第95回米国アカデミー賞の授賞式が、3月12日(現地時間)に開催されました。今回はミシェル・ヨー主演作『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』、通称「エブエブ」が最多7部門を制しました。
Netflixで観られる作品では『西部戦線異状なし』が国際長編映画賞ほか、4部門を受賞。また『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』が長編アニメーション賞、『エレファント・ウィスパラー 聖なる象との絆』が短編ドキュメンタリー賞を受賞しました。
本記事では第95回米国アカデミー賞の結果とともに、ノミネート作品の中からNetflixで今すぐ観られる3作を紹介します。
第95回アカデミー賞受賞作品一覧
作品賞
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
監督賞
ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
主演男優賞
ブレンダン・フレイザー(『ザ・ホエール』)
主演女優賞
ミシェル・ヨー(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
助演男優賞
キー・ホイ・クァン(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
助演女優賞
ジェイミー・リー・カーティス(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
その他の賞
<脚本賞>
ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
<脚色賞>
サラ・ポーリー(『ウーマン・トーキング 私たちの選択』)
<撮影賞>
ジェームス・フレンド(『西部戦線異状なし』)
<編集賞>
ポール・ロジャース(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
<視覚効果賞>
『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』
<美術賞>
『西部戦線異状なし』
<衣装デザイン賞>
『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』
<メイクアップ&ヘアスタイリング賞>
『ザ・ホエール』
<音響賞>
『トップガン マーヴェリック』
<作曲賞>
フォルカー・ベルテルマン(『西部戦線異状なし』)
<歌曲賞(主題歌賞)>
ラーフル・シプリガンジ&カーラ・バイラヴァ「Naatu Naatu」(『RRR』)
<長編ドキュメンタリー賞>
『ナワリヌイ』
<短編ドキュメンタリー賞>
『エレファント・ウィスパラー 聖なる象との絆』
<国際長編映画賞>
『西部戦線異状なし』
<長編アニメーション賞>
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
<短編アニメーション賞>
『ぼく モグラ キツネ 馬』
<短編実写映画賞>
『An Irish Goodbye(原題)』
2023年アカデミー賞ノミネート作品からNetflix3本を紹介
Netflixで観られる2023年のアカデミー賞のノミネート作品と賞の内訳は次の通り。以下の中から、Netflix Freaksでもレビュー済みの作品を3作紹介します。
西部戦線異状なし(作品賞/脚色賞/国際長編映画賞/視覚効果賞/撮影賞/美術賞/音響賞/作曲賞/メイク・ヘアスタイリング賞)
ブロンド(主演女優賞)
バルド、偽りの記録と一握りの真実(撮影賞)
ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(脚色賞)
ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(長編アニメーション賞)
ジェイコブと海の怪物(長編アニメーション賞)
エレファント・ウィスパラー: 聖なる象との絆(短編ドキュメンタリー映画賞)
マーサ・ミッチェル -誰も信じなかった告発-(短編ドキュメンタリー映画賞)
『西部戦線異状なし』
エリッヒ・マリア・レマルク著による1928年のベストセラー書籍が原作となっており、1930年にもハリウッドで映画化されましたが、92年ぶりに今度は原作の母国ドイツで映画化。エドワード・ベルガー監督がメガホンを取り、限りなくドラマ性を省きながら、淡々と戦場のリアルを映し出していきます。ショッキングな描写も多々ありますが、凄惨な現実を前に参戦当初の志を失っていくパウルの心情にグッと引き込まれていくことでしょう。
外国語作品としては2000年の『グリーン・デスティニー』と並ぶ史上最多ノミネートとなった本作。全世界が再び戦争の危機に直面している今だからこそ、観ておきたい作品です。作家・海猫沢めろんさんが本作について解説したコラムも公開されているので、ぜひチェックしてください!
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・関連記事:今こそ観るべきNetflix傑作映画『西部戦線異状なし』
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
2022年11月にNetflixで配信された映画『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』が長編アニメーション賞にノミネートされました。本作はギレルモ・デル・トロが手がける、イタリアの児童文学『ピノッキオの冒険』(カルロ・コッローディ著)を題材としたストップモーションミュージカルです。
おもちゃ職人のゼペットじいさんが作った木の人形「ピノッキオ」が、人間になろうと奮闘する、あまりに有名な物語をダークファンタジーの名手ギレルモ・デル・トロが独自解釈でリメイクしました。特筆すべきは、本作ではゼペットじいさんが戦争で息子を亡くしているという設定が新たに加えられていること。息子を亡くして酒に溺れ、嘆き悲しむゼペットじいさんの姿が描かれたことは世間に衝撃を与えました。
そんなゼペットじいさんが亡き息子の代わりでしかなかったピノッキオを“いかに愛するようになるのか”に重点が置かれており、児童文学が原作でありながら、大人が共感できる物語として再構築されています。まさに、ゼペットじいさんに感情移入して泣いてしまったという海猫沢めろんの感想も合わせてご覧ください。
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・関連記事:Netflix『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』は何度も見返すに値する映画だ
『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』
脚色賞にノミネートされたのが、Netflixで昨年末から配信中の映画『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』です。本作は、2019年に公開された『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』の主人公、名探偵ブノワ・ブランが新たな謎に挑む物語。前作の続編と銘打ってはいますが、ブノワ以外の登場人物や舞台は一新。
億万長者が持つ島に招かれた者たちが事件に巻き込まれるというミステリー王道の展開に、ファッション誌の最年少編集長となった元モデルや、Twitch初の100万フォロワーを達成した動画配信者など、現代的かつ個性的なキャラクターたちを登場させた実験的な内容となっています。
真犯人は誰か?という謎解きを楽しめるのはもちろんのこと、ゲスト達を孤島に招いた張本人である億万長者のマイルズ・ブロンを演じるエドワード・ノートンや、デイヴ・バウティスタ、ジェシカ・ヘンウィックなど、主演クラスの名優たちが繰り広げる演技の応酬も見逃せません。
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・関連記事:『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』は上質ミステリー&ゴージャスな映画だ
まとめ
第95回アカデミー賞で受賞した『西部戦線異状なし』なども含め、数々の見ごたえのある作品が観られるNetflix。受賞したもの以外のノミネート作品も、ぜひNetflixでチェックしてみてください!
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