『ゼロ・グラビティ』『しあわせの隠れ場所』などで知られる俳優サンドラ・ブロック。芸歴35年を超え（2023年現在）、アカデミー主演女優賞の受賞歴もある大ベテランです。この記事では俳優サンドラ・ブロックのキャリアを振り返るとともに出演作を紹介し、彼女の持つ魅力を解説します。
サンドラ・ブロックのキャリアを紹介
オペラ歌手と声楽教師の両親の間に生まれ、幼少期はドイツで過ごしたサンドラ・ブロック。演技との出会いは大学時代。ノースカロライナ州のイーストカロライナ大学で演技を学び、舞台でのキャリアを積むためニューヨークのマンハッタンへ移住。バーテンダーなどの仕事をしながら舞台や映画の出演を重ねます。サンドラ・ブロックを世界的スターに押し上げたのは1994年のアクション・スリラー作品『スピード』。テロ事件に巻き込まれながらも気丈でキュートな役柄を見事演じ、一躍人気スターとなります。
以降もヒット作への出演を重ね、2009年の『しあわせの隠れ場所』では厳しくも優しい母親役の演技が評価され、アカデミー主演女優賞とゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞。2000年の『デンジャラス・ビューティー』、2009年の『あなたは私の婿になる』でもゴールデングローブ賞の主演女優賞（ミュージカル・コメディ部門）にノミネートされるなど、その演技力は高く評価されています。
また奇しくもアカデミー賞受賞と同年の2009年には「最低」の映画を選ぶ、ラジー賞（ゴールデンラズベリー賞）の「最低スクリーンカップル賞」も受賞（『All About Steve（原題）』で）。
受賞者が出席することは珍しいラジー賞ですが、なんとサンドラ・ブロックは授賞式に同作のDVDを大量に持ち込み「自分の演技を見て、最低かどうか改めて確認してほしい」とスピーチを披露し、喝采を浴びました。寛大でユーモアあふれる一面も魅力のサンドラ・ブロックですが、2022年3月には俳優業の休業を発表。「母親として家族と過ごす時間を大切にしたい」とのことで、俳優業への復帰が待ち望まれます。
サンドラ・ブロックの出演作5選を紹介！
『スピード』
爆薬を仕掛けられ、時速80kmを下回れば爆発してしまうバスでの攻防を描くアクション・スリラー作品。主役のSWAT隊員ジャックをキアヌ・リーブスが演じ、サンドラ・ブロックはバス事件に巻き込まれた大学生アニーを演じています。緊迫した状況下でも気丈に、どこか可愛げのある演技は高い評価を獲得。サンドラ・ブロックの出世作となりました。
『しあわせの隠れ場所』
実在のアメリカン・フットボール選手マイケル・オアーの半生を描いたノンフィクション小説の映画化作品。真冬の夜、ホームレス同様の生活を送っていた大柄な少年マイケルを放っておけず自宅に招き入れたリー・アン夫人。父の顔も知らず母とも離れて暮らしているマイケルの境遇を知った夫人は、彼の後見人になることを決意。マイケル自身はアメリカン・フットボールの才能を秘めており、努力の末に才能を開花させる。サンドラ・ブロックは愛に溢れた母親役を熱演し、2009年のアカデミー主演女優賞を受賞するなど、俳優としての地位を確固たるものにします。
『ゼロ・グラビティ』
宇宙空間に取り残された主人公が地球への帰還を目指すSFサスペンス。サンドラ・ブロックは、ベテラン宇宙飛行士とともに宇宙でのミッションに取り組むメディカルエンジニアを演じます。重力も酸素も無い、デブリの飛び交う宇宙空間でのサバイバルを描いた『ゼロ・グラビティ』。登場人物も少なく、宇宙空間でのシーンが多いためセリフが極端に少ない作品ですが、絶体絶命の状況の連続とサンドラ・ブロックのセリフに頼らない緊迫した演技は息が止まってしまうほどです。
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『デンジャラス・ビューティー』
地味でガサツ、ファッションに一切興味の無いFBI捜査官のグレイシー・ハート。ミスコンテスト主催に爆弾魔からの爆破予告が届いたことで、ミスコンへの潜入捜査官に任命されるというストーリー。サンドラ・ブロックは男勝りなFBI捜査官を演じます。優雅なイメージのサンドラ・ブロックからは想像もつかないような役柄を演じきっています。所作も言動も男らしいグレイシーがゴージャスな美人に変身していく過程は、おもわず見とれてしまうはず。
『オーシャンズ8』
大人気クライム・ムービーシリーズ『オーシャンズ』のスピンオフ作品。『オーシャンズ』シリーズの主人公ダニー・オーシャンの妹デビー・オーシャンが主人公です。『オーシャンズ』シリーズファンもシリーズを未視聴の方も楽しめる痛快さが『オーシャンズ8』の魅力。サンドラ・ブロックは、兄譲りのゴージャスさとカリスマを兼ね揃えた怪盗・デビーを艶やかに演じています。
華がありつつもタフな姿が似合う名優
2015年米PEOPLE誌にて”世界で最も美しい女性”に選ばれるなど、華のある評価のサンドラ・ブロック。しかし、演じる役柄は「テロに巻き込まれ、バスを運転する女子大生」「宇宙空間に放り出された研究者」「ガサツなFBI捜査官」、など困難に立ち向かうタフな役の多い俳優です。歯を食いしばり、困難の最中にいながらも前を見据えるような、鋭く希望に満ちた視線は数多くの作品で観客の心を掴みます。
2021年制作のNetflix映画『消えない罪』でもタフな状況に身を置く役柄に打ち込みます。製作としても作品に深く関わるサンドラ・ブロックは、殺人の罪で20年服役していた元受刑者ルース・スレーターを熱演。視線の細かい動きやちょっとした所作で、自信の無さと自らの犯した罪に苛まれる姿を表現する演技は圧巻の一言です。過去の有名出演作とは全く毛色の違うサンドラ・ブロックを堪能できるでしょう。
予告編：Netflix映画『消えない罪』
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