Netflix『ペイン・ハスラーズ』オピオイド危機に経済格差を絡めたアメリカの“現在地”

Netflix『ペイン・ハスラーズ』オピオイド危機に経済格差を絡めたアメリカの“現在地”

10月27日にNetflixで独占配信となった米映画『ペイン・ハスラーズ』。本作は実際に起きた製薬会社の不法事件を基に、職を失ったシングルマザーが不正な金儲けの陰謀に巻き込まれていく姿を描いたクライムドラマです。この記事では『ペイン・ハスラーズ』あらすじと登場人物、見どころを紹介します。

※本記事は『ペイン・ハスラーズ』の一部ネタバレを含みます。

『ペイン・ハスラーズ』あらすじ

『ペイン・ハスラーズ』あらすじ

シングルマザーのライザ(エミリー・ブラント)は、妹夫婦に嫌味を言われながら娘のフィービー(クロエ・コールマン)と実家に身を寄せている。ある日、ストリッパーの仕事を失ったライザは実家を出て娘と二人暮らしを始めることに。

しかし、生活は困窮。ライザは藁にもすがる思いで、知り合ったばかりのザナ製薬の重役ピート(クリス・エヴァンス)に連絡を取る。ピートのおかげで、ザナ製薬に就職が決まったライザ。その後、ライザはザナ製薬が推す末期ガンの鎮痛剤ロナフェンを人気の病院に売り込み、見事に同社を経営難から救うのだった。

だが、ライザはお金に目が眩んだ重役たちの危険で不正な金儲けの陰謀に巻き込まれ、倫理的に疑わしい道へと足を踏み入れていく。

『ペイン・ハスラーズ』登場人物

ライザ・ドレイク(エミリー・ブラント)

ライザ・ドレイク(エミリー・ブラント)

『メリー・ポピンズ リターンズ』で主演を務め、ゴールデングローブ賞などの名誉ある映画賞で主演女優賞に輝いたエミリー・ブラント。
そんな彼女が『ペイン・ハスラーズ』で演じるのは、娘を愛するシングルマザーのライザ。高校中退という学歴ながら、人を見抜く力と火事場の馬鹿力で経営難の製薬会社を救う役どころです。不正な金儲けの陰謀に巻き込まれ、目先の利益と倫理観との間で揺れ動く演技が見どころとなっています。

ピート・ブレナー(クリス・エヴァンス)

ピート・ブレナー(クリス・エヴァンス)

ザナ製薬の重役の一人で、ライザをザナ製薬に引き入れます。
そんなピートを演じるのは、マーベル映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』から8年に渡り、キャプテン・アメリカを演じたクリス・エヴァンス。Netflix映画『グレイマン』にも出演しています。
本作ではスタートアップ企業の社員らしく野心に溢れているも、軽率で欲に溺れやすいピートのキャラクターを見事に表現しています。

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ジャック・ニール(アンディ・ガルシア)

ジャック・ニール(アンディ・ガルシア)

1989年に公開された日本が舞台の映画『ブラック・レイン』で高倉健や松田優作らと共演したことで、日本でも知名度のあるハリウッド俳優アンディ・ガルシア。
そんな彼が本作で演じるのは、ザナ製薬の創始者・ジャック。妻がガンで苦しみながら亡くなったことから、強力な鎮痛薬であるロナフェンを開発した心優しき博士でもあります。身元が不確かなライザにも紳士的ですが……。ジャックが成功した後に見せるアンディの演技は必見。

ジャッキー・ドレイク(キャサリン・オハラ)

ジャッキー・ドレイク(キャサリン・オハラ)

ライザの母。いつか成功することを夢見るライザを他の誰かがバカにしても、ジャッキーだけは彼女を信じています。
そんなジャッキーを演じるキャサリン・オハラは『ホーム・アローン』シリーズで有名。同作では厳しくも愛情深い主人公の母親を演じていました。ジャッキーはのちにザナ製薬の社員となり、問題ある行動も取りますが、ライザを助けることをいつも考えています。

