サブスクリプションによる有料の動画配信(VOD=ビデオ・オン・デマンド)サービスが隆盛を極める現在。サービスを十二分に活用し、大画面で楽しむのにセットトップボックス(STB)と呼ばれる映像機器がおすすめです。本記事ではSTBの基礎知識から、番組視聴だけにとどまらない充実した機能を紹介します。
STB(セットトップボックス)とは?
セットトップボックス(STB)と呼ばれる機器があると、ケーブルテレビや衛星放送、Netflixをはじめとした動画配信サービスをテレビでも視聴可能です。STBは放送局や動画配信の事業者が発信する信号を、家庭用テレビで表示できる信号に変換する役割を担っています。日本では2011年にテレビ放送の電波がアナログから地上デジタルに切り替わった際、地上デジタル放送を視聴するために購入されるケースが多く見受けられました。
近年ではFire TV Stickのように小型化されたものもありますが、もともとブラウン管テレビの上に設置されていた箱型の機器であったことから、この名称で呼ばれています。
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テレビの楽しみ方を広げてきたSTB
チューナーが規格の違う放送信号を受信することに特化しているのに対し、STBは番組表の表示やインターネット回線を介した検索機能など複合的なサービス機能を搭載しています。
STBは現在第3世代になっており、それぞれの世代で機能や性能の拡張が図られてきました。
レガシーSTBと呼ばれる第1世代は、ケーブルテレビやBSデジタル放送の受信と再生を主な目的として誕生しました。
次第にIP技術などを取り込み、ネットコンテンツやアプリケーションなどを操作できる第2世代へと進化します。VODによる動画配信やターゲット広告の表示、スマートフォンなどのモバイル機器との連動は第2世代の中で大きく広がりました。
現在の第3世代では、この機能をさらに押し広げ、4Kなど高画質データの受信にも対応しています。
番組視聴にとどまらない機能の充実
STBは、第2世代でインターネット回線を活用してVODによる動画配信やスマートフォンなどのモバイル機器との連動といった機能などを備えるようになりました。画質の大幅な向上や、HDMI端子に差し込み簡単な設定作業をするだけで視聴できるといった手軽さも普及拡大の要因になりました。近年ではスマートフォンやタブレットで使われているAndroid OSを採用するメーカーが増えており、Amazon AlexaやGoogleアシスタントにも対応するなど操作性がさらに向上しています。
ストリーミングデバイスとしての進化
Netflixやhuluといった動画配信サービスを視聴するために登場したApple TV、Chromecast、Fire TV Stickなどの機器はストリーミングデバイスと呼ばれ、HDMI端子に接続して簡単な設定を行えばすぐに使うことができます。形状は手のひらに収まるほど小さく、リモコンのボタン数も従来の据え置きタイプのSTBに付属するものと比較すると大幅に簡略化されています。 地デジ放送や衛星放送には対応していませんが、ゲームやブラウザでのネットサーフィン、音声検索、スマートフォンで動画を共有といった機能を備えていることからSTBの一種に分類されています。 商品ラインナップは3,000円代から揃っており比較的安価で導入できるのが魅力です。
ハイブリッドキャストの拡大
テレビ放送と同時にインターネットによる情報通信を行うハイブリッドキャスト。日本では2013年9月からNHKでサービスが開始され、次いで民放各社が導入。内容的に地デジのデータ放送との類似性が感じられますが、ハイブリッドキャストは番組に関連した情報をより広く、スピーディーに獲得し、表示することができます。利用者の生活に合わせた情報を取捨選択して表示できるなど、パーソナライズ機能があるのもデータ放送との大きな違いです。STBでは第3世代から導入され、テレビでも対応商品が数多く発売されています。
マイナンバーカードなどによる公的個人認証サービス
マイナンバーカードなどを活用した公的個人認証サービス導入への取り組みも進められています。ケーブルテレビの加入者を対象に、国民生活の上で必要となる手続きに対応したプラットフォームの構築を目指しています。パソコンに接続するICカードリーダーやスマートフォンを利用したマイナンバーの読み取りはすでに行われており、今後はSTBにもその機能が搭載されていくと予想されます。導入されることにより利用者の健康状態など機密性の高い情報をテレビで閲覧することが可能となり、高齢者の生活サポートなどに大きな期待が寄せられています。
据え置きタイプのSTBをテレビに接続する方法
STBとテレビを接続する手順は下記の通りになります。メーカーや機種によって若干の違いはありますが、おおよそこの流れが視聴までの手順になります。
1.テレビ・STB双方の電源をオフにする。
2.HDMIケーブルでテレビとSTBを接続する。同時に同軸ケーブルで、壁面のアンテナ端子とテレビで地デジ、STB本体の分配出力とテレビでBS/CS・UHFの接続も行います。
3.接続が完了したらテレビ・STBの電源をオンにして起動し、設定メニューに進みます。
4.各種設定作業を行い、アスペクト比や出力時の解像度などを調整します。無線LANの接続などネットワークの設定を行う場合はアクセスポイントの検索やパスワード入力が必要になります。
5.設定作業が完了すると30秒ほどの調整時間を経て視聴が可能になります。
まとめ
テレビの楽しみ方を大きく広げるSTBは現代の暮らしには欠かせない必需品となっています。今後はコンテンツの配信だけでなく、より生活に密着したデバイスとして人々の暮らしを豊かにすることでしょう。安価で機器を購入できるものも多いため、検討している人は、この機会に導入してみてはいかがでしょうか。
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