2023年1月よりNetflixで独占配信されている韓国ドラマ『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜』は韓国の塾街を舞台に、人気数学講師のチェ・チヨル（チョン・ギョンホ）と、近所で惣菜屋を営む女社長のナム・ヘンソン（チョン・ドヨン）が繰り広げるラブコメディ。
何もかも正反対の2人が少しずつ惹かれ合っていく王道の恋愛ドラマのように思えて、実は異色！という本作の魅力をフリーアナウンサーの武田知沙さんに語ってもらいました。
プロフィール：武田知沙
兵庫県神戸市出身。フリーアナウンサー。2022年テレビ愛知アナウンサーを退社、出身である関西を拠点に活動開始。「大のハロー！プロジェクト好き」としても知られている。
目次
『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜』とは
毎年し烈な受験競争が繰り広げられる韓国で、その聖地として知られる江南の大峙洞（テチドン）。名門塾がひしめき合うテチドンの中でも、私教育業界で名高い「ザ・プライド学院」で働く、数学の人気No.1講師（＝イルタ）のチェ・チヨル（チョン・ギョンホ）がこの物語の主人公です。
熱心でユーモア溢れる指導でカリスマ的人気を誇りながらも、実は神経質で過去のトラウマから摂食障害を患っているチヨル。そんな彼の胃袋を掴んだのは、近所で惣菜屋を営む女社長のナム・ヘンソン（チョン・ドヨン）でした。
一方、ヘンソンは大学入試を控える高校生の娘ヘイ（ノ・ユンソ）のため、私教育の場に足を踏み入れることに。反発しながらも惹かれ合っていく二人は、塾を舞台に巻き起こるさまざまなスキャンダルに翻弄されていきます。
恋愛ドラマなのに殺人事件が勃発？
ーー武田さんが今ハマっている作品のタイトルとあらすじを教えてください。
ただの恋愛ドラマじゃない！色んな要素が詰まったドラマ『イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで』です。
簡単にいえば超スター塾講師のチェ・チヨル先生と、惣菜店の社長ナム・ヘンソンさんが繰り広げるラブストーリなんですが、この2人はもともと何の共通点もなくて性格も正反対。出会い方も最悪で、最初はどちらかといえばお互い嫌い合っているぐらいの感じなんですよ。そんな2人が何で恋愛関係に発展していくのかってすごく気になりませんか？ ぜひそこを楽しんでいただきたいです。
ーー武田さんは2人の恋愛のどういうところに惹かれたのでしょうか。
チヨル先生ってもう勉強第一で、最初はヘンソンさんの名前も覚えられないくらい恋愛はおろか人に対して全く興味がないんです。すごく繊細で摂食障害や不眠症も患っていたりする。そんな彼がヘンソンさんと出会って関わるうちにどんどん人間味が出てきて、温かい人になっていくんですね。本人も無意識にヘンソンさんのために行動しちゃったりして。明らかに眼差しとかも変わってくるんですよ。「もう絶対好きやん！ それが恋だよ！」って教えたくなっちゃうんです（笑）。
ーー韓国の恋愛ドラマといえば、スマートで完璧な男性が出てくるイメージですが……。
そうなんですよ！ 私がこれまで観てきた韓国ドラマに登場するのも、お金持ちでかっこよくて性格もいいっていう男性が多かったんですが、チヨル先生はすごく弱い部分も持ち合わせていて、決して完璧ではないんですよね。だけど、ヘンソンさんといることでお互いを高め合っていける。そういう関係性が繊細に描写されているところが素敵だなと思いました。
ーー順調にラブラブになっていくというよりは、なにか障害があるんですよね。
はい、実は2人の恋には一つ大きな課題がありまして……実はヘンソンさんにはナムヘイ（ノ・ユンソ）という高校生の娘がいるんですね。結論から言うと、ヘイはヘンソンさんの姉の子供で2人は実の親子関係ではないんです。でもヘンソンさんはヘイのことを思って、周りの人にそのことは内緒にしているんですよ。
そんな中でチヨル先生との恋愛が世間に明らかになれば、不倫を疑われてしまいますし、だけど実の親子じゃないことを公表すればヘイのことを傷つけてしまうかもしれない。そのジレンマというか、好きだけど伝えられないみたいなそれぞれの気持ちにすごく共感できるんですよね。
ーー複雑そうですね。
このまま両思いになってくれればいいのにって思うのに一筋縄にはいかないんですよね。色んな障害があったり、さらには事件があったりとかして、なかなか結ばれないんですけど、その壁を乗り越えて2人が両思いになった時に予想を超える感動が待ってるんです。
やっぱりチヨル先生は勉強第一っていう感じだし、ヘンソンさんも家族を養うために必死だったからお互いあまり恋愛する暇がなかったと思うんですよ。そんな2人のピュアな恋愛にキュンが止まらなくて、このドラマを観ていて一瞬画面が暗くなった時にすごいニヤニヤした自分の表情が映ってゾクってしましたもん（笑）。
ーー 今のところ正反対の男女が惹かれ合うという一見普通の恋愛ドラマに思えるのですが、どのあたりが異色なのでしょうか。
この作品はただの恋愛ドラマじゃなくて、実はメインのテーマは受験なんです。チヨル先生が受け持つ受験生の親が不正をしてしまったり、足を引っ張り合ったり。そんな親たちに振り回されて、子供たちがどんどん自分を追い込んでおかしくなってしまったり、そういう受験の闇もしっかり描かれていますし、なんと殺人事件も起こってくるんですよ。それがどんな風に2人の恋愛に絡んでくるのか。きっと多分最後まで想像つかない展開になっていると思います。
ーー韓国のシビアな受験戦争もリアルに描かれていると。
