そのクオリティの高さで世界から注目を集める韓国ドラマ。中でも、時代劇は変わらぬ人気の一大ジャンルです。今回はNetflixで配信中のバラエティ豊かな韓国時代劇ドラマの中から特におすすめの作品を7本紹介します。
シュルプ
時代劇版のお受験ドラマと呼ばれている『シュルプ』。韓国のトップ女優キム・ヘスが2002年放送のドラマ『張禧嬪』以来、20年ぶりに時代劇出演を果たしたことでも話題となりました。
時は疫病が蔓延し世に不安が漂う約500年前の朝鮮王朝時代。王妃であるイム・ファリョン（キム・ヘス）は5人の息子たちの世話に追われていました。長男・世子（＝王位後継者）は優秀ですが、あとの4人は問題児ばかり。そんな中、世子が病に倒れ、王の母の座を狙う側室たちVS王妃による教育競争が巻き起こるのです。
熾烈を極める現代の受験戦争を時代劇に落とし込んだ一作で、自分の王子が後継者にふさわしいことを証明しようとする母親たちの激しいバトルが見応え十分。ファリョンや世子以外の孫のことをよく思っていない大妃チョ氏（キム・ヘスク）とファリョンの嫁姑問題も勃発するなど、複雑な人間模様を楽しめます。
ちなみにタイトルとなっている「シュルプ」は、韓国の古い言葉で“傘”を意味します。子供が雨に濡れないように自分が傘となる。そんな母の愛に包まれる一作です。
恋慕
2022年にNetflixで独占配信され、日本でも大ヒットした『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で自閉スペクトラム症の弁護士を熱演したパク・ウンビンが主演を務めるロマンス時代劇。李氏朝鮮時代の王宮を舞台に、世子（＝王位後継者）と宮廷司書による身分違いの恋が描かれます。
ポイントは、世子が女性であること。ウンビン演じる主人公のタミは、王位継承者だった双子の兄弟の死により、男装し世子として生きていくことに……。そんな彼女の教育係となるのが、宮廷司書のチョン・ジウン（ロウン）。実は彼の初恋の相手はタミで、その正体に気づかないまま世子と恋に落ちていきます。世子に扮するタミもまたジウンに惹かれていくのですが、正体がバレてはいけないため恋心を明かすことができません。そんな2人の切ない恋愛模様が観る人の心を掴み、ウンビンとロウンはKBS演技大賞でベストカップル賞を獲得しました。
本作は漫画が原作で、描かれるのはロマンスが中心。作品のトーンも明るくラブコメ要素が満載なので、時代劇初心者の方でも楽しめることでしょう。
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魅惑の人
2024年1月〜3月にかけて配信された『魅惑の人』は、清に侵略された時代の朝鮮王朝を舞台としたロマンス時代劇。王権と宮中での権力を巡る争いに巻き込まれた王と、“賭け囲碁師”として暗躍し、得た資金によって人助けする男装の領議政の娘が恋に落ちていく物語です。
王イ・インを『賢い医師生活』シリーズで主人公を演じたチョ・ジョンソク、領議政の娘ヒスを『それでも僕らは走り続ける』で主演を務めたシン・セギョンが演じます。
インとヒスが恋に落ちるきっかけとなるのが、囲碁。男装で賭け囲碁師として暗躍するヒスは生まれて初めて囲碁で自分を負かしたインに惹かれます。インもまたヒスに興味を持ち、性別や身分を超えて惹かれ合う2人。けれど、あることをきっかけにヒスはインに復讐を誓い、やがて2人は対立する関係となるのです。
インはまさに“魅惑の人”。圧倒的なカリスマ性と威厳を放つインに理屈じゃなく惹かれてしまいます。男装姿のヒスもため息が出るほどに美しく、まさにお似合いの2人。ジョンソクとセギョンが相性抜群の演技を見せており、彼らが見せる愛情と憎しみが渦巻く複雑な感情に心揺さぶられること間違いありません。
新米史官ク・ヘリョン
『魅惑の人』でもヒロインを演じたシン・セギョンが、朝鮮王朝時代に初めて女性史官（宮廷で起こるすべての出来事を一語一句逃さず記録する職業のこと）となったク・ヘリョンの成長を体現する本作。
朝鮮王朝時代男性を中心とした階級社会で、実際にはいなかった女性史官として活躍するへリョンが、あらゆる困難にも負けず自分の使命を全うしようとする姿に勇気をもらえる一作です。
シン・セギョンとW主演を務めたのは、6人組男性アイドルグループ「ASTRO」のメンバー、チャ・ウヌ。時代劇初出演となったウヌが、「梅花メファ」というペンネームで密かに恋愛小説を書く王位継承序列第2位の大君イ・リムを演じました。