フィービー・ドレイク(クロエ・コールマン)

フィービー・ドレイク(クロエ・コールマン)

▲ライザ(左)とフィービー(右)

ライザの一人娘フィービーを演じるのはクロエ・コールマン。『マリー・ミー』や『ガンパウダー・ミルクシェイク』など、近年公開の映画に多数出演する期待の若手女優です。本作では放火未遂で高校を停学となるなど、若さゆえの未熟さもありつつ、懸命に母親を支える素直なティーンを演じています。

本当にあった重大事件のリアルな裏側を追求

本当にあった重大事件のリアルな裏側を追求

2020年1月、医者に賄賂を渡し、オピオイド系鎮痛剤を過剰に処方させたアリゾナ州に本社を置く製薬会社インシスの創業者と元経営陣4人が有罪判決を受けました。もともとアメリカでは、1990年代後半から強力な鎮痛効果がある一方、高い依存性が認められるオピオイド系鎮痛剤で50万人以上が亡くなる「オピオイド危機」が問題となっていました。

その危険な鎮痛薬を本来は必要のない患者にまで処方させていたというインシス。オピオイド危機で製薬会社の経営者が禁錮刑の判決を受けるのは、同社が初です。

『ペイン・ハスラーズ』は、実際の事件を基にしたクライムドラマ

『ペイン・ハスラーズ』は、そんな実際の事件を基にしたクライムドラマ。インシスをモデルとしたザナ製薬を経営難から救った主人公・ライザの視点から、なぜ経営陣が不正に手を染めたのかが描かれています。
最初はあくまでも、「痛みに苦しむ末期がん患者のため」という理由で彼らが新薬のロナフェンを売り込もうとしているのが実にリアル。間接的に多くの人を死に至らしめた極悪非道な人たちではなく、それぞれに事情を抱えた理解可能な人物として描いているところに真価があります。

目先の利益かそれとも正義か、あなたはどっち?

目先の利益かそれとも正義か、あなたはどっち?

中でも、特に共感せざるを得ないキャラクターが主人公のライザ。本作はアメリカの経済格差も色濃く映し出しており、ライザはいわば社会的弱者の立場にあります。高校を中退しているゆえにホワイトカラーの職につけず、女手一つで育てる娘とともに困窮した生活を送る姿に思わず同情してしまう人も多いのではないでしょうか。

そんなライザはザナ製薬に就職し、潜在的な営業スキルで同社を経営難に救ったことで成功者となります。その功績として会社から豪邸を与えられ、多額の給料が入ったことで親孝行ができたり、娘を良い学校に入れることができたり……。まさにシンデレラストーリー。

特に共感せざるを得ないキャラクターが主人公のライザ

しかし、お金に目が眩んだ経営陣は「痛みは痛みだ」と言って、末期がん以外の患者にもロナフェンを処方させるべく医師に賄賂を渡し始めます。最初こそ抵抗していたライザだが、彼女にもさらにお金が必要な“ある事情”が出来てしまうのです。

しかしライザが売り込んだロナフェンによって、不遇の時期に親切にしてくれた人が被害に遭ってしまい……。強者に弱者が苦しめられる世の縮図がそこにあります。
一方で、自分がライザの立場だったら正義を貫けるか?考えさせられます。ライザだけではなく、他の経営陣に関しても簡単には断罪できない気持ちになるはず。そういった意味で己自身の価値観と否が応でも向き合わされる作品となっています。

まとめ

まとめ

実際の事件を基に、シングルマザーの主人公が目先の利益と正義との間で揺れ動く様をリアルに描いたNetflix『ペイン・ハスラーズ』。アメリカ社会の現状が浮かび上がってくるとともに、日本人である私たちも自分自身に置き換えて考えさせられる内容となっています。かなりシリアスで重厚な作品となっているので、時間が取れる休日に観たい作品です。

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