韓国ドラマはなぜ面白い?3つの観点で考察
近年ますます勢いを増しているのが隣国、韓国のドラマです。いずれもNetflixシリーズとして人気の『愛の不時着』や『梨泰院クラス』、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』など世界中で話題となった作品は数知れず。最近だれかにオススメされて、韓国ドラマデビューを果たしたという人も多いのではないでしょうか。なぜ、韓国ドラマは面白いのか。その理由を3つの観点から考察します。
韓流ブームとともに進化してきた韓国ドラマ
韓国ドラマがなぜ面白いかを考察する前に、まずは日本で巻き起こった韓流ブームの歴史を紐解く必要があります。なぜなら、韓国ドラマは第1次〜第4次までの韓流ブームとともに進化を続けてきたからです。
第1次韓流ブームは、約10年前の2003年。きっかけはNHKがBSで、翌年には地上波でも放送したドラマ『冬のソナタ』です。同作で主演を務めたペ・ヨンジュンがとくに中高年層の女性たちから人気を博し、“ヨン様”の愛称で親しまれるように。合わせて、チャン・ドンゴン、イ・ビョンホン、ウォンビンの4人が「韓流四天王」として熱烈な支持を受けました。
2010年から始まった第2次韓流ブームはより幅広い世代に伝播していきます。少女時代、KARA、東方神起、BIGBANGといったK-POPアイドルが日本でも大活躍。同時期にチャン・グンソク主演の『美男ですね』や、日本の少女漫画を原作とした『花より男子~Boys Over Flowers』といった若者向けのドラマが大ヒットとなり、韓国のエンタメは日本で大衆化し始めます。
一方で、出生の秘密や記憶喪失、不治の病といった韓国ドラマの王道展開がマンネリ化し始めたのもこの頃。それを打破したのが、tvNやJTBC、OCNなどのケーブル放送局の台頭です。ドラマ制作に力を入れるようになった各チャンネルが切磋琢磨した結果、韓国ドラマのクオリティが底上げされてきたというわけです。
2016年頃からの第3次ブームでは、BTSやTWICEといった新時代のアイドルとともに、こうした上質なドラマが世界中から注目を集めるように。その後、ケーブル局製作のドラマの一部がNetflixに配信委託されたこと、さらにはコロナ禍における“巣ごもり需要”の高まりも相まって、韓国ドラマ人気は勢いを増すばかり。『愛の不時着』や『梨泰院クラス』などのメガヒットを経た現在は第4次韓流ブームの真っ只中といわれています。
韓国ドラマが面白い3つの理由
『冬のソナタ』がブームとなった2003年から約10年という月日の中で成熟を重ねてきた韓国ドラマ。韓国文化体育観光省によると、韓国ドラマの輸出額は2020年時点で年間6億9279万ドル(日本円にして約950億円)に到達しており、今後もますます世界を席巻していくとみられます。では、なぜ韓国のドラマは大きなムーブメントを巻き起こすのかを3つの観点から考察していきます。
固定観念にとらわれない自由な発想力
韓国ドラマが面白い理由の一つとして挙げられるのが、固定観念にとらわれない自由な発想から生まれる奇想天外なストーリーです。
日本のドラマは恋愛もの、医療もの、刑事ものの3ジャンルに大別されることが多く、その多くが良くも悪くも現実味のあるストーリー展開となっています。これは日本において、理想や夢を映し出すドラマよりも共感できるドラマの方が求められる傾向にあるからかもしれません。ドラマなので多少なりとも劇的な出来事は必要ですが、日本のドラマはどちらかといえば“違和感のなさ”を重視しているような気がします。
韓国の場合はその逆。不滅の命を与えられ“トッケビ”になってしまった高麗の英雄と、その呪いを唯一解くことができるという現代の女子高生が恋に落ちる『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』や、素性を隠して地球に暮らす宇宙人と韓国のトップ女優の恋愛模様を描いた『星から来たあなた』など、日本ではあまり見かけない奇抜な設定も。非現実的でありながらも観ている側の心をしっかりと揺さぶるのは、巧みな心理描写によるもの。ファンタジーな設定を下地にしながらも共感ポイントを随所に散りばめた韓国のドラマは、日本人の私たちにとってかなり新鮮といえます。
胸キュン必至の理想的なキャラクター
韓国ドラマには「こんな人が現実にもいたらいいのに」と思うような理想的なキャラクターが登場するところも一つの魅力。人物造形が豊かで一人ひとりのキャラクターがいきいきと輝いています。
例えば、パク・ソジュンが演じた『梨泰院クラス』の主人公パク・セロイは正義感の強い無骨な男性でありながらも、恋愛には少々疎いという可愛らしい一面もあり、同性からも異性からも好かれるキャラクターとなりました。また、『私たちのブルース』にてハン・ジミン演じる奔放な女性に一目惚れし、一途にアプローチをかけるピュアな男性を演じたキム・ウビンも大人気。彼はイ・ミンホ、イ・ジョンソク、キム・スヒョンとともに「新韓流四天王」と呼ばれています。
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他にも『愛の不時着』のリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のイ・ジュノ(カン・テオ)、『還魂』のチャン・ウク(イ・ジェウク)など、韓国ドラマにはヒロインに愛を注ぐ理想的な男性がつきもの。「現実にはこんな男性はいない」と思うかもしれませんが、だからこそドラマの中でくらい思う存分キュンキュンしたい! という方にうってつけなのです。
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巨額の制作費から見える妥協しない姿勢
世界にも通用する高クオリティの作品を生み出すには、やはりそれなりの制作費を投入する必要があります。特に韓国はドラマ制作に多額の費用を費やしています。
例えば、2021年9月から配信されたサバイバルドラマ『イカゲーム』の制作にはかなり大がかりなセットが制作され、CG映像もふんだんに盛り込まれています。
2022年にヒットした『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』では、主人公のウ・ヨンウが空想するクジラのCG制作や、各エピソードにおける助演俳優への出演料に予算をかけたといいます。もしも大こけしたら大赤字というリスクを背負いながらも、ドラマ制作に一切妥協しない姿勢が韓国からたくさんのクオリティの高い作品が多く生まれてきた一つの理由なのです。
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まとめ
もはや追いつけないほどに、韓国から日々生み出されている良質なドラマたち。世界中から注目を集めた韓国ドラマをチェックするなら、Netflixがおすすめです。
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