“顔の天才”と呼ばれるほど端正なルックスの持ち主であるウヌの韓服に胸キュン間違いなし。箱入り息子で少しわがままなリムが年上のヘリョンに一目惚れしたことから始まる2人の恋愛模様からも目が離せません。お仕事ドラマとロマンス時代劇の両面から楽しむことができます。
【Netflixシリーズ『新米史官ク・ヘリョン』独占配信中】
京城クリーチャー
本作は戦後、日本軍に統治された1945年の京城（現：ソウル）が舞台となっています。旧日本軍による人体実験をモチーフにしたホラーとなっており、人体実験によって生み出されたクリーチャー（怪物）と戦う人々が描かれています。
主人公は、パク・ソジュンが演じる成り上がりの実業家・テサン。京城一の情報通でもあるテサンは権力者の愛人探しをきっかけに、京城で起きている疾走事件の真相にたどり着きます。失踪したと思われていた人々は、秘密研究所の人体実験によって人を喰らう怪物へと変貌していたのです。
見どころとなるのは、クリーチャーに立ち向かう中で見せるテサンの変化。幼少期に苦労したがゆえにお金に執着し、他人よりも自分が生き延びることを優先していたテサンが、10年前に行方不明になった母親を探すユン・チェオク（ハン・ソヒ）と出会い、少しずつ成長していきます。
クリーチャーが襲い来る過酷な状況下で、進行する2人のロマンスも見逃せないポイント。人間らしさとは何か、人はなぜ生きるのかという物語に込められた深いテーマにも注目してみてください。
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還魂（パート1＆2）
ホン姉妹（『美男ですね』など）が手がける胸キュン必至のロマンスと、壮大な世界観が融合するファンタジーロマンス活劇。歴史にも地図上にも存在しない大湖（テホ）国を舞台に、人と人の魂を移し替える“還魂術”によって運命を変えられてしまった主人公たちの成長が描かれます。
特筆すべきは、ハリウッド並みの壮大なスケール感。総制作費は400億ウォン（40億円）とも言われ、術を使ったアクションシーンにはCG映像が駆使されています。史実に基づいた時代劇ではなく、一から創り上げられた緻密な世界観は流石の一言。韓国エンタメの底力を感じる作品となっています。
四大術士の家系の一つ、チャン家の子息チャン・ウクを演じるのは若手俳優のイ・ジェウクです。本作でおぼっちゃま気質のウクを憎めない可愛さで演じ、ブレイクを果たしました。2人のヒロインを演じるのは、チョン・ソミンとコ・ユンジョン。還魂術によって魂が入れ替わったムドク／ナクスとウクの恋愛模様も見どころの一つとなっています。
関連記事：Netflix『還魂』壮大な世界を舞台にイ・ジェウク×チョン・ソミンのロマンスを描く
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キングダム
舞台は1600年代の李氏王朝。二度の戦争で国が荒れ果てる中、王の死を知らせる怪文書が出回ります。謀反の疑いをかけられた世子のイ・チャン（チュ・ジフン）は真相を確かめようとするも、王の若き後妻であるチョ氏（キム・ヘジュン）に会わせてもらえません。
不審に思ったチャンは王の診察を担当した医師を探しに出かけることに。そこで、死んだはずの人間が生き返り、人を襲う化け物（＝ゾンビ）になる疫病が蔓延していることを知るのでした。
時代劇とゾンビスリラーを掛け合わせた意欲作。王位継承者でありながら、権力を持たないチャンが国に蔓延する恐ろしい疫病から民衆を救うために闘う姿が描かれます。そんなチャンの前に立ちはだかるのが、王妃の父チョ・ハクチュ（リュ・スンリョン）。宮廷で渦巻く陰謀や権力闘争も本作の見どころの一つで、ゾンビドラマと複雑に絡み合っていきます。
ゾンビは夜になると動きが活発になり、人を襲うという設定。ゾンビといえば、ノロノロ追いかけてくるイメージがあるかもしれませんが、本作のゾンビはかなりの俊足。人間の足では逃げ切れないほどの速さで襲いかかってくるので、臨場感あふれる音楽も相まってハラハラドキドキが止まりません。
シーズン1とシーズン2で全16話。そのほか、シーズン2に登場した謎の少女アシンを主人公とした『キングダム：アシンの物語』も配信中なのでそちらも合わせてご覧ください。
まとめ
韓国ドラマの人気ジャンルの一つである時代劇。ラブストーリーからゾンビもの、お受験ドラマまで多種多様なジャンルのオススメ作品を紹介しました。7作品全てNetflixで独占配信中なので、ぜひ今回の記事を参考にチェックしてみてください！
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