藤子・F・不二雄『T・Pぼん』がNetflixでアニメ化。時空を超え“命の重さ”と向き合う

藤子・F・不二雄『T・Pぼん』

1978年から連載された藤子・F・不二雄の傑作SF漫画が初のシリーズアニメ化。Netflixシリーズ 『T・Pぼん(タイムパトロールぼん)』の第1シーズン全12話が、2024年5月2日より配信開始となりました。平凡な中学生が不幸な死を遂げた人々を救うべく、時空を超える壮大な冒険物語の見どころを紹介します。

※本記事は『T・Pぼん』の一部ネタバレを含みます。

『T・Pぼん』あらすじ

藤子・F・不二雄『T・Pぼん』イメージ

主人公の並平凡(なみひら・ぼん)は、何をやっても平均点の平凡な中学生。部活にも入らず、友人たちと平穏な日常を送っていた。だが、友人の一人である鉄男が目の前でベランダから転落死。その瞬間、不思議な少女リーム・ストリームが時間を巻き戻し、鉄男が生き返る。彼女は、全世界・全時代を通じて不幸な死を遂げた人々を助けに行く未来の組織T・P(タイムパトロール)の隊員だった。
タイムパトロールの秘密を握ってしまった凡は存在を消されそうになるが、未来の歴史に大きく関わっていることが判明。やむをえずT・Pの見習い隊員となり、リームや謎の生物ブヨヨンと共に時空を超えた冒険を繰り広げる。

『T・Pぼん』登場キャラクター

並平凡(なみひら・ぼん/CV:若山晃久)

21世紀を生きる、名前の通り何をやっても平凡な中学生。T・Pの見習い隊員となり、時空を超えた冒険を繰り広げる。声優として演じるのは、『NOBLESSE ーノブレスー』や『タイムボカン24』などに出演し、フレッシュな演技で見る者を魅了し続ける若山晃久。

リーム・ストリーム(CV:種﨑敦美)

2056年の世界に住むミドルスクールの3年生。T・Pの先輩として凡を指導する。『SPY×FAMILY』でアーニャ・フォージャーを演じたことでブレイクを果たし、第17回声優アワードにて史上初となる主演声優賞および助演声優賞のW受賞を果たした種﨑敦美が頼れるお姉さんである一方、ドジな一面も持ち合わせたリームを演じる。

ブヨヨン(CV:宮野真守)

超空間を通ると、勝手についてくるゼリー状の不思議な生き物。意外と役立つため、リームは好きにさせている。『DEATH NOTE』や『うたの☆プリンスさまっ♪』など代表作を数多く持つ宮野が本作のムードメーカー的存在であるブヨヨンに、コミカルに声を吹き込む。

白木陽子(CV:白砂沙帆)

凡のクラスメイト。凡が日常的に行動を共にしている友人たちの中で唯一の女の子。しっかり者で凡に宿題をするように度々促す。

白石鉄男(CV:日笠陽子)

凡が行動を共にする友人の一人。第1話で不運にも自宅のベランダから転落死するが、リームが時間を戻したことで生き返る。ぽっちゃり体型。

柳沢(CV:伊藤節生)

凡が行動を共にする友人の一人で、眼鏡をかけた博識な少年。

安川ユミ子(CV:黒沢ともよ)

凡たちとは違うクラスに所属する中学生の女の子。テニス部に所属する学校の人気者。陽子と仲が良い。

ゲイラ(CV: 加瀬康之)

T・P隊の本部に所属する監察官。凡が一人前になるまで二人で行動することになったリームたちを指導する。

藤子・F・不二雄の傑作SFコミックが最新のアニメ技術で現代に蘇る!

藤子・F・不二雄『T・Pぼん』イメージ

原作は、藤子・F・不二雄の『T・Pぼん(タイムパトロールぼん)』。
『ドラえもん』『キテレツ大百科』など、数々の名作を世に送り出してきた藤子・F・不二雄が生涯をかけて追求した歴史や古代遺跡への愛。その愛を比類なきスケールでSFへと結実させた『T・Pぼん(タイムパトロールぼん)』は傑作漫画として知られています。平凡な中学生の凡が、ひょんなことから『ドラえもん』にも登場する未来の組織T・Pの隊員となり、時空を超えて不幸な死を遂げた人々を救っていくSFストーリーです。

そんな『T・Pぼん』を、藤子・F・不二雄の生誕90周年を記念して初のシリーズアニメ化した本作。第1シーズンが5月2日より、第2シーズンが7月17日よりNetflixにて独占配信されます。

