2023年3月10日にNetflixでパート2が配信されるやいなや、日本の今日のTV番組TOP10で連日1位を獲得したNetflixシリーズ『ザ・グローリー ～輝かしき復讐～』。パート1とパート2を合わせた全16話で、高校時代に壮絶ないじめを体験した主人公の“輝かしき復讐”が完成しました。
「よくある復讐劇」と侮るなかれ。心温まる瞬間も用意されているNetflixシリーズ『ザ・グローリー ～輝かしき復讐～』のあらすじと登場人物、そして見どころを紹介します。
『ザ・グローリー ～輝かしき復讐～』あらすじ
「私の夢はあなた。また必ず会おう、パク・ヨンジン」
高校時代、裕福で美人なクラスのリーダー格パク・ヨンジン率いる男女5人組グループから壮絶ないじめを受けていた主人公のムン・ドンウン。必死で周りに助けを求めても、親も教師も警察ですらも手を差し伸べてはくれず、ただひたすら耐えるしかなかった。
まさに地獄のような日々の末に高校を自主退学したドンウンは人生を復讐に捧げることを決意する。工場で働きながら高卒認定資格を取得し、大学に進学。やがて小学校の教師となった彼女の、18年もの歳月をかけた復讐劇が幕を開ける。
『ザ・グローリー ～輝かしき復讐～』登場人物
ムン・ドンウン（ソン・ヘギョ）
本作の主人公。貧しい家庭に育ち、高校時代はヨンジンたちから肉体的・精神的に酷い暴力を受けていた。その後、いじめに耐えかねて高校を自主退学。母親にも捨てられ、一度は命を絶つことも考えるが、復讐を糧に立ち上がる。18年後、セミョン小学校の教師になったドンウンはヨンジンの娘イェソルが所属するクラスの担当を受け持つことに。
学生時代を演じるのは、チョン・ジソ。
チュ・ヨジョン（イ・ドヒョン）
母親が院長を務める総合病院で働く形成外科医。同じく医師だった父親が患者に殺されるという悲しい過去を持ち、復讐に燃えるドンウンに深く共鳴。彼女が復讐を円滑に進められるよう、手助けをする。
パク・ヨンジン（イム・ジヨン）
高校時代にドンウンをいじめた首謀者。裕福な家庭に恵まれた容姿と、生まれながらに何もかも手にしていた彼女はまるで女王のように振る舞う。18年後は気象キャスターとなり、建築会社の社長であるドヨンと結婚。一人娘イェソルをもうける。
学生時代を演じるのは、シン・イェウン。
チョン・ジェジュン（パク・ソンフン）
ヨンジンと共にドンウンをいじめた中心人物。親がお金持ちなのをいいことにやりたい放題。18年後は親からゴルフ場の経営を任されているほか、“シエスタ”というブティック店のオーナーを務めている。色覚障害を持っており、ヨンジンとは長年の肉体関係にある。
学生時代を演じるのは、ソン・ビョングン。
イ・サラ（キム・ヒアラ）
ヨンジン、ジェジュンと共にドンウンをいじめた中心人物。牧師の娘として裕福な家庭に育ち、毎週礼拝に出席する。18年後は芸術家として活躍するが、薬物依存症に。売人であるミョンオから定期的にドラッグを購入している。
学生時代を演じるのは、ペ・ガンヒ。
チェ・へジョン（チャ・ジュヨン）
ヨンジン、ドンウン、サラの手下。クリーニング店を営む一般家庭で育ったため、グループ内での立ち位置は下から二番目。18年後は玉の輿を狙って、客室乗務員として働く。のちにお金持ち男性と結婚するが、幸せの絶頂期にかつて自分がいじめていたドンウンが現れて焦る。
学生時代を演じるのは、ソン・ジウ。
ソン・ミョンオ（キム・ゴヌ）
ヨンジン、ドンウン、サラの手下。へジョンと同様に裕福な家庭の生まれではなく、グループ内では最も立ち位置が低い。18年後はジェジュンが経営するシエスタで働きながら、裏でドラッグの売人をやっている。
学生時代を演じるのは、ソ・ウヒョク。
カン・ヒョンナム（ヨム・ヘラン）
