Netflix『PLUTO』浦沢直樹がアニメジャパンに初参戦!思いを語る

Animejapan メインビジュアル

2023年3月25日、26日に東京ビックサイトで開催された年に一度の“アニメの祭典”「AnimeJapan(アニメジャパン)2023」。総来場者数10万人を記録したこのビッグイベントにNetflixも参加し、年内に配信される新作アニメタイトルの魅力をアピールしました。

ネトフリアニメブースでの展示やアニメ『PLUTO』の原作者である漫画家・浦沢直樹らが登壇したスペシャルステージの模様、そこで発表された最新情報をお届けします!

「AnimeJapan 2023」2日間で約10万人来場

Animejapan バナー

「AnimeJapan」とは、2014年から毎年3月に開催されている世界最大級のアニメ総合イベント。

毎年多くの国内外アニメ関連企業がブースを出展し、そこでイベントの開催やグッズの販売が行われるほか、“AJステージ”と呼ばれる大きなステージで最新アニメ作品の発表やライブ、トークイベントなどが繰り広げられます。

Animejapan 会場の様子
▲当日の模様

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年は中止、2021年はオンラインのみの開催、2022年はリアルとオンラインでの開催に。記念すべき10周年となる今回は2019年以来、4年ぶりの完全リアル開催となり、2日間で国内外から約10万人が来場しました。

ネトフリアニメも5度目の参加!

Animejapan ネトフリアニメブース

定額制動画配信サービスのNetflixも「AnimeJapan 2023」にブースを出展。今回が5度目の参加となります。

Netflixは数多くのアニメ作品を配信しているだけではなく、近年は独占配信作品の製作にも力を入れており、『極主夫道』『サイバーパンク: エッジランナーズ』『七つの大罪 怨嗟のエジンバラ 前編』「伊藤潤二『マニアック』」などのタイトルを世に送り出してきました。

Animejapan 七つの大罪 怨嗟のエジンバラ 前編
Animejapan マニアック

今やNetflixにおけるアニメは年間1億世帯以上が視聴する一大ジャンルとなっています。

そんな“ネトフリアニメ”ブースの今年のテーマは、時を超えて作品とファンが交わり会話が行き交う空間「Anime Cross Junction」。世界配信を控える話題作や配信中の人気作品だけではなく、過去作を含む、あらゆるジャンルのタイトルを様々な展示や声優陣によるトークイベントを通して紹介しました。

Animejapan ネトフリアニメLIVE配信のタイムテーブル

こちらが25日、26日に実施された全6回に渡るステージ。AJステージのBLUE STAGEで行われたスペシャルステージのみならず、ブースで繰り広げられたトークイベントにはネトフリアニメに出演の、関智一、津田健次郎、諏訪部順一、小松未可子、内山昂輝、下野紘、ファイルーズあいといった豪華声優陣が集結し、会場を大いに盛り上げました。

ネトフリスペシャルステージでは、ドラマ・映画化もされたよしながふみの漫画『大奥』や、カルロ・ゼン氏によるミリタリーSF小説『ヤキトリ』のアニメ化、そしてそれらに携わる豪華スタッフや声優陣も続々発表に。

さらに、2023年に独占配信予定のNetflixシリーズ『陰陽師』より主人公・安倍晴明の相棒となる源博雅のキャラクター設定画がお披露目になるなど、盛りだくさんの内容で今後さらに進化していくであろうネトフリアニメの魅力が大いにアピールされました。

Animejapan 人気声優によるトークイベントステージ
▲ブースの真ん中にステージを配置。人気声優によるトークイベントが開催された
Animejapan 富江の人肉アイテム
▲こちらは『マニアック』と人気キャラクター、富江の人肉アイテム。人肉を模したシリコンと日用品を合体させたアート作品を制作してきたdoooo(ドゥー)とのコラボ作品となっている

その他にも展示はもちろん、体験コーナーやオリジナルグッズがもらえる抽選会など、アクティビティが満載だったネトフリアニメブース。「Anime Cross Junction」というテーマ通り、作品のファンが改めてその魅力を実感できる2日間となりました。

アニメ『PLUTO』原作者の浦沢直樹やアトム役・日笠陽子が登壇!スペシャルステージをレポート

Netflixで2023年内配信予定!アニメ『PLUTO』とは

Animejapan PLUTO

『20世紀少年』『YAWARA!』など数々のヒット作を生み出してきた漫画家・浦沢直樹が、『MONSTER』『20世紀少年』などでの盟友・長崎尚志をプロデュースに迎え、手塚治虫の代表作『鉄腕アトム』の一篇「地上最大のロボット」を独自の視点と解釈でリメイクした漫画『PLUTO』(2003年〜2009年)。