アニメーション制作は、『鋼の錬金術師』や『僕のヒーローアカデミア』などの人気作を手がけてきたボンズが担当。『ストレンヂア 無皇刃譚』や『花咲くいろは』の安藤真裕が監督を務め、原作のレトロな質感を残しつつも、最新のアニメーション技術を駆使し、血湧き肉躍るエンターテインメント超大作に仕上げています。

原作では凡が生きているのは1979年設定となっていますが、今回のアニメでは21世紀設定となっており、凡たちがスマホやSNSを使用していたりと、ところどころ現代風にアレンジされているのもポイント。レイティングは“16歳以上推奨”となっていますが、若い世代から大人まで幅広い年代の人が楽しめるアニメ作品となっています。

過去の歴史から得るべき教訓が浮かび上がるストーリー

不幸な死を遂げた人々をひそかに救う未来の組織T・P。対象は全世界・全時代と多岐にわたり、恐竜が生きている後期ジュラ紀の北アメリカから、ジェゼル王のピラミッド建設中だった紀元前2592年のエジプト、シルクロードを見下ろす7世紀の天山山脈、太平洋戦争下の沖縄まで、凡はさまざまな場所に降り立ちます。

本作はフィクションですが、物語のベースとなる歴史的背景は史実に基づいているのが特徴。そのためランダムではありますが、世界史や日本史の勉強にもなります。また、そこで描かれる歴史的な事実から教訓めいたメッセージが読み取れることも。

例えば、第5話「魔女狩り」では凡とリームが350年前の南フランスに降り立ち、魔女の疑いをかけられたセリーヌという少女が拷問の末に火あぶりにされる未来を変えるために奮闘。その悲惨な死を見事、阻止しました。ストーリーの中でセリーヌは助かりますが、現実のヨーロッパでは歴史上20万人以上が魔女狩りの被害に遭っています。

「集団ヒステリーよ。理性を失った人間のおそろしさね」というリームの台詞が忘れられません。人々の強い怒りや不安が蓄積され、やがて大きなエネルギーへと変わっていくーー。凡が現代に帰ってきた時、鉄男のSNSが炎上していたように、集団ヒステリーはいつの時代も起こり得るもの。過去の歴史から学ぶべきことはたくさんあると本作は教えてくれます。

タイムパトロールの限界に直面した凡の台詞が刺さる

T・P活動は、“航時法”というタイムトラベルに関する規則を定めた法律に基づいて行われます。例えば、「過去の自然に手を触れるときは未来に及ぼす影響を調査の上行うこと(2章16条)」「宝くじ、競馬、株式売買など金儲けの手段にタイムマシンを使用してはならない(3章56条)」「被救助者に物理的な力を加えてはならない(5章1条)」といったもの。

その中でも、凡を最も苦しめるのが「T・Pは歴史の流れに影響ある人物を救助してはならない(1章1条)」という規定です。T・Pが助けることができるのは、歴史の流れに影響がでない人々だけ。例えば、マリーアントワネットや織田信長といった影響力のある人々は救助すれば歴史が大きく改変されてしまうため、救助できないのです。また凡が小石を蹴ったことが巡り巡ってガンの根治法発見に繋がったように(そのため、凡は存在を消されずに済んだ)、たとえ歴史に名を刻んでいない人であっても、安易に救助することはできません。

そんな中、第8話「戦場の美少女」で特攻隊員の一人を救いに向かった凡。目の前で対象者以外の特攻隊員が次々死んでいくのをただ見ていることしかできません。彼らを救うことで後の歴史を改変してしまうかもしれないからです。

たった一人しか救えないタイムパトロールの限界に直面した凡の「誰彼区別することないよ。みんな助けりゃいいんだ!落ちていく特攻機にも、ぶつかられる軍艦にも、それぞれ人間が乗っているんだぞ!その一人ひとりに家族があるんだぞ!」という叫びが胸を打ちます。

人はいつか必ず死ぬけれど、どんな人であっても不幸な死を遂げていいはずがない。

まとめ

主人公の凡と共にさまざまな時代・場所で生きる人々の生と死を見つめ、命の重さを知るアニメ『T・Pぼん』。極上のエンターテインメントに重大なメッセージを忍ばせる藤子・F・不二雄の手腕を改めて実感せざるを得ない必見の作品です。

また今回の記事は「eo光チャンネル」で放送中の番組『Netflix Freaks』の連動企画。こちらの動画も合わせてご覧ください!

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