セミョン財団理事長宅の使用人。DV夫から娘を守るため、夫の殺害を交換条件にドンウンと手を組む。
ハ・ドヨン（チョン・ソンイル）
ヨンジンの夫。有名な建設会社のCEOを務めている。愛する妻と娘に囲まれた順風満帆な生活を送っているが、趣味の囲碁をきっかけに知り合ったドンウンに惹かれていく。
ハ・イェソル（オ・ジユル）
ヨンジンとドヨンの娘。セミョン小学校の1年生で、ドンウンが担当を受け持つクラスに所属している。色覚障害を持っている。
ユン・ソヒ（イ・ソイ ）
ヨンジンたちのいじめのターゲットになっていた生徒。いじめを苦に自殺したとされており、その後、いじめのターゲットがドンウンに変わった。パート1では、10年以上も安置されていた彼女の遺体が突如消える。
いじめの醜悪さを強調する名悪役
このドラマを観て、何よりも驚くのが一切容赦のない「いじめの描写」でしょう。特に印象的なシーンとして描かれるのが、高校生のドンウンがヨンジンたちに身体を拘束され、“温度チェック”と称して熱されたヘアアイロンを手足に押し当てられる場面です。直視すれば気分が悪くなってしまうほどの描写は、韓国国内で実際に起きたいじめ事件の内容と非常に酷似しているのだとか。
過酷ないじめ描写ゆえに途中でリタイアしてしまう人もいるそうですが、こうしたいじめ（というより、もはや犯罪）が現実に起きていることを我々に突きつけ、その醜悪さを知らせようとする製作陣の気概を感じます。また、そのためにはいじめの加害者役として、悪役に徹する5人の俳優の存在が欠かせませんでした。
中でも『ザ・グローリー』で株を上げたのが、いじめ加害者グループのリーダー・ヨンジン役のイム・ジヨン。初の悪役とは思えないほどの熱演で、同情の余地すらない憎きキャラクターを作り上げました。ヨンジンの片方だけ口角の上がった、人を見下す笑い方に何度イラっとさせられたことでしょう。主人公であるヨンジンに深く感情移入できるのは、実力派俳優が演じる悪役の存在あってこそなのです。
ただの復讐劇じゃない『ザ・グローリー』
いじめを受けた主人公がその加害者と傍観者たちに復讐する物語……と聞けば、「あー韓国ドラマにありがちな復讐劇ね」と思う人もいるかもしれません。しかし、それで見ないという選択肢を取るのはあまりに勿体ない！本作は見終わった後に胸がすくような、ただの復讐劇ではないんです。
注目してほしいのは、ドンウンと彼女を取り巻く人々との交流です。前述したように思わず目を逸らしたくなるような残酷な描写もある『ザ・グローリー』。しかし、それでも個人的にこのドラマを見続けてみようと思えたのが、第1話で働きながら高卒認定試験の勉強をするドンウンが途中で寝てしまい、同僚の女の子が彼女を起こさないように靴を脱いで歩くシーンでした。一見、救いがないように思えるドンウンの物語にも至るところに希望となるものが散りばめられているのです。
ドンウンと同様、誰かに自分の人生を踏みにじられたことのあるヨジョンやヒョンナムの存在もそう。最初は復讐の協力者でしかなかった2人が少しずつドンウンの人生に欠かせないものとなっていく。そういう心温まる交流があるからこそ、自己保身に走り、やがて裏切り合いに発展するヨンジンたち5人の醜悪な関係がより強調されます。その光と影のコントラストが本作を「唯一無二の復讐劇」足らしめているのではないでしょうか。
まとめ
一度見始めたら、その結末が早く知りたくて全16話イッキ見してしまうに違いないNetflix
シリーズ『ザ・グローリー ～輝かしき復讐～』。ドンウンは自分をいじめた人間への復讐を貫徹することができるのか。そして、その復讐の先に何が待っているのか。ぜひNetflixで最後まで見届けましょう。
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