人間と高性能ロボットが共生する近未来で起こるサスペンスドラマを描いた同作は、手塚治虫文化賞マンガ大賞をはじめ、2011年アングレーム国際漫画フェスティバルにてインタージェネレーション賞を、その他ACBDアジア賞を受賞するなど国内外で高評価を得ました。2015年には舞台化、2018年には好評につき再演を果たし、その後欧州(イギリス、オランダ、ベルギー)ツアーも敢行されています。

Animejapan PLUTOの映像も放映

そんな『PLUTO』の誕生20周年の節目に、Netflixにて初めてアニメ化されることが2023年2月に発表されました。取材時点で明らかになっているのは『呪術廻戦』などの制作を手掛けるMAPPAの創設者・丸山正雄が率いるスタジオM2が制作を担当すること。アニメ化の発表と同時に制作決定PVが公開された際には、同スタジオが手がけた圧倒的なクオリティの映像に多くの期待の声が寄せられました。

またゲジヒト役を藤真秀、アトム役を日笠陽子、ウラン役を鈴木みのりが務めます。

浦沢直樹「手塚治虫から受け取ったバトンを渡したい」

Animejapan 手塚眞と浦沢直樹

AJステージのBLUE STAGEで行われたスペシャルステージには、『PLUTO』の原作者である浦沢が登壇。監修を務めた手塚眞、アトム役の日笠、ウラン役の鈴木とともにステージに立ち、アニメ化決定への思いを語りました。

MCの呼び込みで4名が登場するやいなや、会場から大きな拍手と歓声が上がります。

まずは、それぞれから一言挨拶。最初に浦沢が「いよいよ『PLUTO』がアニメに。皆さんもワクワクしていると思いますが、僕の方がワクワクしてます。ぜひ、楽しみにしていてください」と集まったファンに語りかけました。

続く、手塚は「今日は『PLUTO』の元になった『鉄腕アトム』の原作者・手塚治虫の遺族としてきました。また漫画には監修役として関わっています。これからアニメの応援をしていきたいと思います」と挨拶。

日笠は「伝説のアトム、そして浦沢さんの描く『PLUTO』。二重の重みと喜びを噛み締めています。今日は皆さんの前でお話ができることを嬉しく思っています」とコメントし、鈴木は「自分が手塚治虫さん、浦沢直樹さんの作品に関われることが夢のようで、みなさんに伝えたいことはたくさんありますが、この作品に懸けてきた皆さまの想いを大切に、そしてウランと向き合い、挑み続けたお芝居をご覧いただきたいと思います。ぜひ作品の公開を楽しみしていただき、公開された際には、どっぷり作品につかっていただければと思います」とコメント。

Animejapan PLUTO原作者の浦沢直樹

MCからアニメ化発表を受けての感想を聞かれた浦沢は、「この企画はかなり前から内緒で進行してきました。ずっと言いたくてしょうがなかったので、やっと言って良いんだってことでホッとしています」とコメント。

また「5才の頃に初めて読んでから、この作品は全漫画の中で中央に鎮座するイメージがずっとあります。当時、幼いながらにもなんという切ない話なんだろうと5才の浦沢少年は思いました。その得体のしれない切なさみたいなものを一生かかって突き止めていくような感じがしております」と、自身が「心の漫画」と語る『鉄腕アトム』と出会った時の衝撃について熱弁しました。

日本初のTVアニメとして1963年に『鉄腕アトム』が放送され、そこから60年の時を経て『PLUTO』が日本のみならず世界へ配信されることに、「アトムの最初のTVからきっかり60年でアニメ『PLUTO』が生まれて、先日発表できたことに運命的なことを感じます」と語る手塚。続けて、『鉄腕アトム』の生みの親であり、自身の親でもある手塚治虫の思いを「『俺の作品を風化させなかった、ありがとう浦沢君』と言っていると思います」と代弁しました。

それに対し、浦沢は「(手塚治虫さんが)時折上の方から『浦沢氏、それはちょっと書き方が違うよ』って言ってくるんですよ」と笑います。一方、手塚も最初に浦沢から漫画のリメイクをしたいという話がきた時は1年近く悩んだそう。しかし、「今日のことをその時に知っていれば、すぐにでもOKしていたと思います」と現在の思いについて明かしました。

