めつける姿に背筋が凍り、凄惨な現場に似つかわしくない無邪気な笑顔には、俳優リリー・フランキーの確かな力量を感じるでしょう。

『万引き家族』

東京の下町に住む5人家族。一見仲睦まじい普通の家族に見えるものの、彼らは親子で万引きなどの犯罪を繰り返し生計を立てていた。いつものようにスーパーで万引きをした治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)。帰り道にベランダで震える1人の女の子・ゆり(佐々木みゆ)を見つけ、治は家に連れて帰ってしまう。ある日、祖母の初枝(樹木希林)が突然亡くなり、初枝の年金が途絶えることを恐れた一家は、敷地に初枝の死体を埋め、年金を受給し続けることに。徐々にほころびを見せる家族の行く末は……。

『万引き家族』は年金の不正受給や窃盗など、犯罪行為を通してつながる家族を描いた作品。国内外で高く評価され、第71回カンヌ国際映画祭では最高賞のパルムドールを受賞しました。
リリー・フランキーは犯罪に手を染めながら、かりそめの家族に安らぎを見い出す父親を熱演。犯罪を繰り返す人間ではありますが、ごく自然な振る舞いを見ていくうちに、どこか親しみを感じてしまうから不思議です。『ぐるりのこと』とは全く違う夫婦関係を、安藤サクラとともに見事に演じているため、2つの作品を見比べてみても面白いかもしれません。

『舞妓さんちのまかないさん』

舞妓さんちのまかないさん キヨとすみれ

中学校を卒業したキヨ(森七菜)は、祇園の舞妓さんになるため、親友のすみれ(出口夏希)とともに故郷青森から京都にやってきた。屋形「朔」で舞や稽古に励むキヨだが、どれも上手くこなせない。舞妓に向いてないと判断され、故郷に帰るはずが、屋形の食事係”まかないさん”としての才能を見出されたキヨ。共に屋形に入ったすみれは、キヨとは反対に京舞の才能を発揮していく……。

『舞妓さんちのまかないさん』は、『万引き家族』の是枝裕和監督が手掛ける初のNetflixシリーズ作品。リリー・フランキーは主人公のキヨが務める屋形のバーテンダーとして出演しています。細かい所作からバーテンダーとしての経験を感じさせる演技は流石の一言。リリー・フランキー演じるバーテンダーの蓮も、キヨやすみれを優しく見守る屋形を取り巻く大人の1人として作品を彩ります。

【Netflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』独占配信中】

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『ちひろさん』

ちひろさん メインビジュアル

舞台はとある海辺の街の小さなお弁当屋さん。そこで働く”ちひろ”という源氏名を名乗る女性(有村架純)は、偏見を持たれかねない過去を持ちながら、それを隠しもせずひょうひょうと生きていた。表裏の無い性格で誰にでも等しく接するちひろの元には、さまざまな生きづらさを抱えた登場人物が集まるようになる。

2013年〜2018年に連載されていた同名漫画が原作の『ちひろさん』。2023年に劇場公開と同時にNetflixで独占配信されたことも話題となりました。リリー・フランキーは、ちひろの過去を知る”店長”内海として出演。出演時間は短いものの、ちひろの人物像に深みを持たせる役として、抜群の存在感を示します。

【Netflix映画『ちひろさん』独占配信中】

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まとめ

俳優以外にもマルチに活躍するリリー・フランキー。兼業ながら数多くの賞を受賞するなど、唯一無二の演技は国内外で高く評価されています。今回紹介した作品はNetflixで視聴できる作品がほとんど。チェックしたい作品がある方はぜひNetflixでご視聴ください!


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