そうですね。本作で描かれているテストの流出事件も実際に韓国であった事件を基にしているっていう風に聞きましたし、最初は素直に勉強を頑張っていた子が親の期待に応えようとするあまりにどんどん壊れていってしまう描写なんかはかなりリアルに感じました。
私自身、大学受験の時は自分を追い込みすぎてしんどくなってしまった経験があるのでわかるな〜と思ったり。きっと現時点でそういう立場に置かれている人にとっても、受験生のお子さんを持つ親御さんにとっても共感できるポイントが多々あるんじゃないでしょうか。
本当にこれまでたくさん恋愛ドラマを見てきたんですけど、こんなに色んな要素が詰まったドラマは見たことがなかったですね。笑いもあるし、恋愛のドキドキ感っていうのも味わえて、一方で事件の犯人は誰なんだろうっていうハラハラ感もたっぷり詰まってました。
“関西の肝っ玉かあさん”みたいなヒロインに励まされる
ーー武田さんが好きなキャラクターを教えてください。
私はヘンソンさんの弟であるナム・ジェウ（オ・ウィシク）がすごく好きですね。ジェウは自閉症スペクトラム症なのですが、とってもチャーミングな性格で可愛いんですよ。彼の行動のまっすぐさだったり、ピュアな部分っていうのは、私には全くないものなので心が洗われます。
チヨル先生に対しても最初は警戒してたんですが、そのうち兄貴兄貴って慕うようになっていくんです。そんな二人が第13話である秘密を共有し合って、男と男の約束をするシーンがあるんですけど、それがとっても好きで。何回見ても笑っちゃいますね。二人の関係性の変化は回を増すごとに面白くなっていくのでぜひ注目してみてほしいです。
ーージェウはこのストーリーを盛り上げる存在なのでしょうか。
ナム家の家族愛を描く上でジェウの行動がすごくキーになってくる部分もありますし、チヨル先生とヘンソンさんの2人を繋げる重要な役でもあります。彼だけじゃなく、それぞれのキャラクターがすごく濃いのも本作の魅力だなと思いますね。
特にヒロインであるヘンソンがとにかく魅力的で！なんでこんなに魅力的なんだろうって考えたんですけど、ちょっと関西人に似てるところがあるからかもしれないです。ヘンソンさんはすごく情熱的で豪快な性格で、ちょっとおせっかいなところもある温かい人。どこか肝っ玉かあさんみたいな雰囲気があるから、関西人の私としては安心感があるんですよね。
ーー普通の恋愛ドラマのヒロインと、どんなところに違いがあると思いますか？
やっぱりその豪快さとか迷いがないところですかね。チヨル先生もスター塾講師で完璧に見えるんですけど、繊細なところがあるから結構落ち込むことも多くて。そんな時にヘンソンさんの強気で前向きなところに励まされて、どんどん変わっていくんです。
ヘンソンさんみたいな女性にすごく憧れますね。私は臆病なところがありますし、失敗が怖くて萎縮しちゃうタイプで、どちらかといえばチヨル先生に共感するんです。だから私自身もチヨル先生を通して、ヘンソンさんの言葉や行動にとても励まされました。
ーー具体的に励まされたシーンはありますか？
チヨル先生がヘンソンさんにある悩みを打ち明けたことがあるんですね。その時にハンドボールの元代表選手であるヘンソンさんが、「ハンドボールは投げる角度を少しずつ変えながら成功率を上げていく。だから最初から失敗を怖がらず、そういう風にどんどん成功に近づいていると思って挑戦していけばいい」っていう風に励ますんですが、その言葉は自分の心にもすごく刺さりましたね。私もヘンソンさんみたいな誰かに出会いたいなって思ったのと同時に、こんな女性になりたいという憧れも抱きました。
ーー他にもお気に入りのシーンはありますか？
私がすごく好きなシーンが12話にあって。チヨル先生とヘンソンさんがちょっとしたすれ違いから喧嘩に発展するんですね。それでヘンソンさんはかなり怒ってたんですけど、次の日の早朝に買い出しに行こうと思って、まだ薄暗い時間に外に出たらチヨル先生が外に立ってるんですよ。
そしたら怒ってたはずなのにヘンソンさんの表情がゆるんじゃって、結局許しちゃうっていう。やっぱりドラマだと台詞ありきというか、言葉で仲直りするシーンはよくありますけど、表情だけで仲直りしちゃう感じが大人の恋愛っぽくて素敵だなと思いましたね。
でも、一番ときめいたのは最後のシーンですかね。まあ、どうなるかはお楽しみということで（笑）。ただ、二人がお互いのことを思いやって思いやって思いやった結果として生まれるとっても素敵なラストになっているので最後まで余すことなく楽しめると思います！
『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜』はちょっと弱気になってる人の背中も押してくれる
ーーこの作品をどんな人にオススメしたいですか？
これまで恋愛ドラマをたくさん見てきた人も、本作にはこれまで見たこともない面白さがあるので楽しめると思います。あとは私自身、すごく落ち込みやすかったり気持ちをなかなか切り替えられないタイプなんですが、ヘンソンさんの言葉や行動にすごく励まされて温かい気持ちになりました。ちょっと弱気になっている人も彼女の姿を見ていると、色々なことを諦めずに頑張ろうとか、失敗を怖がらずに挑戦してみようっていう気持ちになれるんじゃないかなと思います！
今回の記事は「eo光チャンネル」で放送中の番組『Netflix Freaks』の連動企画。こちらの動画もご覧いただき、武田さんの熱を帯びたプレゼンで作品の面白さをぜひ感じてください！
【Netflixシリーズ『イルタ・スキャンダル』独占配信中】
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