Animejapan アトム役の日笠陽子

「最高の形で実現した」と手塚が語るアニメ『PLUTO』。その中で、見事オーディションでアトム役を勝ち取った日笠は「オーディションに受かったと聞いた時は、嬉しさと驚き、意外と苦悩という感情が一緒にやってきました」と語ります。

というのも、オーディションの際に渡された資料に「『PLUTO』を描く時非常に苦悩した。だからアニメーションを作る皆様にも一緒に苦悩してほしい」と浦沢からのコメントが書いてあったそう。その言葉がずっと心に残っていたという日笠は、「受かった瞬間に浦沢さんのいう苦悩の旅に出ていくのだと思いました。でも苦悩は何かを作る上で必ず必要なもの。ものすごい覚悟で挑まさせていただいております」と改めて意気込みを明かしました。

Animejapan ウラン役の鈴木みのり

また、アトムの妹であるウランを演じた鈴木も同じく、「皆様がこの作品にどれくらい時間と気持ちをかけているかということが10ページぐらいに渡って資料に書かれていて、自分もこの作品に関われるのであれば、全身全霊を懸けて挑んでいくべきだと思いました」とオーディションの際の心境を振り返ります。

「ウランは元々人の痛みや感情が分かる子ですが、とはいえロボットなので人間しか分からない気持ちもどこかにあって。その分かっているようで、分かっていないという部分を表現する際にかなり苦悩しました」と、悩んで悩んで作り上げていったウランというキャラクターについての思いを話しました。

Animejapan PLUTOポスター

そして、このステージ上で浦沢が本作のために描き下ろしたティザービジュアルが初公開に。ビジュアルには、主人公の刑事ロボット・ゲジヒトをはじめ、アトム、エプシロン、ノース二号、ブランド、ヘラクレス、モンブランの7人の世界最高水準のロボットが並び、その背後には巨大な影が浮かび上がっています。

このビジュアルについて、浦沢は「久しぶりに描いたのですが、案外スラスラと出てきましたね。キャラ立ちがとってもある方たちなので、それぞれが自分からしっかり演技をしてくれたなと思います」とコメント。

また、日笠は「アフレコの時、私も本当にこういう目をしていたと思います。この目になるぞと思って演じていたので、見てびっくりしました!」と語り、手塚も「マンガの時のアトムより凛々しくなっていると思います。アニメ版のアトムの顔になっていますね」と嬉しそうな顔を見せます。

Animejapan 笑顔の4人

最後に、全員から一言ずつ締めの言葉が語られました。

まずは日笠から、「実は日笠家全員、浦沢先生のファンなので『PLUTO』の初版を持っていて、兄からその原作本を預かってオーディションに臨みました。『PLUTO』はロボット漫画であり、家族の物語でもあるんです。血が繋がっていなくても、家族としての感情だったり愛情だったり、そういうものに目を向けられるのではないかと思っています。私も兄からもらったパワーを受け取って、ウランのお兄ちゃんにさせてもらったので、そんな気持ちが作品に乗っていれば良いなと思います。全身全霊を込めて、感情を開放する気持ちで演じております。配信を楽しみに待っていてください」と熱い思いを語りました。

鈴木は「自分が手塚さん、浦沢さんの作品に関われることが夢のようで、伝えたい気持ちはたくさんありますが、ウラン役としてこの作品に懸けてきた皆さまの想いを大切に、ウランと向き合い続け、挑み続けたお芝居ができているのではないかと思います。作品の公開を楽しみしていただきたいですし、公開された際には、どっぷり作品につかっていただければと思います」とコメント。

手塚は「今、世界では戦争が起きています。そしてさまざまな分断や差別も起きております。その中で、『PLUTO』を見ることがどれだけ大切なことか。この時代のためにできた作品だと思います。それを20年前に予見していた浦沢さんもすごいと思いますし、もちろんずっと昔から言い続けていた手塚治虫の想いを受け止めて味わっていただきたいと思います」と述べます。

Animejapan PLUTO監修の手塚眞

また浦沢も「おっしゃったように手塚治虫さんは60年前に、この話を我々に提示してくれていました。そして60年たった今、世界はこのような状態になっていて、まだこの作品が有効であるということ。それが僕が原作から感じた巨大な切なさなのではないかと思います」と複雑な思いを吐露。

そして、最後に「手塚先生から受け取ったバトンを今度は僕が皆さんに届ける。そういうことをしていかない限り、その巨大な切なさは消えないと思います。なので、ぜひ僕からのバトンを受け取ってください」と訴え、イベントは幕を閉じました。

2023年に配信予定のNetflixアニメ『PLUTO』をぜひお楽しみに! 


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